日本調剤が「医療ビル」開発に積極姿勢の理由

5月6日(月)9時29分 財経新聞

 調剤薬局大手の日本調剤(2019年4月時点:600店舗、物販2店舗含む)が、「医療ビル」の展開に注力している。具体的にはこんな具合だ。

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 京成線・京成小岩駅前に「小岩メディカルセンター本館(3階建て)」が建っている。1-2階は大手スーパーチェーンの店舗が入居。そして3階には、日本調剤の店舗と内科・小児科・整形外科などの診療所が軒を連ねている。

 実は「医薬分業⇔調剤薬局」の歴史は古い。明治時代に時の政府が医療先進国(西)ドイツに学び、ドイツから人材を導入しその歩みを始めている。

 だがこの動きが加速化したのは、ここ約40年のこと。ご記憶にあろうが大学病院や大手病院のいわば「門前薬局」として、その存在感を高めてきた。いまでは「門前」+「街中」と広範に展開されている。昨年3月末時点の調剤薬局は、全国で5万9138軒(厚労省発表)に達している。

 ではなぜ、日本調剤は「医療ビル」の展開に力を入れ始めたのか。こんな背景が指摘されている。

★大学医学部の医局制度の崩壊進捗: A大学医学部を卒業し国家試験を通ったほかほかの医者は、A大学の医局に属し附属病院の医師として勤務する。あるいは大学と関連の深い病院で医師としての第一歩を踏み出す。そんな体制が崩れつつある。言い換えれば、医師の独立開業の自由度が増した。

★日本調剤はそこに着目した。医療ビルの展開を希望するビルオーナーと独立開業を希望する医師をマッチングさせる策に打って出た。当然そこには日本調剤が新規店舗を開設する。

★ビルオーナーは「地域貢献」という大義とともに、安定した賃料収入をその手にできる公算が高い医療ビルを選択する。地域の住民にとっても「かかりつけ医」「かかりつけ薬剤師」が存在することで「安心感」を得ることができる。エリアは賑わう。

 日本調剤のホームページを覗くと、16年4月にスタートした「かかりつけ薬剤師制度」に積極的な姿勢であることが分かる。詳細は他に譲るが、かかりつけ薬剤師とはこんな存在。

 医師とも連携し顧客とパートナー契約を結び「使用している処方箋薬・市販薬・健康食品・サプリメント等を把握」-「重複していないか、薬同士や使用健康食品・サプリメントに相互作用が出ていないか、をチェックし服薬に関する注意点をアドバイスする」-「薬に関する相談は夜でも休日でも電話で応じる」といった具合。

 日本調剤は「かかりつけ薬剤師」に関するTVCMも打っている。言葉を選ばずに言えばこの制度を深耕させることで、顧客の囲い込みができる。医療ビルへの注力も、「日本調剤シンパ」の増幅に求められる。

財経新聞

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