簡素なフォトウェディング展開:デコルテHDは「ナシ婚」時代にも対応しうるか

2025年5月11日(日)22時0分 財経新聞

 デコルテ・ホールディングス(7372、東証グロース市場)。自社スタジオでのフォトウェディング、メモリアルフォト事業を展開。

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 周知の通り「コロナ禍」は結婚式と対極にある、葬儀の在り方を大きく変えた。「家族葬」「樹木葬」が、新たなトレンドになった。結婚式はどうか。元々フォトウェディングを特色としてきたわけだが・・・

 デコルHDの2020年9月期は「22%超の減収、5300万円の営業赤字」。翌21年9月期は「25%超の増収、109.2%の営業増益」と切り返す決算となったが、当時の決算資料を覗くと、こう記されている。

 「コロナ禍によりフォトウェディングなどの新たな結婚式への形への関心が高まる中で、顧客のフォトウェディングサービスに対するニーズが広がり・・・既存店の平均単価は13.9%と上昇した・・・」。一見、コロナ禍=フォローと受け取れる。

 が、前24年9月期は「4.5%の減収(55億8900万円)、75.4%の営業減益(2億2000万円弱)」。決算書類はこう発信している。「婚姻組数の減少や、小規模事業者を含めた新規参入組の増加などの影響もあり、減収となった」。構造的な影響が新たに顕著となる流れが確認できる。

 邸宅1棟を借り切る形での結婚式事業を手掛ける、テイクアンドギヴ・ニーズ(4331、東証プライム市場)ではこんな独自の調査結果を発表している。

 「少子化・晩婚化の影響により国内人口は中長期的に減少傾向にあり、それに伴い婚姻組数も微減を続けると想定している。ただそうした中、ナシ婚(結婚披露宴は行わず役所に婚姻届を提出するだけ)組がある一方で、晩婚化や再婚組数の増加で潜在市場を認識している」。曖昧模糊・・・

 デコルテHDはそれでも合理化や積極策の展開で、今後の展望を切り開く姿勢を示している。

 フォトウェディングサービスのニーズをピックアップするための「Webシステム強化」/カメラマンの内製化/撮影時の衣装の内製化。七五三/結婚記念日etc人生の節目のアニバーサリーフォトサービス(家族向けフォトサービス)の啓蒙・事業強化。

 今年4月にはIBJと資本業務提携を結んだ。IBJは結婚相談所、婚活マッチングサイトを運営。潜在顧客の獲得・集客手法の多様化、としてだ。至28年9月期の中計は「売上高90億円(25年9月期比52・5%増収)、営業利益9億円(33%増益)」を掲げている。

 今後の流れを見守るしかないが・・・。本稿作成時点の株価は300円台入り口。ちなみに21年6月の初値に対し修正済み株価パフォーマンスはマイナス80%。さて・・・

財経新聞

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