富士通が「半導体工場」のレタスを発売 腎臓病患者でも生で食べられる!

5月11日(日)11時0分 J-CASTニュース

半導体工場が「やさい工場」に変身!(画像は富士通「会津若松Akisaiやさい工場について」ページ)

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   腎臓病を患っている人でも食べることができる、低カリウムのレタスが発売された。



   そのレタスをつくっているのは、なんと電機大手の富士通。福島県会津若松市の半導体工場を転用し、塵や雑菌がほぼ存在しないクリーンルームで栽培した。



「半導体からレタスへ」工場が変身



   「半導体からレタスへ」——。工場が驚きの変化を遂げた。富士通は、半導体工場を転用した閉鎖型大規模植物工場の「会津若松Akisaiやさい工場」で栽培した「低カリウムレタス」を、「キレイヤサイ」シリーズの第1弾として2014年5月7日に発売した。


   通常のリーフレタスと比べて、カリウムの成分が100グラムあたり100ミリグラム以下と低く、野菜に含まれるカリウムが気になる人、たとえばカリウムの摂取制限のある透析患者、腎臓病を患っている人でも、生で食べられるのが特徴だ。秋田県立大学の特許を応用して量産化に成功した。


   また、硝酸態窒素を100グラムあたり75ミリグラム前後と低くしたことで、苦味を抑え、甘さを引き出した。それにより、苦味が苦手な子どもにも食べやすい野菜となった。


   さらに、クリーンルームで栽培しているため、10度以下の冷蔵保存で2週間鮮度を保つことができるのもポイント。農薬も使っていない。


   価格は2株90グラムで450〜500円程度と、ふつうのレタスに比べると割高ではあるが、健康によい野菜として、「安心・安全に食べられる」魅力がある。



   富士通は2013年10月から、低カリウムレタスの栽培を開始。塵や雑菌がほぼ存在しないクリーンルームを活用し、種まきから育苗、定植、収穫まで行っている。


   あわせて、同社が提供する「農業クラウド」を活用。栽培データを収集・分析して、肥料の量などを最適化するほか、流通企業の需要に応じた生産調整なども実施する。


   低カリウムレタスだけでなく、「健康のよい成分野菜を、ユーザーのニーズを考えながらつくっていきたい」と話し、今後はまず他の葉物野菜への拡大を進める。


   販売ルートは生活共同組合コープあいづをはじめ、全国の医療機関など法人向けを中心に順次拡大していくが、富士通は「スーパーなどを通じて、早く一般の方にも食べていただきたいと思っているのですが、なにしろ野菜の販売は初めてのことで、現在販売ルートを開拓中です」と話している。


   2016年度には、低カリウムレタスを含めた「キレイヤサイ」シリーズで、4億円の売り上げを目指している。



「やさい工場」は2025年には1500億円市場に成長

   富士通のように、異業種からの農業参入は年々増えている。JFEホールディングスやオリンパスをはじめ、電子機器メーカーや照明、鉄鋼、板金などの製造業が工場跡地を「植物工場」に転用するケースは少なくなく、リーフレタスなどの葉物野菜やトマトなどを生産している。


   家電大手のシャープも2013年9月、アラブ首長国連邦のドバイにある販売会社の敷地内に、イチゴを栽培する「植物工場」の実験棟を設置。「植物工場」の事業化に向けた実証実験を開始した。


   自らが農業に参入しなくても、パナソニックの「アグリ・エンジニアリング事業」や、デンソーのように農業支援を事業化する企業も増えている。



   矢野経済研究所の「国内の植物工場市場に関する調査」(2013年7月〜12月調べ)によると、2025年の植物工場の市場規模は2013年の約6倍にあたる1500億円市場に成長すると予測。そのうち、富士通の「低カリウムレタス」の工場のような、太陽光を遮断し人工光で温湿度、光強度などを制御する「完全人工型工場」の市場規模は2013年が34億円で、25年には約13倍の443億円となると見込んでいる。


   現在の生産品目はリーフレタス類が中心だが、今後は生鮮機能性野菜や健康食品などの原料生産、イチゴや結球レタスなどの生産が進むとみている。

J-CASTニュース

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