米大手IT5社、AI需要が堅調で増収増益…今後はトランプ関税で中国通販サイトなど広告減の可能性

2025年5月2日(金)22時18分 読売新聞

 米大手IT5社の2025年1〜3月期決算が1日、出そろい、全社が増収増益となった。AI(人工知能)への需要が堅調で、マイクロソフト(MS)とグーグル親会社アルファベットは最終利益が過去最高だった。ただ、トランプ政権の関税政策の影響で成長が減速する恐れも高まっている。

 MSは生成AIサービスの提供基盤となるクラウド事業が好調で、売上高・最終利益とも四半期として過去最高となった。アルファベットもAI検索機能の利用が好調で、最終利益が四半期として過去最高だった。

 アルファベットのサンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)は「AIの推進が力強い業績につながった」との声明を出した。

 今後の最大のリスクはトランプ政権の政策だ。

 トランプ政権は2日、合成麻薬の流入防止を理由に、中国からの少額の輸入品に対する関税免除措置を取り消した。これにより、中国発の通販サイト「シーイン」や「ティームー」などが安価な衣料品を中国から輸出できなくなった。両者はメタ(旧フェイスブック)やグーグルに積極的に広告を出稿して米国市場で人気を拡大してきたが、今後は出稿が減少する可能性が高い。

 メタ最高財務責任者のスーザン・リー氏は4月30日の決算説明会で「アジアの通販業者による米国での広告支出が減少している」と懸念を示した。

 また、各社が巨額の投資をして建設を進めているデータセンターでは、半導体などの設備を台湾や中国などから輸入している。トランプ政権は半導体にも関税を課す方針で、データセンターの建設コストが急増する可能性がある。

 アップルのティム・クックCEOは1日の決算説明会で、関税の影響で25年4〜6月期に「9億ドル(約1300億円)のコストが発生する恐れがある」と明らかにした。関税負担を軽減するため、iPhone(アイフォーン)の主な生産国を中国からインドに切り替える方針だ。

 アマゾン・ドット・コムは、販売する商品の最大70%が中国から輸入されているとみられている。関税分を転嫁して値上げすれば、消費者から敬遠され、売り上げの低迷につながる恐れがある。(ニューヨーク支局 小林泰裕)

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