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各党はどう戦うのか?構図が変わった東京都議選

JBpress4月25日(火)6時8分
画像:都議選の最大の注目は「都民ファーストの会」がどれだけ勢力を伸ばすかだ(写真はイメージ)
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都議選の最大の注目は「都民ファーストの会」がどれだけ勢力を伸ばすかだ(写真はイメージ)

 7月2日に東京都議会議員選挙が行われる(告示は6月23日)。小池百合子知事の誕生によって、これまでの都議選とは戦いの構図が大きく変貌することになる。なかでも小池知事が率いる地域政党「都民ファーストの会」がどれだけ勢力を伸ばすのか、これが最大の注目である。


小池知事の支持率は依然として圧倒的

 小池知事が誕生して約9カ月が経ったが、依然として圧倒的に高い支持率を誇っている。朝日新聞が4月1日、2日に行った調査では、支持するが74%となっている。産経新聞とFNNが4月15日、16日に行った調査でも支持率は70.4%となっている。

 この支持率の高さに不思議はない。豊洲市場を巡って、盛土問題や土壌汚染問題など、従来のでたらめさ、無責任さが暴かれたのは、小池知事が誕生したからである。都民ファーストを掲げ「都政の見える化」も徹底して行われている。2020年東京オリンピック・パラリンピックでも、従来の利権構造に切り込むべく必死でリーダーシップを発揮してきた。自ら知事報酬を半減し、無駄の一掃にも取り組んできた。

 週3日程度しか登庁しない都知事がいたが、それとは正反対の精力的な行動と千両役者ぶりに、多くの都民が拍手喝采を送るのは自然なことだ。

 どの政党も、小池知事との距離感をどうするか、それを懸命に模索しているのが現状であろう。


共産党が描く滑稽な対決構図

 共産党の志位委員長は、4月17日に東京国際フォーラムで行った演説会で、都議選の本当の対決構図は「自民・公明 対 日本共産党」だと位置付けた。だが、意味不明と言うしかない。今回の都議選では、小池知事を中心とした「都民ファーストの会」がどれほど勢力拡大を図るか、過半数まで迫るのか、これこそが最大の焦点であることは常識だ。

 ましてや公明党は小池知事と手を組む与党である。小池知事との対決は回避したいが、公明党とは対決する。こんなややこしい対決構図が果たして都民に理解されるのだろうか。

 志位氏は、演説で小池都政に対して「都民の願いに応えた前向きの変化」もあるが、「同時に、ゆがみを引きずった問題点もかなりある」と指摘し、是々非々の立場だと説明している。だが実態は、小池氏の圧倒的な人気の前に、どう対応していくか苦慮しているということだろう。

 都議選で共産党は、多くの選挙区において小池都知事率いる都民ファーストの会とも激突することになる。そこで自民党、公明党を悪者に仕立て上げ、両党との対決構図を意図的に作り上げようとしているとしか思えない。

 例えば志位氏は築地市場の豊洲移転問題を巡って、公明党が豊洲移転を促進しているとして、公明党と手を組む都民ファーストの会を批判している。だが、都民ファーストの会自体は豊洲移転についての態度を明らかにしていないのだから、かなり無理筋の批判である。

 この苦慮ぶりは、予算案への態度を巡っても明らかだ。共産党都議団は、小池知事が初めて編成した予算案に賛成した。にもかかわらず、予算の組み替え提案を行っているのである。実に無責任ではないか。なぜ予算案そのものに反対しなかったのか。それとも大した組み替え提案ではないということか。こういう足のもつれるような方針を出した時には、たいてい選挙は失敗するものだ。

 志位氏はまた、国政での野党共闘の前進のためにも共産党の都議選での躍進を、などと言っている。これでは都政問題を真剣に考えているとは言えまい。


終わらない離党ドミノ、自壊する民進党

 そして、どの党よりも深刻なのが、民進党である。民進党都議団は、「東京大改革」を掲げる小池知事におもねって、会派名を「東京改革議員団」と改名した。どうせなら「東京大改革議員団」とすればよかったのに、さすがにそこまでするのは恥ずかしかったのだろうか。

 蓮舫代表も含めて小池知事に秋波を送ったが、「党として民進党と組む気はない」とあっさり袖にされてしまった。同党は、昨年末に36人を公認候補に決めたが、すでに10人が離党届を出し、そのうちの5人が都民ファーストの会の公認を得ている(4月23日付「朝日新聞」)。まだ離党ドミノは終わっていない。民進党は前回選挙(当時は民主党)では、15議席を獲得していた。だが今回は、ある世論調査では1桁の前半になるのではないかと予想されている。

 それも当然であろう。選挙に不利だと分かれば、簡単に離党してしまう。そのような信念のない政治家の集まりでもあったということだ。

 蓮舫代表は、いずれ衆院選挙になれば東京のどこかの小選挙区から立候補することを模索しているそうだが、それどころではない自壊作用が東京で始まっているということだ。


自民党も状況は深刻

 自民党は、前回選挙では59人立候補させ、全員当選を果たしていた。だが今回は一転して厳しい局面を迎えている。前記の朝日新聞によれば、都民ファーストの会に自民党都議や区議などから転じた候補者は10人にのぼっている。

 安倍晋三首相は今月11日、東京都連が開いた「決起大会」で「難しい選挙だが、まなじりを決して勝ち抜く決意だ」と表明し、小池知事が率いる都民ファーストの会を念頭に「急に誕生した政党に都政を支える力はない」と批判した。だが、同時に「小池氏がやろうとしている方向が正しければしっかり支える。(都連が小池氏に)好かれていなくても歯を食いしばって支え、前に進めるのが私たちの責任感だ」と訴えた。

 要するに小池知事との全面対決は、得策ではないので回避するということだ。

 この1週間後の4月18日には、赤坂の日本料理店において、小池知事が小泉純一郎元首相や二階俊博自民党幹事長らと会食したことが明らかになっている。その料理店には、偶然、安倍首相も来ていたという。小池知事によれば、安倍首相からは「お手柔らかに」と言われ、二階氏からは「都議選が終わってからの協力体制をどうするかという話をいただいた。五輪や都政の課題は国と連携しなければならない。心強い連携を確認できた」そうである。

 自民党都連はともかく、党本部とはそれこそ阿吽の呼吸で付き合っているということである。したたかな自民党首脳と小池知事ということだ。

 公明党はこんな中、ちゃっかり小池与党になった。こうして見てくると、対小池都政との関係では“完全野党”の政党はないということだ。自民党だって完全野党とは到底言えない。安倍首相が、「小池氏がやろうとしている方向が正しければしっかり支える」と明言しているぐらいだ。

 ただ自民党都連は、安倍首相とは微妙に違うはずだ。自民党の都議候補は、公明党も含めて、他のすべての政党と実際の選挙では戦わなければならないからだ。だからこそ、高木啓自民党都議は、「公明との仁義なき戦いなる」と言い、離党した自民党都議には、「地獄に落ちろ」とまで言っているのである。

 こうなってくると焦点は、都民ファーストの会がどれだけの議席を獲得するか。同時に、自民党議席をどれだけ減らすことができるかということになる。民進党や共産党の議席数がどうなるかは、あまり関係ない。

 このまま行くと、自民党が大幅に議席を減らすことが予測される。ただし、共産党が言うような「自民・公明 対 共産党」などという構図にならないことだけは確かである。

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筆者:筆坂 秀世

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データ提供元:アニメキャラクター事典「キャラペディア