「必要な部下を選別しろ」「文書をシュレッダーにかけろ」「2人以上で集まるな」――「マスク流・ツイッター改造計画」のリアル

2025年4月20日(日)6時0分 ダイヤモンドオンライン

「必要な部下を選別しろ」「文書をシュレッダーにかけろ」「2人以上で集まるな」――「マスク流・ツイッター改造計画」のリアル

イーロン・マスクによるツイッター買収劇とその後の混乱を描いた『Breaking Twitter イーロン・マスク 史上最悪の企業買収』(ベン・メズリック著、井口耕二訳)。著者は大ヒット映画『ソーシャル・ネットワーク』原作者、ベン・メズリック。本書はメズリック氏による関係者への徹底的な取材をもと、マスクの知られざる顔に迫る衝撃ノンフィクション小説だ。「生々しくて面白い」「想像以上にエグい」「面白くて一気に読んだ」など絶賛の感想が相次いでいる本書。今回は本書の発売を記念し、「ツイッター社がイーロン・マスクに『占領』された日」を一部抜粋・再編集してお届けする(全3回のうち第3回)。

イーロン・マスクがツイッター社に姿を現した初日、社員たちはまだ様子見の空気だった。だが、幹部の強制退社、解雇通知、社内への“舎弟”の流入、そしてリストラの予告……流血の惨事はすでに始まっていた。そして今、ツイッターは「2.0」へと向かおうとしている。だが、その道筋には戦略も計画も見えず、現場には戸惑いと混乱だけが広がっている。プリントアウトを命じられたコードはシュレッダーにかけられ、社員の集まりは禁じられた。これは改革か、それとも支配か──。

Photo: kovop58/Adobe Stock

ツイッター2.0に戦略なし。決まっているのは「リストラ」だけ

今回の買収はあきれるほど時間がかかったというのに、ツイッター1.0から2.0へとどう移行するのか、計画は特に用意されていないらしい。決まっているのは人員削減のみ。

ジェシカら広告営業やマーケティングの人間がどうなるのかはまだなにもわからないが、技術者については、彼らに転送されたスラックメッセージを見せてもらった。

書いたのは舎弟連中らしい。のちにザ・バージが報じるように、最初は、数千人のツイッター技術者、全員に対し「直近30日に作成したコードを50ページ」印刷し、それを持って、マスクおよびテスラやスペースXの技術者に会うようにと指示されていた。

「アメリカン・アイドル」ばりの審査をされるのか?

社内は上を下への大騒ぎとなった。マスクとたくさんのロケット科学者にテレビ番組「アメリカン・アイドル」ばりの審査をされるのか—そう思いつつ、技術者は、みな、プリンターを探してかけずりまわった(いまどき、プリンターなんぞめったなことでは使わない)。

メモリーカードを握りしめて近くのベスト・バイやウォルマートに走った人間もいる。

ところが、ほどなく、この指令は撤回され、すでに印刷した分はすぐシュレッダーにかけろ、ノートパソコンでコードを(やはり対面で)見せられるようにしておけと内容が変わり、さらに、この指令も撤回される。


続きはこちら(ダイヤモンド・オンラインへの会員登録が必要な場合があります)

ダイヤモンドオンライン

「マスク」をもっと詳しく

「マスク」のニュース

「マスク」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ