ヤマダ電機の株主優待はお得?長期保有で利回り10%超

4月17日(火)11時30分 All About

ヤマダ電機は家電量販店業界の最大手。主力の家電販売事業では収益性向上が期待されている他、第二の事業柱も徐々に収益基盤が確立。そして株主優待も高利回りで魅力的です!

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ヤマダ電機は家電量販店のリーディングカンパニー

ヤマダ電機は家電量販店の国内最大手企業です。同社は1973年に山田昇社長が個人家電商店ナショナルショップ「ヤマダ電化センター」として創業したことに始まります。当時、家電を買う店といえば街の電気屋さんで、その店はメーカー専門店であることが一般的でした。同社も当初は松下電器の専門店でしたが、その後ほかのメーカー製品も取り扱う「量販店」に移行。家電販売において新たな市場を開拓した同社は、ロードサイドに出展する郊外型店舗「テックランド」を展開することで勢力を拡大していきました。

当時同社が取った戦略は“各商圏で最も早く、最も大きな店舗を出店する”ことで消費者を囲い込むといったものでしたが、2000年代になると同業のM&Aによる規模拡大も積極的に進め、マツヤデンキ、ベスト電器などを傘下に入れてきました。結果として現在、家電量販市場の4分の1のシェアを握っています。郊外型で勢力を拡大してきた同社ですが、2004年以降から「LABI」というブランドで大都市・駅前型にも参入し、20店舗を展開しています。

家一軒まるごと手掛ける家電量販店へ

また、2011年に住宅メーカーのエス・バイ・エルを買収したことを皮切りに住宅関連事業を本格化。ほかにウッドハウスや住宅設備機器メーカーのハウステックを擁し、今年11月にもリフォームを手掛けるナカヤマの完全子会社化を公表したほか、トイレや洗面台などを製造するアサヒ衛陶との業務提携を発表しています。

住宅関連事業による売上は現在(17/3期末)のところ全体の14%程度ですが、M&Aによる規模拡大や業務提携による新規事業の展開など非常に積極的に取り組んでいることから、今後第二の事業に育つことが期待できるかと思います。

大量仕入れと完全買取りによる仕入値低減と、ローコスト経営で実現

業界でも圧倒的な店舗規模をほこる同社は、規模のメリットを活かした大量仕入れを実現しています。この大量仕入れによる原価低減に加えて、同社には、「売る」力も備わっていると見られます。

同社は業界で先駆けてPOSを取り入れ、これに需要予測システムを合わせることで、販売予測の精度を高めることに成功。販売予測が上手くいけば、返品をする必要が無くなります。返品のない店はメーカーとの交渉力が高く、仕入値を安くしてもらいやすいため、大量仕入れと合わせると、格安で仕入できることになります。アパレルなどは返品が一般的ですが、100円ショップでは返品しないことが前提となっており、その分格安で仕入れられています。同社もこの100円ショップと同様「返品なしの完全買取り」で「激安」を実現してきました。

また、原価を抑えると同時に、ローコスト経営への取組みを続けてきたことも評価されるべき点だと思います。具体的には、全国規模での物流ネットワーク構築による物流コストの削減、メーカーからの派遣人員による人件費削減、建物や売場レイアウトの一元化による初期費用や運営コストの削減といったようなコスト削減策を講じてきました。

成長戦略としての効率経営の継続と新規事業の育成

同社の業績を見ると、2017年3月期まで売上は減少が続いてきたものの、利益は右肩上がりで拡大してきたことは注目すべきところかと思います。消費増税前の駆け込み需要に関連する反動減の影響を受けながらも、同社は経営効率化の為の抜本的見直し策に取り組んできました。具体的には社員とパート比率の適正化、非効率店舗の約60店舗の閉鎖、付帯事業の経費増抑制などが挙げられます。

この甲斐あって2016年3期には人件費、店舗関連経費、広告宣伝、その他、主要項目が全て前年比2〜10%と大きく減少し、経常利益は76.5%増となる大幅増益を達成しています。成長戦略では、既存ビジネスを強化するとともに、新市場の開拓を進めています。本業の家電量販事業では、スクラップアンドビルドによる効率化を進めているので安定した業績推移となると見られます。

そして同社は新たな成長分野を開拓し、第二の柱に育てています。M&Aによって住宅関連事業の基盤を固めつつあり、売上に占める割合も徐々に上がってきました。直近にも住宅設備メーカーなどとの業務提携を発表しており、家電との親和性の高さから成長が期待されます。住宅事業では、家具販売等の住まいの専門店を現在の1店から今期末までには22店を目指すとしているなど、事業拡大の速度が増しています。

こうした、非家電事業の育成は、家電量販業界で浸透してきている模様で、エディオンは不動産売買仲介業に参入、ビックカメラは春秋航空と資本業務提携するなど、家電販売だけに頼らない事業構造にかわりつつあります。

効率経営による利益率改善と、新規事業拡大による成長性を期待。株主優待も長期保有で魅力的な利回りに!

今後の同社の業績動向について、これは家電量販業界全体で言えることですが、人口減が続く国内においてこれまで通り店舗拡大戦略をとっていても、大きな成長は見込めない環境となってきています。国内では訪日外国人客による消費が期待できると思いますが、家電だけでは成長の伸びしろは限られます。訪日外国人客が増えたとしても、それを業界で採り合うことに変わりはないからです。

同社は出店戦略によって規模を拡大させてきましたが、すでに経営方針をアレンジしています。出店は売上を見込める地域に限定し、また同時に不採算店舗を閉鎖。既存ビジネスを強化すると同時に行っているのが新規ビジネスの開拓です。具体的には、家電と親和性の高い住宅事業を手掛け、「家を丸ごと一軒」プロデュースできるような事業構造の構築を目指しています。

業績は、効率重視にシフトしたことから利益率の改善が続いており、財務面も強化されつつあります。棚卸資産が急増したことについては、やや留意が必要ですが、これは季節商品の仕入や売り場構成の変更、そして即日・翌日配送に対応するための施策によるところであり、販売が上手くいけば問題ないと思います。

17年9月末時点の財務内容は、自己資本比率が50.1%、有利子負債が3159億円。406億円の現金等を考慮したネットDEレシオは0.47倍。流動比率1.7倍、当座比率は0.3倍、固定長期適合率0.74倍と安全指標で問題はないと思います。17年3期実績ROEは7.7%。ROEは2015年3期を底にV字回復しています。2018年3月23日までに上限4000万株・200億円で自己株取得を進めたこともROE改善に繋がっています。

同社の株主優待の利回りは高水準です。権利確定月は3月と9月の年2回。100株保有の場合、3月末は優待券(500円)が2枚(ただし、保有1年以上で+3枚、保有2年以上で+4枚)、9月末は4枚(ただし、保有1年以上で+1枚)がもらえます。株価656円で購入し、2年間保有を継続した場合にもらえる株主優待は年間で5500円分となります。現金配当(予想)を18円を加えると、優待利回りは11.1%に達します。業績が期待出来る上、納得の利回り。同社の株主優待は非常にお得だと思います。
(文:戸松 信博)

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