街乗りSUVのイメージ強いトヨタRAV4 新型は意外な乗り味も

5月2日(木)7時0分 NEWSポストセブン

3年ぶり復活のトヨタ新型「RAV4」

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 4月1日より、トヨタ自動車は新型「RAV4」の国内販売をスタートさせました。2016年の販売終了から、3年ぶりの復活だ。RAV4といえば、“街乗りSUV”の元祖というイメージが強いが、新型の乗り味はどうなのか。モータージャーナリストの鈴木ケンイチ氏が試乗レポートする。


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 トヨタのRAV4が帰ってきました。新しいRAV4は、過去のイメージと違って、ずいぶんと顔つきがゴツゴツしたものになっています。


 1994年にデビューした初代RAV4は、若き木村拓哉さんを起用して、スマートなイメージをアピールしました。当時のSUVは、まだ“道なき道を走るオフローダー”というイメージが強く、文字通りに泥臭いものだと考えられていたのです。そこに颯爽と登場したスマートな初代RAV4は、一大旋風を巻き起こし、“街乗りのSUV”という新しいイメージを定着させました。


 ところが、代を重ねるほどにRAV4は大型化し、日本での人気は低迷します。あまりの不人気さに、2012年のロサンゼルスショーでデビューした第4世代のRAV4は日本に導入されなかったほど。日本では、その前の第3世代モデルの販売を継続し、2016年に寂しく販売が終了してしまいます。


 日本では、さっぱり売れなくなったRAV4。しかし、アメリカなど外国では、事情がまったく異なります。


 2017年のRAV4の世界販売は80万台以上。アメリカでの販売も過去最高で、「アメリカの、すべてのSUVのなかで販売台数が最も多いモデル」「トヨタ車のなかで販売台数が最も多いモデル」になっていたのです。アメリカでRAV4は、トヨタの顔になるような存在に成長していたのです。


◆力強い顔つきは、北米でのトヨタのSUVイメージ


 新型RAV4の大きな特徴は、その力強いルックスでしょう。日本人的には見慣れないものですが、北米の人には、逆に親しみやすいデザインのはず。なぜなら、トヨタが北米で販売するライトトラックや大型SUVは、新型RAV4に似た、6角形の大きなグリルを採用しています。ですから、北米の人にとっては「新しいRAV4は、トヨタの大きなSUVたちの末弟なんだね」と感じることでしょう。


 そうしたイメージを強調するように、新型RAV4には、3種類もの4WDシステムが採用されています。


 2.5リッターのハイブリッド・モデルには後輪をモーター駆動するE-FOUR。そして、2リッター・エンジン車には、センターカップリングを備えた4WDと、新開発したダイナミックトルクベクタリング4WDという2種のシステムが用意されました。3つも揃えるのは、非常に珍しいこと。それだけRAV4には、オフロードで楽しく走ってもらいたいという思いがトヨタにはあるのでしょう。


 ちなみに最高出力171馬力/最大トルク207Nmの2リッター・エンジンには、発進用ギヤ付きのCVTが組み合わされています。このエンジンに組み合わされる駆動方式はFFと2種の4WD。そして、もうひとつのパワートレインとなる2.5リッターのハイブリッドの出力は、FFでシステム最高出力218馬力、4WDのE-FOURで222馬力となります。


 世界最高水準の効率を誇る2リッターのエンジンと発進用ギヤ付きCVTは、トヨタの技術の粋を集めた新世代のパワートレイン。メカニズム的にも、新型RAV4は、非常に力の入った製品と言えるものです。


◆滑りやすいオフロードでもグイグイと曲がってゆく


 4月に開催されたトヨタのメディア向け試乗会では、オフロードコースも用意されていました。大きなデコボコを作り、4輪中、どこかの1輪が宙に浮いてしまうようなところも、新型RAV4は簡単にクリアします。急坂を軽々と駆け上がるだけでなく、自動的にゆっくりと降りるダウンヒルアシストコントロールも備わっています。


 驚いたのは滑りやすいオフロードコースのコーナーリング性能の高さです。


 ダイナミックトルクベクタリング4WDを備えた新型RAV4は、速度を上げてコーナーに突入しても、何事もなかったようにハンドル操作に応じて、ぐいぐいとコーナーの内側にクルマの向きを変えていきます。


 普通であれば、ハンドルを切っても、曲がらずに真っ直ぐ飛び出てしまうようなコースとスピードでしたから、これにはびっくり。後輪の左右の回転力を変化させることで、狙った方向にクルマを曲げるという技術です。雪道などでも力を発揮してくれそうな頼もしい技術でした。


 一方、舗装路の走りは、そのスムーズさに感心しました。クルマの土台となるプラットフォームは、TNGAと呼ばれるもので、現行の「プリウス」や「カムリ」「C-HR」にも採用されており、非常に高い評価を得ています。その素性の良さもあって乗り心地が非常に良いのです。


 さらにハイブリッド・モデルは静粛性が高く、フラットな乗り心地。まるで高級車のようです。しかも、E-FOURのモーター出力は「プリウス」などよりも高められていることもあり、迫力ある加速を見せてくれます。意外に速いんですね。


 一方、2リッターのガソリン車のパワーは数値的にハイブリッドに劣りますが、これも意外によく走ります。ハイブリッド車よりも最大で100kgほど軽いため、軽快でスピードのノリが良いのです。よく曲がる、ダイナミックトルクベクタリング4WDは、ガソリン車にしか設定がないので、キビキビと走りたいという方は、エンジン車がおすすめです。


 ルックスとオフロード性能は、タフさが強調される新型RAV4でしたが、舗装路の走りは軽快で洗練されたもの。乗用車テイストと言っていいでしょう。タフさと洗練という二面性を備えるのが新型RAV4の特徴と言えるでしょう。乗っていて楽しいクルマでした。

NEWSポストセブン

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