ひろゆきが「英語の教科書に載せたほうがいい」と絶賛…ややこしい英語の時制が一目で頭に入る"バズ図解"

2025年4月18日(金)7時15分 プレジデント社

出典=『見るだけでわかる‼ 英語ピクト図鑑』

「英語の時制」は日本語とは違うため、つまずく人が多い。もっと直感的に理解する方法はないか。英語コーチのマーク氏は「日本人が英語の時制でつまずくのは誤解しているポイントがあるからだ。教科書の説明を読むより図解のほうが誤解を防ぎながら理解を深めることができる」という——。

※本稿は、マーク(村木幸司)『見るだけでわかる‼ 英語ピクト図鑑』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。


■日本人が「英語の時制」が苦手なワケ


日本人が英語を勉強していてつまずきがちな“壁”の1つが、「時制」でしょう。英語には完了形や完了進行形など、日本語には存在しない時制がいくつもあるため、中学や高校で教わったけれど、すっきり理解できずに苦手意識を持っている人も少なくないと思います。


かくいう私も、そんな一人でした。


今でこそ英語コーチとして英語をオンラインで教えていますが、恥ずかしながら30代で英語の学び直しを始めるまで、時制のことはきちんと理解できていませんでした。大人になって英文法をいちから勉強し直して、ようやく「そういうことだったのか!」と腑に落ちたしだいです。


その後、英語コーチになってからは、オンラインで教えるかたわらX(旧ツイッター)などのSNSで英語の解説スライドを投稿するようになりました。中学レベルの基本文法を解説した投稿をしていったのですが、「時制」に関しては誰でもわかるような説明が思いつきませんでした。


そんなあるときSNSで、英語の時制を過去・現在・未来の軸と矢印を組み合わせて解説している図を見つけたんです。この図を見た私は、「これを、もっとわかりやすく伝えられないかな」と考えました。


■ひろゆき氏のリポストで30万いいね!


あれこれ思案してたどり着いたのが、人型のピクトグラムでした。


ヒントになった時制の図は過去や現在の時点の表現が黒丸だったのですが、それを立っている人や動いている人のピクトにすることで、より視覚的にわかりやすくなる——。


急いでつくったスライドをXに投稿したところ、すぐに反響がありました。


「時制は苦手だったけれど、これはわかりやすい!」
「違いがよくわかった!」


といった反応をフォロワーさんたちがしてくれました。投稿したのがちょうど学校の定期テストの時期だったので、学生さんたちからも「テスト前に知っておけばよかった」「これからテストだから助かった」などのコメントをたくさんいただきました。


出典=『見るだけでわかる‼ 英語ピクト図鑑

そして、この投稿がさらなる反響を呼んだのは、実業家のひろゆき(西村博之)さんが、「これ、役に立ち過ぎて凄い。英語の教科書に入れさせて貰った方がいい」とリポストしてくれたからです。これを機に一気に私の投稿が拡散され、なんと30万「いいね」を叩き出しました。


それまでにも英語解説のスライドを試行錯誤しながら時間をかけて作成していたのですが、正直、反響はいまいちでした。ところが、初めて作成したこの英語の時制のピクト図解は、ひろゆきさんのリポストのおかげで30万以上の「いいね」がつきました。


それ以来、英単語やフレーズなどをピクトグラムで解説した投稿に力を入れるようになり、今では多くの人に見ていただけるようになりました。


■「時制」でつまずきがちな3つのポイント


時制を理解するポイントは、その出来事が「いつ起きたか」を理解することです。X(旧ツイッター)に投稿したスライドを元に作成した図表1では、黒色の人型のピクトの位置が「いつ起きた」かを、走っている姿が進行形を、灰色の人型と赤い矢印が完了形を示しています。特に日本語にはない現在完了形など、きちんと理解していない人も少なくないでしょう。


ここでは、英語の時制でありがちな「3つの誤解」について説明したいと思います。


■ポイント①「現在形」は現在のことだけを表現するわけではない


時制で意外と勘違いされがちなのが、「現在形」です。現在のことを説明するのが現在形だと思われがちですが、現在形が表すのは「いまこの瞬間」だけではありません。過去から未来まで、習慣的にやっていることも「現在形」で表現します。


例えば I study English. の和訳は「私は英語を勉強する」ですが、いまこの瞬間に勉強していなくても、学校で英語を学んでいたり、英会話スクールに通っていたりと、「私は日常的に英語を勉強している」という現状が現在形で表現できます。図では「いつもやっている」と訳しました。


では、実際に「いまこの瞬間に勉強しているところだ」という表現をしたい場合はどうでしょう。こういうときには「現在進行形」を使うのです。 I am studying English. は「私は英語を勉強しているところです」という和訳になります。図では「いまやっている」と訳し、走っているピクトで表現しています。


同様に現在形で、 I work at a hospital. と言えば「私は(普段)病院に勤務している」となりますし、現在進行形で、 I am working at a hospital. と言えば「私は(いま)病院で仕事中です」となるわけです。


写真=iStock.com/Lamaip
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Lamaip

■ポイント②「過去形」と「完了形」の違い


もう1つ、間違えやすいのが「過去形」と「完了形」でしょう。


まずは図の過去形と現在完了形のピクトグラムをよく見比べてみてください。基準となる時点は黒色の人型ピクトで、動作が始まった時点および継続している期間を灰色のピクトで表しています。


過去形を見ると、黒のピクトが「過去」に立っているのに対し、現在完了形は「現在」に立っています。そして、過去に立っている灰色のピクトから矢印が引かれています。


つまり、過去形は過去の一点だけを示し、現在完了形は過去から現在まで継続している動作や出来事を“現在の視点”で話しているのです。


ちなみに、完了形には以下の3つの用法があります。一覧表に記載した和訳「やったことがある」は経験用法です。


・経験用法:ある行為や出来事が過去に一度でも起こったことがあることを表す。
【例】I have visited Paris.(パリに行ったことがある)


・継続用法:過去から現在までのある期間ずっと続いている状態を表す。
【例】I have lived here for ten years.(10年間ここに住んでいる)


・結果用法:過去に起こった出来事や行為が現在に影響を及ぼしていることを表す。
【例】I have lost my keys.(鍵をなくしたので、今も見つかっていない)


■ポイント③英語に「未来形」はない


意外と知られていないのですが、じつは英語の動詞に「未来形」というものはありません。あくまで未来のことを表現する助動詞「will」を使ったり、未来に向かっている「be going to」という熟語を使ったりして表現します。



マーク(村木幸司)『見るだけでわかる‼ 英語ピクト図鑑』(プレジデント社)

これら will も be going to も「未来形」ではなく「現在形」です。図で「未来形」と書かず、「未来」と記載しているのはそのためです。動詞はあくまで現在形で、動詞が変形しているわけではないのです。


いかがでしょうか? ピクトを用いた図をあわせてご覧いただければ、「3つのポイント」がイメージできたはずです。学生時代に英語の時制をきちんと理解していなかった人も、スッキリと理解できたのではないでしょうか。


教科書や文字で説明されると、どうしてもお勉強感が出て抵抗感がある人もいるでしょう。その点、ピクトグラムは文字情報よりも視覚的にニュアンスがつかめるので、英語に苦手意識のある大人はもちろん、中高生や小学生でも直感的に理解しやすいのではないかと思います。


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マーク(村木幸司)(むらき・こうじ)
英語コーチング協会認定コーチ
大手自動車メーカー勤務時代に、英会話教室でネイティブ講師に英語を習うも、ろくに会話もできず、TOEICは毎回300点台。しかし、英語の基本文法を学び直したところ英語学習に目覚める。TOEICのスコアも劇的に伸び、その英語力を活かして海外出張や海外駐在を経験。現在は脱サラして、英語コーチング協会認定コーチとして、基本英文法やTOEIC対策をオンラインで教えている。X(旧Twitter)でのピクトグラムを使った英語解説が話題になり、フォロワーは6万人以上。
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(英語コーチング協会認定コーチ マーク(村木幸司) 構成=岩佐陸生)

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