昨年も『日枝やめろ!』の大合唱だった! フジHD、株主総会の注目ポイントと株価の動向は?
2025年4月26日(土)21時0分 ダイヤモンドオンライン
昨年も『日枝やめろ!』の大合唱だった! フジHD、株主総会の注目ポイントと株価の動向は?
株主総会のハイシーズンを前に、話題をさらっているのが、フジ・メディア・ホールディングスだ。大物株主が続々と名乗りを上げ、経営陣の交代や株主提案を行なっている。フジ・メディアHDの株主総会はどうなるのか。また、投資先として見た時、フジの株は今からでも買いなのか。マネー誌『ダイヤモンド・ザイ』だからこその視点で、注目ポイントを解説する。(ダイヤモンド・ザイ編集部)
昨年は“モノ言う個人投資家”たちが株主総会で、日枝取締役に「ノー!」
まもなく株主総会シーズンを迎える。その中でも、ひときわ注目を集めそうなのがフジ・メディア・ホールディングス。じつはフジ・メディア・HDの株主総会は、例年、“モノ言う個人株主”の質疑応答で、紛糾するのが名物。2024年も、取締役41年目の日枝久氏(当時、86歳)の在任を問う質疑の大合唱だった。
今年はさらに、大物株主が続々と参戦。外資系投資ファンドのダルトン・インベストメンツが株主提案しているのに加え、SBIホールディングスの北尾吉孝会長兼社長が独自の改革案を提示。ほかにも、村上世彰氏の娘・野村絢氏も大株主として名を連ねている。
SBIホールディングスの北尾吉孝会長兼社長は、フジ・メディア・HDの役員に名乗りを上げ、「フジからの報酬は一銭も受け取るつもりはない。役員会で発言権があればいい」と熱意を見せた。Photo by AyakoSuga
そのうちの1人、SBIの北尾会長は、4月17日、東京都内で開いた記者会見で「役員が変われば、改革は自ずと進んでいく」と語った。フジが3月に発表した新役員案を、日枝氏の息がかかった「オールドボーイズクラブ」として痛烈に批判し、代わりにダルトンが提案した、自身を含む12名の役員案におおむね賛同するとの姿勢を見せたのだ。
北尾氏はフジの経営体制について、不動産業に依存する収益体質を厳しく批判。「放送法に守られているのに、公共放送としての役割を十分に果たせていない」と言い、保有不動産とさらに3000億円規模とされる持ち合い株を売却し、その資金で本業のメディア事業を立て直すべきだと訴えた。
そして自身のフジ・メディア・HDにおける役職については、「SBIHDの代表取締役なので、フジで代表権を持つのは難しい。取締役会長は可能だ」と示唆した。
ただ、大株主同士が全てにおいて協調体制で一致しているわけではない。たとえば現社長の清水賢治氏の処遇については、ダルトンが提案した役員案には入っておらず、北尾氏は続投支持と、意見が割れている。北尾氏は「清水社長は、旧来のカラーが薄いしアニメで実績がある。日本のアニメは世界中で愛されている」と期待を寄せるが、その評価は分かれている。
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このように今年のフジHDの株主総会は、株主提案や役員選任で、例年以上の盛り上がりを見せそうだ。株主総会を楽しむにあたり、大株主の構成と、株式の取得割合を見ておこう。