「少人」のツケは大きかった 検査不正、スズキがこれから払う代償

4月27日(土)7時0分 J-CASTニュース

公式サイトにも検査不正の問い合わせ欄が

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スズキをグローバル企業に飛躍させたのは、1978年から社長、会長を務める「カリスマ経営者」の鈴木修氏だ。一方同時に「少人」と呼ぶ人員削減にも取り組み、検査員は慢性的な人員不足に陥っていた。

大きな問題となったスズキの検査不正。再発防止策として、今後5年間で検査設備の更新などに1700億円を投資する方針を表明した。設備に金をかけるだけでなく、鈴木氏が築いた企業文化そのものの改革も求められそうだ。




一度は「適切に行われている」としたが...



スズキが2019年4月12日公表した、自動車の検査不正に関する報告書。外部の弁護士事務所が調査したところ、不合格とすべき車を合格としたり、無資格検査の発覚を恐れて隠蔽したりと、悪質な事案が多数確認された。スズキは800億円かけて200万台規模のリコールを実施する。法令を軽視してきたツケを支払うことになる。


業界で完成検査が問題になったのは、2017年9月。日産自動車で無資格従業員による検査が発覚してからだ。国土交通省は他の自動車メーカーに対し、1カ月以内に同様の事案がないか報告するよう求めた。この時、SUBARU(スバル)は無資格者による検査があったと申告したが、スズキは「有資格者によって適切に行われている」と報告した。


ところが、その報告は事実ではなかった。今回の調査で、検査補助者が、正規の検査員の監督を受けずに単独で検査を行い、検査員の検査印を使っていたことが判明した。いずれも静岡県内にある湖西、相良、磐田の3工場で、それぞれ800枚程度の完成車チェックシートを巧妙に書き換え、使用された検査印と検査員の出勤記録に食い違いが生じないよう、隠蔽していた。工場の課長クラスが連絡を取り合って実行した。本社の関与は「なかった」(鈴木俊宏社長)としている。




連結業績予想は一転「減益」に



スズキの不正は、いつも「外圧」によって明るみになっている。2016年に三菱自動車で燃費偽装が発覚した際は、国交省から同様の事例がないか報告を求められ、内部調査の結果、法令と異なる方法で燃費データを計測していたことが判明した。三菱自のような意図的な偽装ではないとしたが、責任を取る形で鈴木修会長兼最高経営責任者(CEO)=当時=はCEO職返上し、技術担当副社長は辞任した。


2018年にはスバルや日産で燃費や排ガスのデータ不正が発覚した。国交省から各社に報告を求められ調査したところ、速度や走行時間が規定外だったため、本来なら無効とすべき試験結果を有効として処理した事案が発覚した。当初は「データの改ざんはない」としていたが、その後の国交省の立ち入り検査を受けた調査で、データの書き換えが判明した。国交省から徹底調査を求められ、外部の弁護士事務所の力を借りた、というわけだ。


すべての自動車を検査する「全数検査」ではブレーキや速度計、ハンドルなどの検査工程で不正があった。ブレーキの制動力検査で、踏み方を変えたり強く踏んだりして、不合格とすべき車を合格としていた例もあった。不正は1981年6月から2019年1月まで行われていた可能性がある。


4月26日発表した連結業績予想は下方修正。見込んでいた前期比増益はふいとなり、減益となる見込みだ。スズキの払う代償は、小さくない。

J-CASTニュース

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