高級車で手放し運転機能が拡大、運転支援/自動運転システム搭載車は世界で2385万台に

5月10日(金)9時0分 MONEYzine

 自動運転は、人が関与するものと完全な自動運転で技術的な内容が異なる。矢野経済研究所の調査によると、先進運転支援システム/自動運転システムの世界搭載台数は、2018年に前年比24.3%増加した。


 国土交通省の「自動運転車の安全技術ガイドライン」では自動運転のレベルを5つに分けている。レベル1はドライバーの運転を技術的に支援するレベル。レベル5ではシステムがすべての運転タスクを行う完全自動運転を指す。日本政府はシステムが運転の主体となるレベル3以上の自動運転の実用化を、2020年をめどに実用化することを目標として掲げている。


自動運転のレベル分けについて(国土交通省)


 矢野経済研究所は今回、ADAS(Advanced Driver Assistance Systems:先進運転支援システム)/自動運転システムの世界市場の調査を実施。2018年のADAS/自動運転システムの世界搭載台数は、前年比24.3%増の2,385万4,000台だった。


 この調査における自動運転システムは、SAE(米国自動車技術協会)の自動化レベル0〜5までの6段階の分類に準じて、レベル1(運転支援機能)、レベル2(部分的自動化)、レベル3(条件付自動化)、レベル4(高度自動運転)、レベル5(完全自動運転)としている。レベル2+はSAEの定義にはなく、矢野経済研究所の分類基準。この調査におけるレベル2+は運転者監視システムによるハンズオフ機能や、V2X(車車間・路車間通信)と地図情報を利用して、レベル2のロバスト(堅牢)性を高めたものを指す。


 自動運転のレベル別に見ると、日米欧の新車に自動ブレーキや衝突警報などで標準化が進んでいるADASのレベル1が2,114万8,000台で世界市場全体の88.7%を占めている。ステアリング操舵とブレーキ/アクセルを同時に自動化するレベル2の運転支援システムは270万4,000台となり、2018年から日欧の自動車メーカーを中心に高級車から中級車まで搭載車種が広がっている。


 現状はLKS(車線維持支援)とACC(車間距離制御)を組み合わせて車線中央を自動走行する機能の搭載が中心だが、高級車においてはドライバーの指示器操作によるオートレーンチェンジ(自動車線変更)や、ドライバーが降車後にキーやスマートフォンで遠隔操作して自動駐車することのできるリモートパーキングなどが実用化されている。


 さらに、2017年からはドライバーモニタリングシステム(運転者監視システム、以下DMS)、高精度地図(HDマップ)を使った高速道路限定の手放し運転(ハンズオフ)機能の採用がゼネラル・モーターズ(GM)で始まっている。


 矢野経済研究所はDMSによるハンズオフ機能や、V2X(車車間・路車間通信)と地図情報を利用してロバスト(堅牢)性を高めたものをレベル2+と定義して市場規模の算出を行っているが、GMの当該システムはレベル2+に相当する。2018年時点で量産しているのはGMの1車種のみのために搭載台数は2,000台だが、2020年に向けて日米中市場の高級車を中心に拡大すると予測している。


 2020年以降に最も成長するのがレベル2の運転支援システムだ。レベル2とレベル2+を合計した世界搭載台数は、2020年に595万8,000台、2023年にはレベル1の搭載台数を上回り3,289万8,000台に増加すると予測する。


 2020年以降は販売台数の多い中級車を中心にレベル2の搭載が日米欧で進み、中国でも市場が立ち上がる。さらにレベル2+については今後、高級車ではDMSによる高速道路限定のハンズオフ機能の採用が拡大し、V2Xと地図情報を利用したシステムの採用も始まることから、2020年に27万3,000台、2023年に502万9,000台に増加。2030年におけるADAS/自動運転システムの世界搭載台数は8,249万9,000台に達すると予測する。


 自動運転のレベル別に見ると、レベル1は2025年以降、日米欧中からASEAN諸国、インドなどの新興国に需要の中心が移り、2025年の2,060万台から縮小して2030年の搭載台数は1,274万5,000台を予測する。レベル2とレベル2+の合計では2025年に4,347万5,800台、2030年は5,072万4,000台に達し、最も大きく成長する。2025年以降はV2Xの普及が日米欧中で進むことから、大部分の車両がレベル2またはレベル2+の運転支援システムを搭載し、2030年のレベル2+の搭載台数はレベル2を上回り2,970万台に成長する。


 レベル3の自動運転システムについては、2025年以降レベル3とレベル4のシステムコスト差が縮小することから、乗用車(自家用車)でも高級車を中心にレベル3からレベル4(高速道路限定)への切替が進み、2030年は373万台の横這いにとどまるとしている。


 レベル4以上の自動運転システムについては、日米欧中において2020年からカーシェア/ライドシェア、公共交通、物流などにおいて自動運転車の試験的利用が始まり、2023〜2024年頃からの本格的な実用期間を経て、2025年以降に拡大するとみている。


 特に中国においてはICV(Intelligent Connected Vehicle)の技術開発と普及を政府が後押ししており、V2Xを利用した自動運転車のテスト走行がスマートシティ実証試験区で始まっている。このため、中国におけるレベル4の自動運転システムの需要は2025年以降に伸びると予測。レベル4/5の世界搭載台数は、2025年には179万5,600台であるが、2030年は商用車に加えて乗用車(自家用車)での搭載も期待できることから、1,530万台に成長するとしている。


MONEYzine編集部[著]


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