「獺祭」が日本酒の一流ブランドになるまでの紆余曲折

5月15日(月)6時0分 ダイヤモンドオンライン

旭酒造の「獺祭」は日本酒の一流ブランドとして有名(写真はイメージです)

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要約者レビュー


 日本酒を知る人はもちろんのこと、日本酒をあまり知らない人でも知っている超有名銘柄、それが「獺祭」(だっさい)だ。



 著者にコラムニストやコメンテータとして活躍する勝谷誠彦氏、帯に内閣総理大臣の安倍晋三氏という、ある意味すさまじい布陣が取られている本書『獺祭——この国を動かした酒』だが、内容はいたって実直である。「獺祭」の造り手である桜井博志氏のこれまでの奮闘、そしてこれからの展望が丁寧につづられており、本書を読むだけでも、日本酒をとりまく状況の変遷や、「獺祭」という酒がもつ魅力が、くっきりと浮かびあがってくるだろう。


 また、勝谷氏による古い日本酒業界への批判もピリリと効いている。現在、日本酒はある種のブームを巻き起こしつつあり、売上げも順調に伸びているが、ほんの数年前までは苦境に立たされていた。古い慣習や制度、考え方が、日本酒の発展を妨げていたのだ。


 日本酒にかぎらず、それをとりまく環境にも鮮度がある。成熟産業である日本酒業界が今後、劣化した老香(ひねか)ではなく芳醇な熟成香を醸しだせるかどうかは、日本酒に携わるすべての人たちにかかっている。


 そうしたなかで、「獺祭」の躍進はじつに頼もしい。日本酒全体を底上げし、業界を背負って海外に打って出ようとしている桜井氏の今後の活躍にも、ますます注目したくなる一冊だ。(石渡 翔)


本書の要点


(1) 大吟醸造りをわかっていなかった杜氏を雇ったからこそ、旭酒造の「蔵元が味を決める」という体制はできあがった。

(2) 業界向けの雑誌にかかれていたレポート通りに吟醸酒を造ったところ、旨い酒ができあがった。この経験から、桜井は理論がきわめて重要だと実感した。

(3) さらなる挑戦を求め、地ビール造りにも挑んだが大失敗。莫大な借金をかかえた。

(4) 大口の問屋との付き合いをやめたことが、結果的には蔵の再生につながった。

(5) 「獺祭」の生みの親のひとりである杜氏が辞めたことで、桜井は蔵元と杜氏を兼任するプレイングマネージャーになる決意をかためた。




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