日産の危機を救うもの? 北米日産・アルティマ“可変圧縮比(VC)エンジン”

5月13日(月)11時30分 財経新聞

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 日産の営業が危機に瀕している。カルロス・ゴーン事件の余波が出ていると考えるのが順当であろう。あれほどのカリスマ経営者の不祥事だったのだから、逮捕直後「お客が引いていった」と営業マンが証言しているように、事実であろう。カルロス・ゴーン元会長の方針で進めていた、北米営業のインセンティブ(販売奨励金)が重くのしかかっている。この危機を救うのは、アルティマ搭載の“可変圧縮比(VC)エンジン”に代表される「技術の日産」ではないのか。

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 2019年3月期の連結営業利益が3180億円(前期比45%減)、売上高速報値は11兆5740億円(前期比3.2%減)、純利益速報値3190億円(前期比57%減)になったと発表された。2019年2月に大幅な業績見通しの下方修正を発表していたにもかかわらず、4月にさらに下方修正をしたこととなる。カルロス・ゴーン元会長でなくとも、経営管理が心配される事態だ。西川廣人CEOは、2月には北米市場の売り上げは2.5%減少するが、営業利益率は15.3%増加するとしていた。だが結果は、2019年3月期の連結決算で前記の通りとなった。

 北米市場は日産にとっても主力市場だ。カルロス・ゴーン元会長の意を受けた、グローバルマーケティング、セールス担当ダニエレ・スキラッチ副社長が、シェアの確保を優先して、インセンティブ(販売奨励金)を各ディーラーに手厚くしていたのだった。これは一概に間違いだったとは言えないのだが、現在3%を切った北米市場の純利益率を見ると、不祥事のタイミングが悪く作用していることは間違いない。

 2018年度第3四半期累計の北米販売台数が142万7000台で、前年同期比8.5%減少だったことを見ると、「トップの不祥事で買い控えが起きた」とする見方は正しいと言える。しかし市場は、それほど単純でもあるまいし、的外れとも言えるのだろう。「主力の米国市場がピークアウトし、セダン系車種の販売が苦戦した」と日産は言っている。確かに、市場はセダンからSUVに傾いている。ポルシェですら売り上げの7割がSUVという時代だ。

 ここで、「技術の日産」にとって起死回生の策があるとすれば、それは「日産・アルティマ“可変圧縮比(VC)エンジン”」ではなかろうか。アルティマが売れるというだけではない。アルマダ、ムラーノなどSUVに「VCエンジン」を展開して、日産だけの商品力を作り出すことが出来るのではないかということだ。「技術的先進性」はインセンティブ(販売奨励金)を必要とせず、利益率を上げる決め手になるからだ。

 その意味で、VC(Variable Compression)ターボエンジンを積んだ日産・アルティマを、どのようにして北米市場でアピールしていくだろうか?「技術の日産」だけでなく、「商売の日産」の実力を見せなければならない時だ。

 テニスプレーヤー・大坂なおみの宣伝効果は日本国内が主であろうが、北米でのリーフの売り込みに効果を上げるにはどのような展開が良いのか?スバル北米販売「LOVEキャンペーン」の仕組みをよく研究して、それを採用し2、3年かけて立ち上げていくのが「技術の日産」にふさわしい姿であろう。

 EV元年とも言うべき2020年を迎える情勢でリーフを前面に出せないのでは、カルロス・ゴーン元会長だけでなく、日産社員にとっても心残りであろう。

財経新聞

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