ユニクロ柳井、ドンキ安田、ベネッセ福武も税逃れ! タックスヘイブンなければ教育の完全無償化が可能なのに

5月11日(水)9時30分 LITERA

ファーストリテイリング公式サイト経営方針「トップメッセージ」より

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 タックスヘイブン(租税回避地)を利用して資産隠し、税逃れをしていた個人・企業を告発した「パナマ文書」が大きな話題になり、日本の企業や資産家の名前も次々出てきているが、これはあくまでパナマの法律事務所を通じて税逃れを行ったケースのみだ。


 実は、他にも、タックスヘイブンを使った税金逃れをしていた大物企業オーナーの名前と手口がここにきて明らかになった


 まず、ユニクロの柳井正ファーストリテイリング会長兼社長は保有する自社株531万株を、安田隆夫ドン・キホーテホールディングス最高顧問は保有する自社株約1550万株をそれぞれオランダの自らの資産管理会社に譲渡していた。


 さらに、福武總一郎ベネッセホールディングス最高顧問とその妻にいたっては、保有する自社株1361万株を、ニュージーランドの自らの資産管理会社に譲渡。さらに総一郎氏は自らの住所も岡山市からニュージーランドに移していた。


 これらの驚愕すべき租税回避行為を明らかにしたのは9日付「しんぶん赤旗」だ。


 記事によれば、オランダは「資本参加免税」制度があり、同制度では、オランダに居住する法人が、同国または外国の事業体の発行済み株式の5%以上を継続保有すれば、配当と売却益が非課税となる。柳井氏は自社株の5.01%、安田氏は同9.81%をオランダの資産管理会社に保有させており、オランダの「資産参加免税」を受けることで、日本の租税負担を回避しているのだ。


 ユニクロの柳井氏のケースでは531万株の配当金は年18億円以上。日本で株を保有する場合と比べ所得税と住民税を年約7億円も租税回避している計算だ。


 また、ニュージーランドに移住したベネッセの福武氏の目的は親族への相続だ。ニュージーランドは相続税・贈与税の最高税率が55%の日本とは異なり、贈与税、相続税がないのだ。ただし、多額の税負担を回避するためには相続人と被相続人の双方が、海外に住所を移して5年以上、経過しなければならない。福武氏のほかに相続人もすでに海外移住を果たしている。資産額1383億円とされる總一郎氏の財産について税負担を回避し相続する準備が着々と行われているのだ。


 現在、世界的に検証がはじまった、世界各国の要人や著名人らがタックス・ヘイブン(租税回避地)を利用して資産隠しを行っていた疑惑が表面化した「パナマ文書」では、警備保障会社大手セコム創業者・取締役最高顧問の飯田亮氏と元取締役最高顧問の故戸田寿一氏が保有するセコム株の一部(当時の取引価格で計700億円を超す大量のセコム株)が日本の相続税回避目的で、タックスヘイブンを利用していたのではないかと見られているが、「パナマ文書」どころではなく、日本でも日常的に富裕層の租税回避行為が行われていることが明らかになったのだ。


 それにしても、ユニクロは「月300時間超の労働」を労働者に強いていたことが裁判所に認定されている(2013年)。ドンキホーテも従業員に違法な長時間労働をさせていた疑いで東京労働局の家宅捜索を受けている(2015年)、ベネッセは、追い出し部屋(人財部)を使った違法なリストラで(2013年、東京地裁)、「第2回ブラック企業大賞2013」の「教育的指導賞」を受賞するなど、いずれも日本を代表するブラック企業の最大手ばかり。労働者を酷使して、コストを押さえ、ボロ儲けしたカネは日本の租税回避をたくらみ、一族で独占しようとする。


 彼らは法律にのっとって「適正に」処理をしたと言い逃れするだろうが、本来は、こうしたボロ儲けしたカネは日本で「適正に」納税され、社会福祉や教育、地域のインフラなど、国民の厚生を向上させるために再配分(所得再分配)されるというのが財政・租税の基本原理だ。こうしたカネが「適正に」租税回避をし、海外に出ていってしまっては、日本の貧困化が加速するだけなのだ。


 海外に流出する総額は定かではないが、日本銀行の調査によれば、タックスヘイブンのひとつ、所得税のないイギリス領ケイマン諸島への日本の投資残高だけでも2012年末時点で、55兆円にも及ぶという。


 55兆円は投資残高だが、かりに、この55兆円が金融所得だとして、日本の金融所得の税率である20%をかけてみれば、単純計算で11兆円の税負担が宙に浮いている計算になる。


 いったい11兆円もあれば何ができるのか。たとえば、「子どもにかかるお金は大丈夫だよって、ちゃんと国が責任もって(略)育ててあげますよ、という制度がないと、安心できない」とマツコ・デラックスと持論展開したことから、「マツコ案」として話題になっている保育から大学までの無償化案はこの期間の医療費を含めても計7.8兆円で可能という試算がある(京都大学大学院人間・環境学研究科の柴田悠准教授の試算)。


 なお、過去には「2030年までに公的教育予算を10兆円増やし、高等教育も無償化」を提言した下村博文文部科学相案もあり、米国大統領選で民主党のバーニー・サンダース候補が訴える教育無償化は日本では10兆円でできてしまうのだ。


 また、福島第一原子力発電所の事故処理の費用(賠償金、除染費用、廃炉費用)は約1000億ドル(約11兆円)とされている(大島堅一立命館大学教授の試算をもとにしたフィナンシャル・タイムズ紙の試算)。


 さらになんと「11兆円」は、5%時の消費税の税収と同じなのだ。つまり、タックスヘイブンがなければ、税収が11兆円増えて、消費税は3%でいいということなのだ。


 この数字はあくまでも、タックスヘイブンのひとつ、イギリス領ケイマン諸島への投資残高55兆円を見ただけのもので、全体を見れば、もっと大きな金額になるだろう。富裕層たちの租税回避行為がいかに日本の将来を暗いものにしているのか、十分おわかりいただけたと思う。国民はもっと怒るべきなのだ。
(小石川シンイチ)


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