17.5万円の新型iPhoneが「5万円以内」で手に入る…プロが機種変で重宝する「アップルギフトカード」という裏ワザ
2025年4月28日(月)18時15分 プレジデント社
筆者所有のiPhone 16 Pro。iPhone 15 Proから買い替え、半年が経過した - 筆者提供
■最新モデルに買い替えるメリットは?
黎明期のころは5万円程度で買えていたスマホも、高機能化や円安ですっかり高くなり、最上位モデルのスマホとなると、20万円を超えることもザラ。たとえば、「iPhone 16 Pro Max」だとストレージ容量がもっとも少ない256GB版ですら、18万9800円になります。1TB版に至っては、24万9800円。その結果として、買い替えサイクルも徐々に長期化しています。
筆者提供
筆者所有のiPhone 16 Pro。iPhone 15 Proから買い替え、半年が経過した - 筆者提供
そんな状況下ですが、筆者は年1回、iPhoneを必ず買い替えるようにしています。現在使用しているのは、iPhone 16 Proの256GB版。冒頭で挙げたiPhone 16 Pro Maxよりは安いものの、価格は17万4800円にものぼります。仕事として、最新のiPhoneに触れておきたいという理由はありますが、それでも毎年買い替えるのは躊躇してしまう金額ではないでしょうか。
ただ、仕事であることを除いても、毎年買い替えるメリットは少なくありません。1年程度であれば本体はピカピカのままですし、ストレージ容量もたまってきたデータの量に合わせて最適なものを選べます。また、本体を買い替えると当然ながらバッテリーも真新しくなるため、電池持ちもよくなります。
また、最近のスマホはカメラの性能が1年ごとにきっちり上がっているため、その恩恵を享受できるのも機種変更のメリットです。例えば、iPhone 15 ProとiPhone 16 Proを比較すると、光学ズームが3倍から5倍になっており、より遠くのものをキレイに撮影することができます。
また、iPhone 16 Proには、iPhone 15 Proにはないカメラコントロールボタンがあり、本体を横に構えたときに、デジカメのようにシャッターを切っていくことが可能です。
■4月に始まった「カメラAI機能」も使える
このカメラコントロールボタンは、「Apple Intelligence」を利用する際にも効果を発揮します。4月に日本語版がスタートしたApple Intelligence対応のiPhoneでは、「Visual Intelligence」という機能を利用する際に、カメラコントロールを長押しするだけでOK。画面が消えているときでも、直接Visual Intelligenceを呼び出せます。
筆者提供
iPhone 16eを除くiPhone 16シリーズには、カメラコントロールボタンが搭載されている。写真撮影に使えるだけでなく、Apple Intelligenceの呼び出しにも便利だ - 筆者提供
Visual Intelligenceは、カメラで写したものをAIで処理する機能。そこに写っているのが文章であれば翻訳や要約ができますし、物を写したときには検索ができます。Open AI社の開発したChatGPTとも連携できるため、物の説明も的確。筆者は、普段使っているデジカメを写しつつ、センサーをクリーニングする方法をたずねてみましたが、型番まで特定され、設定からセンサークリーニングを呼び出す方法を教えてもらえました。
Visual Intelligence自体はApple Intelligenceのいち機能として、iPhone 15 Proでも利用することはできますが、カメラコントロールがないため、ロック画面のカスタマイズやアクションボタンに割り当てる必要が出てきます。右手で持った際に、人差し指が当たりやすい場所にあるカメラコントロールのほうが、この機能を使いやすいと言えるでしょう。
■1年前の型なら買取価格も高額、買って売るを繰り返す
ただ、最新モデルを買うならこのぐらいのアップデートはある意味当たり前。自動車業界では、「最新のポルシェが最良のポルシェ」という言葉がありますが、iPhoneにもそれが当てはまると言えるでしょう。「最新のiPhoneが最良のiPhone」だというわけです。とは言え、価格が価格なだけに、最良といっても毎年買い替えるわけにはいかないと思う向きもあるでしょう。
筆者も、毎年17万4800円がそのままかかってしまうのであれば、機種変更のサイクルは数年おきになっているかもしれません。それでも買い替えができているのは、使い終わったiPhoneを売却しているからです。iPhoneは、スマホの中でも特に「リセールバリュー」が高いため、こうしたことが可能になります。
リセールバリューとは、売却時の価値を意味する言葉。中古市場でも人気の高いiPhoneは、他のスマホと比べても特に高い買取価格を維持する傾向があります。筆者が買い替える際に売却したiPhone 15 Proであれば、現時点で256GBが約10万円から11万円程度の買取価格をつけている中古店が多数存在します。
中古携帯電話ショップ「イオシス」より
中古携帯電話ショップ「イオシス」が提示しているiPhone 15 Proの買取価格。開封済みでも、傷などがほぼなければ11万円になる - 中古携帯電話ショップ「イオシス」より
■Apple Gift Cardを使えば新型が「5万円以下」に
多少の傷があると査定で減額の対象になってしまうものの、画面がバキバキに割れているというのでなければ、その幅も小さくなります。満額査定の11万円で買い取られた場合は、差し引きすると6万4800円になります。売却で得たお金を原資の一部にしてiPhone 16 Proを買うことが可能ということです。17万円超えと聞くと、購入をためらわれるかもしれませんが、6万円台なら買いやすいと感じられるのではないでしょうか。
筆者は、これにApple Gift Cardを組み合わせてiPhoneを購入しています。Apple Gift Cardとは、Apple Storeで利用できるチャージ型のギフトカード。楽天市場やコンビニエンスストア各社で販売されています。通常だと額面通りの金額を支払わなければなりませんが、楽天市場であれば、常時ポイント還元の対象になっています。コンビニ各社でも、電子マネーやポイントで10%程度の還元を行っていることがあります。
6万円程度の支払いであれば、6000円の還元が受けられるというわけです。15万円ぶんをApple Gift Cardで、10%還元を受けられれば1万5000円相当に。iPhoneの売却代にこのポイント還元分を含めると、最新のiPhoneが5万円を下回る計算になります。ただし、一度に購入できるApple Gift Cardはおおむね5万円まで。そのため、筆者は3カ月に分けて購入しています。
また、先にApple Gift Cardを購入しなければならないため、持ち出しは発生します。最終的に差し引きして5万円を下回っても、一時的に15万円の支払いが必要になる点には注意が必要です。iPhoneの買取価格も査定に左右されてしまうので、必ずこの金額で購入できるというわけではないことも念頭に置いておくようにしましょう。
■通信事業者の「端末購入プログラム」でお得に買う
ここまで紹介してきた方法は、アップル自身が販売するSIMフリーのiPhoneを買い、自身で中古店に使っていたiPhoneを売却するというものですが、これをより効率的に、持ち出しが少ない方法で取り入れたものがあります。通信事業者が実施している端末購入プログラムが、それです。
ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルそれぞれで詳細は異なりますが、おおまかな仕組みは同じ。1年後なり2年後なりの「残価」を設定して、その残りで分割払いを組み、端末を買い取ることでその残価を免除するというものです。ドコモは「いつでもカエドキプログラム」、auは「スマホトクするプログラム」、ソフトバンクは「新トクするサポート」という名称でこうしたプログラムを実施しています。
例えばソフトバンクで新規契約する場合、先に挙げたiPhone 16 Proが新トクするサポート(プレミアム)で、1年実質3万9800円で提供されています。仕組みは次のとおり。まず、総額で21万8160円のiPhone 16 Proを、48分割にします。新トクするサポート(プレミアム)を使って端末を1年で下取りに出すと、その内、36回分が免除されます。ユーザーが支払うのは、12回分だけで済むというわけです。
ソフトバンクのサイト「新トクするサポート」画面より
ソフトバンクの新トクするサポートは、支払いを48分割したあと、端末の下取りを条件に24回もしくは36回ぶんの支払いを免除する仕組み - ソフトバンクのサイト「新トクするサポート」画面より
■1年で機種変するなら「月々1665円」に
ただし、1年で機種変更する場合、「早トクオプション」という料金が1万9800円かかります(iPhone 16 Proの場合)が、結果、毎月1665円の支払いで済んでしまいます。これは、筆者が毎年やっている中古店への売却額を、購入時点で見込んでいるようなもの。
しかも細かな傷などによる減額はないため、安心して1年間利用できます。機種変更の場合は支払い額が上がって7万4340円になってしまいますが、本体価格を丸々支払うよりは負担が小さくなります。
通信事業者の販売するiPhoneは、アップルが直接販売するものより本体価格が割高になっている傾向はありますが、このような端末購入プログラムを駆使すれば、負担感を抑えつつ、機種変更が可能です。1年では早すぎるという人には、2年で機種変更する「新トクするサポート(スタンダード)」も用意されています。
ソフトバンクのサイトより
ソフトバンクを新規契約してiPhone 16 Pro(256GB版)を購入し、1年で下取りに出したときの実質価格 - ソフトバンクのサイトより
■所有するのではなく、「レンタル」として使う
ソフトバンクの端末購入プログラムは、機種によってどちらを選べるかが異なりますが、Proのつかないノーマル版のiPhone 16はスタンダードの対象。128GB版は新規契約で2年実質9840円、機種変更でも4万3920円で購入できます。一定期間でという条件にはなりますが、端末代の支払いを抑えつつ、新しいiPhoneを使いたい人にはいい選択肢になりえます。このような仕組みは、1年なり2年なりの期間を区切って端末をレンタルしているように見えるかもしれません。
実際、筆者が新機種を買って、旧機種を売却しているのも、実態としてはレンタルに近いと言えます。実際の所有権はユーザーに移っているものの、使う期間をあらかじめ次のiPhoneが出るまでと区切っているからです。
一方で、スマホが高額化し、リセールバリューが上がっている中、この方法は最新スマホを使い続けるための最適解。現状の価格設定では、同じ機種を持ち続ける合理性は低くなりつつあります。スマホを安く使いたいときには、発想転換も必要と言えるかもしれません。
----------
石野 純也(いしの・じゅんや)
IT・スマホ ジャーナリスト
大学卒業後、出版社へ入社。IT関連の雑誌・書籍の編集を行う。独立後はモバイル関連を中心に、スマホからネットワーク、コンテンツに至るまで多岐に取材。著書に『ケータイチルドレン』(SBクリエイティブ)など。
----------
(IT・スマホ ジャーナリスト 石野 純也)