自転車で1日100km移動するほど熱中…お金のプロが5kgダイエット成功と100万円を手に入れた驚きの貯蓄法

2024年4月18日(木)8時15分 プレジデント社

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Pekic

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物価上昇で家計は厳しくなる一方。こんなときはどうすればいいのか。ファイナンシャルプランナーの藤原久敏さんは「物価高のいまこそ効果が期待できる貯蓄法がある。私はこの方法で5kgのダイエットと100万円の貯蓄を実現している」という——。
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■物価高を逆手に取れる貯蓄法


今、物価高に苦しむ家計は多いと思います。


物価高でも収入がそこまで上がるわけでもなく、支出を減らそうにも、それもなかなか難しいもの。


そんな今こそ、注目したいのが「つもり貯金」です。


つもり貯金とは、その名の通り、「外食に行ったつもり」「服を買ったつもり」など、「○○したつもり」になって、その分のお金を節約する方法です。


今は物価高ゆえに、自ずと、その節約できる金額も高くなります。


すなわち、この物価高の中でこそ、より効果を発揮する節約方法ともいえるでしょう。


つもり貯金は、昔からある定番の節約方法なのですが、意外と実践している人(とくに長続きしている人)は少ないものです。


今回は、そんな「つもり貯金」のポイントについて書きたいと思います。


■つもり貯金に必要な力とは


つもり貯金には、特別な知識や経験、テクニックは必要ありません。


必要なのは、お金を使いたい誘惑を、「○○したつもりで」で我慢する忍耐力と、「もし○○したら、××円かかるだろう」という想像力です。


と、簡単に言いましたが、我慢することはなかなか難しいものです。


というのは、世の中は、とにかく「お金を使わせよう」と、あの手この手で物欲を刺激してくるからです。


実際、世の中には「今を楽しもう」「二度とは来ない、今を」といったキャッチーなフレーズで溢れています。また、「消費とは経済を回すこと」など言われると、お金を貯めこむことは悪いことのように思えてもきます。


そして、そんな甘言に乗っかって、こちらも「自分へのご褒美」「運命の出会いだ」などの理由をつけて、ついついお金を使ってしまうものなのです(心当たりある人は多いと思います)。


■想像力が、より重要


そこで、重要となってくるのが、前述の想像力です。


たとえば、仕事終わりに、ちょっと飲んで帰りたいと思ったとしましょう。


お店の前には、美味しそうなビールの写真など、誘惑がいっぱいです。


これを、ただ「飲んで帰ったつもり」で我慢するのは、しんどいですよね。


そこで、実際にちょっと飲んで帰るとしたら、どのお店に行って、何を注文するつもりなのかを、しっかり想像するのです。


たとえば、「駅前の居酒屋で、ビール2杯と、焼き鳥4本」だとしましょう。


それがしっかり想像できれば、そのために必要な金額が明確になります。


この場合、その金額が2000円だとすれば、「飲んで帰ったつもり」で我慢できれば、これは2000円稼いだのと同じです。


このように、節約できる金額をハッキリさせれば、モチベーションも上がり、「○○したつもり」で我慢できるラインも上がることでしょう。


もし、旅行に行きたいのを我慢するのであれば、ただ「旅行に行ったつもり」で我慢するのではなく、「箱根に一泊旅行に行ったつもり」と、具体的に設定することが重要です。


その際には、想像力を働かせて、その旅行内容をできるだけ明確にしましょう。


そうすれば、交通費やホテル代、現地でのレジャー費やお土産代など、そのための予算(節約できる金額)も明確になり、「つもり貯金」のモチベーションアップとなります。


写真=iStock.com/marchmeena29
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/marchmeena29

■記録することで継続できる


そして、つもり貯金で節約できた金額は、しっかりと記録しておくことが大切です。


それがたとえ、「コンビニで、ペットボトルを買ったつもり」で節約できた120円であっても、その都度、しっかり記録しましょう。


慣れないうちは面倒かもしれませんが、その場でサッと、スマホ入力なら負担も少ないはずです。


実際、「つもり貯金」の大半は、「コンビニの買物」「仕事帰りの飲み」など、その節約金額は少額なのですから。


しかし、そんな少額の「つもり」も「積もれば」、大きな金額となります。


たとえば、最近の1週間の私の「つもり貯金」は、以下のとおり。


筆者作成

私は甘いモノ好きでして、外出時にはかなりの確率で、コンビニでスイーツを買って、オヤツに食べてしまいます。最近はコンビニスイーツも高級路線化しており、また、一緒に飲み物も買うので、1回で500円程度の出費となります。


なので、これを週2回程度は我慢するように心がけています。


また、外食も多く、そして、そこそこ良いモノを食べるようにしています。


しかし、そのすべてが必要不可欠な外食というわけではありません。


そこで、「少し遅めに出て、家で昼ごはんを食べる」「少し早めに帰って、家で晩ごはんを食べる」ことを、それぞれ週1回くらい心がけています。


それによって、1週間で平均4000〜5000円程度のつもり貯金が可能ですし、実際、その程度のつもり貯金を実践しております。


■「コンビニスイーツ」と「外食」で100万円のつもり貯金


そして、それをしっかり記録しておくことで、つもり貯金の効果が、ハッキリと目に見える形となるわけです。


ハッキリと目に見えれば、モチベーションも高まり、自ずと続けることができます。


そして、続けることで、その効果(節約金額の累計額)はますます大きくなり、その金額を見て、さらに続けることができるわけです。


私の場合、1カ月で2万円程度、1年間で20万円以上の節約金額となります。


それをもう5年程度は続けているので、この「コンビニスイーツ」「外食」のつもり貯金だけで、累計100万円程度。


ちなみにその金額は、暗号資産やFXなど、ハイリスクな投資に回しています。もともとはなかったお金なので、思い切った使い方ができるのです。


なお、この「記録する」ことこそ、「続ける」ことの秘策であることは、つもり貯金に限ったものではありません。


何事も続けることが大切ですが、ダイエットにせよ、トレーニングにせよ、続かないものですよね。


そんな「続かない」で悩んでいる人には、「記録すること」を強くお勧めします。


■つもり貯金のおかげで体重がマイナス5kg


さて、私は長年、この「つもり貯金」を実践していて慣れていることもあり、最近では、プラスアルファの要素として、「健康増進」も意識しています。


具体的には、できるだけ「電車に乗ったつもり」「車に乗ったつもり」を心がけ、極力、電車や車を使わずに、歩きや自転車で移動するようにしています。


これは交通費を浮かせるよくある節約法ですが、立派な「つもり貯金」でもあるのです。


そして、電車や車のかわりに、歩いたり自転車に乗ったりするわけですから、(体を動かすこととなり)自ずと健康増進にもつながるわけです。


私はこの「電車(車)に乗ったつもり貯金」を意識するようになり、体重は5kg減りました。


また、あと少し食べられるかな……というようなときは、「食べたつもり」を心がけ、極力、食べる量を減らすようにしています。たとえば回転寿司では、「あと2皿、マグロとサーモンを食べたつもり」などとグッと我慢して、腹7〜8分目を意識しています。


腹一杯食べるより、食べる量はちょっと少な目に抑えた方が、健康には良いとされています。


このあたりは諸説あるかもしれませんが、少なくとも私は、この「食べたつもり貯金」で食べる量を減らすようにしてからは、明らかに体調は良くなっています。


ちなみにお酒をよく飲む人なら、「飲んだつもり貯金」は、健康増進に直結することでしょう。


もちろん、そんな健康増進効果も、続けることによって得られるということは、言うまでもありません。


■つもり貯金の落とし穴とは?


さて、そんな効用抜群の「つもり貯金」ですが、落とし穴もあるので要注意です。


その落とし穴とは、「やり過ぎてしまう」こと。


つもり貯金の効果は絶大で、その節約金額は(記録することで)ハッキリと目に見えるだけに、ついつい、必要以上にやり過ぎてしまうという中毒性があるのです。


ただ、いつも「○○したつもり」になって、なんでも我慢するのでは、つまらない人生になりかねません。


また、我慢をしすぎて、心身に不調をきたす危険性もあるので気を付けたいところです。


ちなみに私も、前述の「電車(車)に乗ったつもり貯金」をやり過ぎて、仕事・プライベート問わず、どこへでも自転車で行っていた時期がありました。ちょうど電車賃の値上げ・ガソリン代の高騰が重なった時期でもあり、その節約できる金額の大きさに目を奪われてのことでした。


1日100km近く移動する日も珍しくなく、これにはさすがに体調を崩し、そして膝を壊し、しばらく動けない日が続くことになりました。


これには大いに反省し、今では、無理のない範囲で、自転車移動を楽しむようにしています。


■ポイントはゲーム感覚で楽しむこと


あと、これは私ではありませんが、「つもり貯金で200万円貯めて、車を買う」との目標を設定した知人がいました。


しかし、その目標達成のために「つもり貯金」に励み過ぎて、あらゆることを我慢し、日常生活に支障をきたすようになってしまったのでした。


目標を設定することは悪いことではありませんが、あまりにも目標に囚われてしまうと、「つもり貯金」がノルマとなってしまい、日々の生活がギスギスしてしまいます。当然、それでは長続きするはずがありませんよね。


ですので、目標ありきのつもり貯金は、(よほどの理由がない限り)あまりお勧めはできません。


目標(金額)を設定するにしても、それは「半年間で節約できたお金で、旅行に行こう」「1年間で節約できた金額は、投資に回そう」など、決して目標(金額)ありきにならないよう、ゆるいものにとどめておくことをお勧めします。


つもり貯金では、「気が付けば、こんなに節約できていた」が理想であり、つもり貯金そのものを、ゲーム感覚で楽しむことが理想なのです。


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藤原 久敏(ふじわら・ひさとし)
ファイナンシャルプランナー
1977年大阪府大阪狭山市生まれ。大阪市立大学文学部哲学科卒業後、尼崎信用金庫を経て、2001年に藤原ファイナンシャルプランナー事務所開設。現在は、主に資産運用に関する講演・執筆等を精力的にこなす。また、大阪経済法科大学経済学部非常勤講師としてファイナンシャルプランニング講座を担当する。著書に『株、投資信託、FX、仮想通貨… ファイナンシャルプランナーが20年投資を続けてみたらこうなった』(彩図社)など。
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(ファイナンシャルプランナー 藤原 久敏)

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