アマゾン、スマートホーム分野を強化

4月17日(火)6時0分 JBpress

米アマゾン・ドットコムのジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)。米ウエストハリウッドで行われたイベントで(2016年9月17日撮影)。(c)AFP/TOMMASO BODDI〔AFPBB News〕

 かねてから伝えられていたとおり、米アマゾン・ドットコムは4月12日、ホームセキュリティー機器を手がける米国の新興企業、リング(Ring)を買収したと発表した。


家庭市場への進出を拡大

 取引金額などの詳細は明かしていないが、買収額は、10億ドル(約1072億円)以上と見られている。同社は、昨年、米高級スーパーマーケットチェーンのホールフーズ・マーケットを137億ドルで買収したが、今回は、それに次ぐ規模で、同社として過去2番目の大型買収となる。

 リングは、ドアベルとも呼ばれる玄関ドアチャイムを手がける企業。ただ、その「ビデオ・ドアベル」という製品は、単なるドアチャイムではない。セキュリティーカメラを備えており、訪問者の映像を音声とともに、スマートフォンやパソコンに映し出す。この仕組みにより、顧客は、不在時でも外出先から訪問者を確認でき、会話することも可能となる。

 アマゾンはここ最近、スマートホーム関連の機器やサービスに力を入れている。今回のニュースについて報じているザ・バージの記事は、「こうしてアマゾンは、着実に家庭市場への進出を拡大させている」と伝えている。その代表例が、AI(人工知能)スピーカーの「Amazon Echo」とアシスタントサービスの「Alexa」だという。


不在時宅内配達サービスを全米に拡大

 また、アマゾンは、昨年10月、米国で屋内用セキュリティーカメラ「Amazon Cloud Cam」を発売した。これは、有料プログラム「Prime」の会員向けに米国の37都市で始めた、不在時宅内配達サービス「Amazon Key」に用いるカメラ。そして、先ごろ同社は、このサービスを全米に拡大すると発表した。

 このほか、アマゾンは昨年12月に、米ブリンク(Blink)という、同じくビデオドアホンを手がける住宅用セキュリティー企業を買収した。

(参考・関連記事)「アマゾンの新システム、再配達解消のカギとなるか」


「収益は、サービスで得る」がアマゾン流

 興味深いのは、アマゾンがさっそく値下げ攻勢に出た点だ。同社は、今回のリング買収の発表とともに、これまで、約180ドルで販売していた、ビデオ・ドアベルの廉価モデルを、約100ドルに値下げしたことを明らかにした。

 アマゾンは、ホールフーズ・マーケットの買収直後も、大規模値下げを実施したが、今回も同様の戦略と言えそうだ。

 前述したザ・バージの記事は、アマゾンは、こうした値下げ戦略で、競争力を高めるのが得意だと指摘している。例えば、米グーグル傘下ネストラボの製品は229ドル。電子錠を手がける米オーガストホームの製品は、199ドル。アマゾンは価格競争力で、圧倒的に有利だという。

 アマゾンは、しばしば、ハードウエア製品を大幅値下げするという戦略を取る。収益は、ハードウエアの販売ではなく、提供するサービスで得るというのがアマゾン流。今回買収したリングもアマゾンと同様の販売スタイルだ。例えば、リングのビデオ・ドアベルには、有料サービスがある。月額3ドル、または年額30ドルのサービスに加入すれば、映像の60日間保存、家族や警察との映像共有といったサービスが利用できるとしている。

筆者:小久保 重信

JBpress

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