サーキュラーエコノミー:アウディ、リサイクル原材料を戦略的でコスト効率高く調達確保
2025年4月23日(水)15時13分 Digital PR Platform
[画像1]https://digitalpr.jp/simg/2687/108083/700_466_2025041417204167fcc55901708.jpg
*本リリースは、AUDI AG配信資料の翻訳版です。
使用済み車両からのリサイクル材回収コンセプトを確立
デジタルマテリアルアカウントで、使用済み2次素材をコスト効率よく活用する業界特有の取り組み
調達担当取締役 ファッヘナウアー:「アウディは、車両におけるリサイクル材の使用比率を継続的に高め、サステナビリティと経済性は両立できることを証明します」
(ドイツ本国発表資料)2025年4月4日、インゴルシュタット:アウディは自動車業界におけるサーキュラーエコノミー(循環型経済)を推進する節目に達し、今後さらに継続します。アウディは、技術的に可能かつ環境面および経済面で合理的な場合において、車両に使用する2次素材を増やしていきます。原材料を1次利用した後の新たな用途への活用を、より一層進めることを目指します。アウディはこの取り組みの一環として、2023年からMaterialLoop(マテリアルループ)プログラムの中でさまざまなアプローチを検証してきました。アウディは当初、技術的な実現の可能性に焦点を当てていましたが、今回パートナー企業であるTSR Resourceとともに、End-of-Life Vehicles(使用済み車両)からリサイクル材を回収する、経済的に実現可能なリサイクルコンセプトを開発・実装した、業界初の自動車メーカーとなりました。このプロセスでは、ライフサイクルを終えた車両から発生する鉄スクラップを、高品質な使用済み2次素材へと再生し、自動車のサプライチェーン内でさらに活用されます。
2025年から開始する第一段階の拡張フェーズでは、アウディは数千台の試作車をリサイクル用に提供する予定です。これらの車両はTSR Resourceによってシュレッダー処理され、さらなる自動車産業での活用に向けて高品質なリサイクル原材料へと再生されます。アウディはこれらの車両から得られた2次素材へのアクセス権を獲得し、それらは「デジタルマテリアルアカウント(Digital Material Account)」に記録されます。材料や部品のサプライヤー候補の企業は、入札プロセスの一環として、このデジタルマテリアルアカウントの残高にアクセスできます。これにより、アウディとの契約を希望するパートナー候補の企業は、通常は価格変動の影響を受けやすい、高品質なリサイクル鋼原材料に対するアクセスを、独占的に確保できるようになります。
経済的なリターンコンセプトがサプライチェーンの変化に対する対応力とリサイクルを促進
アウディは、このプロセスをさらなる素材フローや車両にも導入する計画を進めています。アウディが現在調達している、または今後調達する予定の、車両向けにリサイクル材の含有率が義務付けられているすべての原材料が対象となります。このリサイクルコンセプトにより、アウディは市場のコスト変動に左右されにくい形で、原材料を調達することが可能になります。
これにより、サプライチェーンの柔軟性が長期的な視点でより高まります。同時に、アウディは高品質なリサイクルを推進し、一貫した高品質な車両生産がより持続可能な形で実現できるようになります。さらに、アウディはこの取り組みを通じて将来的な外部環境の変化にも適応できる体制を整えています。
AUDI AG調達担当取締役 レナーテ ファッヘナウアー(Renate Vachenauer):
「リサイクルには計り知れない可能性があります。私たちは、車両に使用するリサイクル材料の割合を増やすことに継続的に取り組んでいます。デジタルマテリアルアカウントを活用することで、アウディは貴重なリサイクル原材料を、市場動向に影響されずに調達できる画期的なシステムを、自動車業界に先駆けて導入しました。アウディは、サステナビリティと経済性が両立できることを実証しています」。
アウディは使用済み2次素材の活用で業界をリード
アウディにとって、原材料を責任ある形で活用することは、未来志向の自動車生産における重要なテーマです。この分野において、アウディのサーキュラーエコノミー戦略は、使用済み2次素材を再利用する取り組みにより、大きな貢献を果たしています。これらは、一度別の目的で使用された素材であり、リサイクルされた素材です。アウディはすでにこの考え方をMaterialLoopプログラムの中で実践しており、例えば、Audi Q4 e-tronのウィンドウシールド(GlassLoop)や、Audi Q6 e-tronのアウタールーフセクション(SteelLoop)に、リサイクルされた高品質な使用済み2次素材を使用してきました。今回アウディは、使用済み2次素材のリサイクルコンセプトをさらに進めました。使用済み車両のリサイクルを専門とするパートナー企業TSR Resourceと協力し、アウディは、リサイクル素材が自社のサプライチェーン内で再利用される仕組みを確立した、業界初の自動車メーカーです。具体的には、鋼鉄のような高品質なリサイクル原材料が、試作車両やその他の供給元から回収されています。
TSR Resource, Managing Director, Christian Blackert:
「アウディとともに、自動車業界のサーキュラーエコノミーにおける、新たな重要なマイルストーンを築けたことを大変嬉しく思います。このプロジェクトは、業界間のパートナーシップが持つ可能性を示す印象的な事例です。また、脆弱なサプライチェーンへの依存を減らし、そして、グローバル市場がもたらす課題に対する対応力の強化に重要な貢献を果たしています」。
戦略的・コスト効率・持続可能なサーキュラーエコノミーのソリューション
業界でのMaterialLoopの確立には、複数の企業の連携が不可欠です。この連携には、関係者全員にとってのメリットがあり、リサイクルパートナーは、使用済み車両の安定した供給と2次素材の潜在的な買い手を見込むことができます。潜在的サプライヤーは、自動車業界に適した高品質なリサイクル素材を安定した条件で調達でき、それをアウディへ供給可能になります。アウディは、より改善された経済的な条件で、原材料供給の安定化を実現できます。
この仕組みにより、品質やコストに妥協することなく新車の使用済み2次素材の使用率を向上させることができます。アウディは、使用済み車両から高品質な2次素材をリサイクルすることで、資源を戦略的にコスト効率よく、持続可能な形で循環させる方法を実践しています。
本件に関するお問合わせ先
フォルクスワーゲン グループ ジャパン株式会社 アウディ ジャパン 広報部 https://audi-press.jp/contact/