旧村上ファンド系参入で、どうなるフジメディアHD
2025年4月13日(日)18時46分 財経新聞
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フジテレビの親会社であるフジメディアHDの株式について、旧村上ファンド・村上世彰氏の長女・野村絢氏と旧村上ファンド系の投資会社レノが、保有比率を11.81%まで引き上げていたことが、10日に提出された報告書で判明した。
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野村氏は8.96%を保有しており、昨年9月時点で筆頭株主だった東宝を超えている。
フジメディアHDは、元タレント・中居正広氏の問題で経営陣が入れ替わるなど、騒動の渦中にある。
にもかかわらず、株価はトランプショックで日経平均が過去3番目の下落幅を記録する中でも上昇するなど、強い動きを見せている。
旧村上ファンドの参入で、フジHDはどうなるのか?その他の株主との関係も含めどう動くのか注目される。
●村上氏とフジメディアHDの因縁
2004年、当時フジテレビの筆頭株主はニッポン放送だった。そのニッポン放送の筆頭株主であった村上ファンドは、フジテレビと共同で持ち株会社を設立し、ニッポン放送とフジテレビを子会社にすることを提案した。
その後、2005年にライブドアがニッポン放送株を取得する際、村上氏は、ライブドア関係者から取得前に情報を得て、ニッポン放送の株式を買い付けようとした。
そのことがインサイダー取引に当たるとし、2006年6月に村上世彰氏が証券取引法違反で逮捕された。
●旧村上ファンドの狙いは?
今後は、他の大株主の動向と合わせて注目が必要だ。
フジHD株の5%超を保有するレオス・キャピタルワークスの藤野社長は、「第三者委員会の報告書は想像以上に酷いものだった」と語るなど、大きな変革が求められる。
同じく5%超を保有する物言う株主ダルトン・インベストメンツも、刷新後の経営陣である金光氏や清水氏らの退任と、新経営陣の迎え入れを主張しており、混沌としている。
野村氏は単に高値で売り抜けて、利益を得ることが目的という見方もあるが、火中の栗を拾ってまで保有比率を高める真の狙いは分からない。
6月に株主総会を迎えるが、ライブドア騒動の主役だった実業家・堀江貴文氏の動きを含め、大株主の委任状争奪合戦や、株式買付の活発化が予想され、そのことが株価を押し上げているとも考えられる。
物言う株主の競演は“船頭多くして船山に上る”にもなりかねない。