「アイヌの伴走者でありたい」フォトグラファー・宇井眞紀子さん、写真集出版へ
2025年4月25日(金)19時40分 PR TIMES
「生涯をかけて、アイヌの伴走者でありたい」
そう願い、1992年から33年間、撮影を続けてきたフォトグラファー・宇井眞紀子さん。
4月24日(木)より、写真集第2弾出版のためのクラウドファンディングに挑戦します。
(事務局・皓星社)
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/147999/3/147999-3-2cdf077dcaf151c59fada72c1e0a662c-3889x2188.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
宇井さんは2009年、日本全国に暮らすアイヌの方々のポートレートと言葉で写真集を編むプロジェクトをスタートさせました。
これは、撮影の「場所」や「シチュエーション」だけでなく「次に撮影する人」も被写体となるアイヌの皆さんに決めていただき、リレーで繋ぐプロジェクト。
2017年、クラウドファンディングでの応援と共に『アイヌ、100人のいま』(冬青社)として出版し、多くの共感を呼びました。
(詳しくはプロジェクト第一弾の「日本全国100箇所で撮影したアイヌ100組のポートレートを写真集に」(https://readyfor.jp/projects/ainusyasinsyu)の中段くらいに記しています。ご覧いただければ幸いです。)
それから8年を経た今、新たに100組目の撮影を終え、2冊目の出版を目指しています。
今回も百人百様思い思いのポートレートが揃いました。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/147999/3/147999-3-06e0d51fcb21fa36b40451ef5df3419e-800x592.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]1冊目の写真集『アイヌ100人のいま』(2017、冬青社ほか、アイヌ関連の宇井さんの著作)
そもそも、アイヌとは
アイヌ民族は、東北地方から北海道、サハリン(樺太)、千島列島に及ぶ広い範囲に住んでいた日本の先住民族です。明治政府による同化政策のもと、沖縄や北海道の人々は土地・言語・生活習慣などあらゆる基盤を奪われたという歴史を持ち、さらに100年以上差別と偏見を受けてきました。
その中でも、アイヌの聖地を守る活動の記事を偶然目にしたことから、宇井さんはアイヌの方々と出会い、そして自分自身の裡に堆積してきたステレオタイプに出会ったといいます。
その衝撃から、アイヌのカムイノミの儀式や歌や踊りの場面だけでなく、日常生活の写真も撮影してきました。この30数年間で幾度も、写真展開催の機会がありましたが、展示作品には、日々の暮らしの写真も多く含まれています。
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/147999/3/147999-3-c75cea734325fff2a00aa69d7959a9c6-800x531.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]伝統的なチセの中でイナウ(祭具)をつくる男たち。[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/147999/3/147999-3-2613578c8caf63194135f8cea3bc7461-800x1200.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]シト(団子)をつくる。日常風景の撮影も多い。
2回目の挑戦の理由
「和人」(アイヌ民族に対して、日本国内のマジョリティを指す)として、ファインダーを覗くこと。連続的な世界において一瞬を切り取る写真が果たす役割ーー様々な葛藤の中で、宇井さんは2009年、日本各地に暮らすアイヌの方100人をリレー方式で繋ぐ『アイヌ、100人のいま』というプロジェクトを立ち上げました。[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/147999/3/147999-3-3eec4ad042316fa0ead0150699c239c4-800x533.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]第一弾で撮影させていただいた熊谷カネさんのポートレート。[画像6: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/147999/3/147999-3-0248f2e73253f5e4212867607378ef89-800x802.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]「アイヌの衣装で撮ってくれ」と、誇らしげに立つまっこ兄ちゃん。プロジェクトのアイデアのきっかけにもなりました。
このプロジェクトでは、カメラの前に立つ皆さんの意思を尊重するという思いから、撮影場所やシチュエーション、身につけるものまで全てを自分自身で決めてもらいます。
宇井さんでさえ「出会うまで、何が撮れるか分からない」というプロジェクトです。
撮影と同時に、お一人お一人にお気持ちを伺いました。
[画像7: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/147999/3/147999-3-906dbb2a01a0e82bdb94d56eb7dfcf68-800x871.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]取材ノート
宇井さんはたくさんの方に出会いながら、7年をかけ1冊目の撮影を終えた時、経費や時間を考えると、もう絶対に、再び同じ事は出来ないと思っていました。
しかし、2018年の暮れ、プロジェクトを続けたら出会うであろう方々、撮影リレーのバトンが渡らず、まだ写真集に登場していない古い友人の「声」を届けたいという想いを、どうしても抑えきれなくなり、第2弾の撮影をスタートさせたのです。
200人ではまだまだ足りない、1000人くらいの声を届けなければ、本当の意味の「アイヌのいま」にはならない、と宇井さんは言います。
しかしこの写真集が誕生することで、身近な存在として同時代の「今」を生きるアイヌ、そしてそれに繋がる「歴史」と「未来」に思いを馳せるきっかけになればと願っています。
クラウドファンディング概要
《期間》2025年4月24日(木)10:00 〜 6月20日(金)23:00《URL》https://readyfor.jp/projects/ainusyasinsyu2
《写真集仕様》
・写真集『アイヌ、100人のいま2(仮)』
・著者:宇井眞紀子
・B5判変形上製 120ページ予定
・発行:株式会社皓星社
宇井眞紀子・経歴
[画像8: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/147999/3/147999-3-3f21c5c4e25ec4da19eab6e037ff6ec4-961x1204.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]武蔵野美術大学卒業。日本写真芸術専門学校卒業。学生時代から写真家・樋口健二氏に師事。1992年からアイヌ民族の取材に取り組む。 主な写真集に、『アイヌ、100人のいま』『アイヌ、風の肖像』『伝え守る アイヌ三世代の物語』『眠る線路』『いのちの森に暮らす ハンセン病療養所 多磨全生園のいま』『息の緒』がある。
第4回さがみはら写真新人奨励賞、第28回東川賞特別作家賞、第1回笹本恒子写真賞を受賞。日本写真家協会会員。武蔵野美術大学非常勤講師。
公式HP:https://www.makikoui.com
事務局より
1冊目の写真集出版に皆さんから届いたメッセージを読む時、 いつも思い出す言葉があります。2012年、宇井さんが写真の町東川賞''特別作家賞"を 受賞されたときの講評に記された、
優しさに満ちた写真は 新たな社会に重要な意味を持つだろう
という言葉です。今回も足かけ7年撮影のバトンを繋ぎ、全国各地でポートレートが誕生しました。
その1枚1枚が2冊目の写真集となり新たな軌跡を描くこと、皆様のあたたかい応援と共に写真集を未来に届けることを願いながら、これから始まる出版の様々な出来事を発信していきます。
なお、今回は、写真集の出版元になる皓星社(こうせいしゃ)が事務局をつとめます。
ぜひ皆様のあたたかいご支援をお願いいたします。
ご連絡先
宇井眞紀子写真集応援プロジェクト事務局:株式会社 皓星社
〒101-0051 東京都千代田区神田神保町3-10
TEL 03-6272-9330 FAX 03-6272-9921
メール:uiouen[アット]libro-koseisha.co.jp