東芝(6502)よ、なぜそれほどに死に急ぐ!? 「地獄の扉」は開かれた、生還する唯一の策は…

4月21日(金)20時0分 ダイヤモンドオンライン

かつて日本を代表する電機メーカーであった東芝が、いよいよ市場から退場を迫られそうになっています。大企業であることと日米原子力協定の存在ゆえさまざまな特別扱いを受けてきましたが、現経営陣の予想を上回る無能ぶりのため自滅の道を突き進んでいます。すでに尽きかけているその命運ですが、存続のためにできることがあるとすれば——。


日米原子力協定の生命線カードを捨て

米国の容赦ない制裁にさらされている


 窮地に陥った東芝には、首の皮を繋ぎ止める2枚の「存続カード」がありました。「日米原子力協定」と「半導体事業」です。


 「日米原子力協定」とは、米国で事業として頓挫した原子力会社に日本がパテント料を払い続け、核燃料を大量に買い続け、軍事転用しないよう見張られ続ける協定です。この協定があるからこそ、東芝は粉飾をしても決算発表が遅れても「過保護」に扱われてきたのです。


 「半導体事業」は、日本にとっても“虎の子”の産業です。この事業があったので、政府も官僚組織も金融機関も株式市場も東芝を「それなりに重要な企業」と考え扱ってきたのでした。


 ところが、東芝の現経営陣は米ウェスティングハウス(以下、WH)など2つの連結子会社の破産を申請し、半導体事業の分社化・売却を発表して、2枚のカードをあっさり放棄することを決定してしまいました。こうなると東芝はもう「倒産寸前のボロ会社」でしかありません。


 2枚のカードを捨てたことで、米国側(WHのみならず政治・経済・産業界を巻き込んだオール米国)からは容赦のない報復を受けています。


 東芝は先日2度にわたって延期していた2016年4〜12月期決算を提出しましたが、それには監査法人の「適正」意見が付いていませんでした。普通であれば(東証が普通の証券取引所であれば)即刻上場廃止に該当する事態です。


 東芝の監査法人は「PwCあらた監査法人」ですが、ここは英国系の監査法人プライスウォーターハウスクーパーズの傘下です。米国法人(米国にある)という意味ではオール米国の一員ですから、「適正」のお墨付きがもらえるはずがありません。即刻交代させるべきです。


 東芝は「あずさ監査法人」に替えようとしているようですが、あずさはKPMG(ピート・マーウィック=本部スイス)傘下。PwCあらたより少しはマシかもしれませんが、生き残りたいならもっとなりふり構わず(小さな監査法人も含めて)選定すべきでしょう。


 また、半導体事業の売却については臨時株主総会で分社化が承認されましたが、その7日後に米国際貿易委員会(ITC)が東芝の製造するNAND型フラッシュメモリーが台湾マイクロニクス社の特許を侵害しているとして調査を開始しています。クロと認定されれば東芝のNAND型フラッシュメモリは米国市場から締め出されます。

 

 さらに4月12日になって四日市工場を共同運営している米ウェスタンデジタル社(以下、WD)が、半導体事業売却の独占交渉権を要求していることが“突然に”報道されました。これが事実であれば半導体事業の売却には最初からWDと話を詰めておく必要があったわけで東芝経営陣の大失態か、そうでなければ米国側の報復と見るべきです。


債務超過6000億円を解消しなければ死ぬ

生き残れる一縷の望みに賭けるなら…


 もう完全に手遅れですが、わざわざ米国の裁判所に破産申請を出してしまったWHはともかく、分社化した半導体事業の売却については「いったん引っ込める」のも手かもしれません。


 監査法人が意見不表明で提出された決算報告書によると、東芝は2016年12月に債務超過となったので、2017年12月期までに債務超過を解消しなければなりません。WH関連の損失がどれだけ膨らんでいるかはわかりませんが、2017年3月時点での債務超過は6000億円だそうです。


 ちなみに半導体事業の純資産は6000億円とされています。売却するならそれ以上でなければ利益にはならず、債務超過の解消もできません。いま焦って売りに出せば捨て値で買いたたかれるのは必定。生き残りに一縷の望みを賭けるなら、半導体事業を売却するカードはいったん引っ込め頑張ってみるしかないでしょう。


金融メルマガ「闇株新聞プレミアム」は、東芝がこんな事態に陥るとは誰も予想していなかった2015年5月8日、たった1枚のIR文書から深い闇の存在に気づき、以降も幾度となく取り上げてきました。メルマガ読者は東芝のずさんな経営が明らかになるたび、いち早く事情を理解されたことでしょう。最新号ではWHが東芝傘下になるまでの経緯や裏の事情が詳細に解説されています。WHの売却話に最初に飛びついたのが経産省であり、それに呼応したのが丸紅と東京電力であったこと。当時の丸紅社長と東電社長が実の兄弟で、しかし入札直前に丸紅が突然に降りた経緯など……新聞やテレビでは決して取り上げないニュースの裏側は、刺激的な金融メルマガ「闇株新聞プレミアム」でどうぞ。

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