アマゾン、ウーバーの貨物版を米国でひそかに開始

5月3日(金)12時0分 JBpress

スペイン・サンフェルナンドデエナレスにあるアマゾン・ドットコムの配送センター(2018年11月23日撮影)。(c)OSCAR DEL POZO / AFP〔AFPBB News〕

 米アマゾン・ドットコムが、ひそかに輸送サービスの仲介事業に乗り出したと、米CNBCや米ウォールストリート・ジャーナルなどの海外メディアが伝えている。


昨年、ひそかに試験サービスを開始

 これは、荷主と輸送業者をネットでマッチングするサービス。現在は試験サービス段階で、対象となるのは、米国の5つの州や数百の業者に限られる。

 しかし、これが本格的に始まれば、輸送・物流大手の米CHロビンソン・ワールドワイドや、米XPOロジスティクス、あるいは、配車サービスを手がける米ウーバーの貨物事業「ウーバー・フレイト(Uber Freight)」への脅威になるとCNBCなどは伝えている。

 アマゾンは、昨年(2018年)に、「freight.amazon.com」というウェブサイトを立ち上げた。荷主がここで、集荷場所と配達場所の郵便番号、そして集荷日を入力すると、見積もり額が即座に表示される。


他社より低い料金設定

 CNBCによると、輸送依頼を受け付けた業者には、「Relay」と呼ばれるモバイルアプリを介し、積み荷や集荷・配達に関する詳細な情報が送られる。

 アマゾンのウェブサイトによると、現在、このサービスは、ニューヨーク州、ニュージャージー州、メリーランド州、ペンシルバニア州、コネチカット州の5州で展開している。これは、ドライバンと呼ばれる箱型の荷室を持つトラック1台分の荷物を輸送するサービス。アマゾンの料金設定は、市場の一般的なものよりも4〜5%ほど低いと、ウォールストリート・ジャーナルは伝えている。


アマゾンは競合であり、重要な顧客でもある

 アマゾンは、eコマースにかかる輸送コストを削減するため、自社物流事業の拡大に力を入れている。先ごろは、専用のボーイング機を今後2年かけて50機に増やす計画だと伝えられた。また、今やアマゾンの物流事業は、自社貨物の4分の1を賄うようになっていると、米調査会社ウォルフェリサーチは報告している。

(参考・関連記事)「アマゾン、専用のボーイング機を50機に増やす計画」
(参考・関連記事)「アマゾン、物流強化で大手のシェア奪う」

 おそらく、今回アマゾンが始めた輸送仲介事業も、もともとは、自社eコマース商品の輸送コスト削減が目的だったと考えられる。しかし、この事業が本格化すれば、既存の物流大手には、次の2つの懸念が生じることになる。

 1つは、大手が、アマゾンに顧客を奪われるという懸念。

 もう1つは、大手が、アマゾンという重要な顧客を失うという懸念。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、アマゾンは昨今、物流大手への発注規模を縮小している。例えば昨年10〜12月期に同社は、前述したXPOロジスティクスとの約6億ドル(約670億円)相当の取引を中止した。これにより、XPOロジスティクスの輸送サービス仲介事業は、大きな打撃を受けたと、同紙は伝えている。

筆者:小久保 重信

JBpress

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