円安が寄与、24年度の国際収支・経常黒字は過去最大…前年度比16%増の30兆3771億円

2025年5月12日(月)20時21分 読売新聞

財務省

 財務省が12日発表した2024年度の国際収支統計(速報)で、海外とのモノやサービスの取引などの状況を示す「経常収支」の黒字額が前年度比16・1%増の30兆3771億円となり、2年連続で過去最大を更新した。ただ、今後は米国との関税交渉次第で、黒字額は縮小に転じる可能性が指摘されている。

 海外投資で生じる利子や配当金などの「第1次所得収支」の黒字幅は、11・7%増の41兆7114億円だった。海外の金利上昇や円安の進展が影響し、直接投資収益、証券投資収益ともに黒字額が前年度から1割以上増加した。

 モノ以外の取引を示す「サービス収支」は、2兆5767億円の赤字で、赤字幅は20・2%縮小した。訪日外国人客の増加で、旅行収支の黒字幅が拡大した。

 モノの輸出額から輸入額を差し引いた「貿易収支」は、4兆480億円の赤字だった。前年度から赤字幅は9・8%拡大し、4年連続で貿易赤字となった。パソコンやスマートフォンなどの輸入が増えた。

 SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは今後の見通しについて、「米国の関税措置の影響で主力の自動車輸出が縮小し、貿易赤字が拡大するリスクがある」と述べた。

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