ボルボ最高速180kmに制限 日本車の普通180km、軽4輪140km制限は適切?

5月6日(月)10時2分 財経新聞

画像はイメージです。

写真を拡大

 スウェーデンのボルボ・カーズが、全車の最高速度を180km/hに制限すると発表した。知れたことだが、事故になる確率はスピードが速いほど高くなる。事故になった際、スピードが速いほど被害が大きくなる確率が高い。

【こちらも】ボルボ、2020年以降発売する全車の最高速度を180km/hに制限

 そのため、速度を低く抑えれば危険が少なくなることは、誰でもが知っている。しかし絶対安全な速度というのもないことも分かっている。またある程度の速度を出さないと、実用性のある自動車を使うメリットもないことも確かだ。その中でボルボは、2007年世界に先駆け、「2020年までに、ボルボの車(新車)に『搭乗中の事故』における死亡者または重傷者をゼロにすることを目指す」と発表していた。

 ボルボの、2021年モデル以降のすべての新車に標準装備される「Care Key(ケア・キー)」では、運転手それぞれの最高速度をキーに記憶させることが出来るそうだ。走行速度を低減することが、危険を回避するのに最も有効であるとの信念に基づいているのであろう。確かに、どれほど安全ボディーやスキッドコントロールを進歩させても、速度を落とすことで防げることは比較できないほど大きい効果が望める。

 スウェーデンと言えば、「先進的な考え方を取るお国柄」と、特殊鋼で有名だ。ボルボは、日本ではステーションワゴンで知られるようになった。1998年フォード傘下になったが、現在は、中国系「浙江吉利控股集団(ジーリーホールディンググループ)」の傘下にある。資本家が誰であろうと、ボルボの主張は変わらないようだ。

 さて日本でも、180km/h(普通車)、140km/h(軽自動車)の速度制限は生きているようだ。自主規制の形だが、スピードリミッターが効く構造になっている。この制限だが、どの様に決められ、どの様な根拠があるなど、理由はあるようだ。現在、高速道路の最高速は100km/hから120km/hに上げられるところも出てきた。しかし120km/h程度の速度なのに、180km/hはどのような根拠?と考える向きもあるだろう。

 それは、「高速道路の6%の上り勾配を100km/hの車速を維持するには、平坦路では180km/hで走行可能であることが必要」との見解があるからだ。また実際の走行では、例えば90km/hで走行する前車を追い抜く必要がある時、100km/hまででは「きつい」と感じる時が多い。実用では、110km/h、時には120km/hまで自然に使っていることが多いのだ。その時、車に加速性能に余裕がないと、時間がかかり危険回避にも余裕が出来ない。一般道路においても、一瞬の加速を使って周囲の危険を事前に回避できることが望ましい。

 これらの性能を持たせるには、最高速度120km/hしか出ない車では不安が大きい。しかし現在、開発が進んできている「電動車」、つまりHVなどモーターアシストのあるクルマであると様相は違ってくる。無用な高速を出す性能はエンジン車の特性によるものであって、これがモーターならば、発進加速、中間加速は強烈でも最高速は140km/h程度でも十分だ。現に、日産リーフはスポーツカー以上の加速性能があっても、最高速度は140km/hだ。

 たとえ、マイルドハイブリッドで回生ブレーキを狙った設計であっても、モーターアシストを加速時に使えるなら、最高速度は140km/hで十分と言えるのだ。これから電動車の特性で迎える新時代には、実用車では、最高速度が宣伝効果のある数字とは言えなくなるであろう。

財経新聞

「ボルボ」をもっと詳しく

このトピックスにコメントする

「ボルボ」のニュース

トピックス

BIGLOBE
トップへ