山岳国家「ネパール」への観光。「生き神」「ポカラ」「エベレスト」など 知っておくと得する旅のアドバイス [橘玲の世界投資見聞録]

5月18日(金)21時0分 ダイヤモンドオンライン

旧王宮ナサル・チョークに隣接するマヘンドラ博物館。建物の外観は維持しているが修復中のため立ち入り禁止      (Photo:ⒸAlt Invest Com)

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 3月後半からのネパール旅行で出会った若者たちのことを書いたが、今回は備忘録代わりに旅のTIPS(ヒント)を紹介しよう。


[参考記事]

●最近日本でよく見かけるネパール人労働者たちはGDP世界172位の貧困国から来ている


 日本からカトマンドゥまでは直行便がないので、まずはどうやって行くかが問題になる。一般的なのは上海か成都で乗り継いで昆明まで行き、そこからカトマンドゥに向かうルートで、飛行距離は短いが2回乗り継ぎのため中国で1泊する必要がある。関西方面からなら、関空から広州経由でカトマンドゥに行く中国南方航空の便がある。中国以外だとソウル(仁川)乗り継ぎの大韓航空の便があり、これは当日移動ができそうだ。


 香港(キャセイパシフィック)、バンコク(タイ航空)、クアラルンプーール(マレーシア航空)経由や、LCCのエア・アジア(クアラルンプール経由)を使うこともできるが、いったん南に下るので飛行距離は長くなる。デリーを経由するルートもあり、こちらはインドとネパールをいっしょに回りたいひとにはよさそうだ。


生き神「クマリ」の館とナラヤンヒティ王宮


 2015年4月15日にカトマンドゥ近郊を震源とするマグニチュード8の大地震が起き、多くの建物が倒壊した。世界遺産に指定されたダルバール(王宮)広場の被害も甚大で、有名なシヴァ寺院やナラヤン寺院は瓦礫と化し、王宮も倒壊の恐れがあるとのことで見学できなくなった。震災から4年たっても復興はあまり進んでいないようだ。





 そのなかでほぼ唯一、見学できるのがクマリの館。クマリとはネワール仏教の生き神で、僧侶カースト・サキャの一族から初潮前の少女が選ばれる。クマリとなった少女は、王宮近くの館に住み、病気治療や願望成就の祈願を行なうのだという。9月の大祭インドラ・ジャトラでは3日間にわたってクマリを載せた山車が町じゅうを回り、邪気を払い繁栄をもたらすとされている。


 そのクマリは、ツアー客などがいると2階の窓から顔を出してくれる(ツアーガイドがチップを払うからのようだ)。幸いなことに欧米人のツアーがいっしょで、濃い化粧をし民族衣装で着飾ったクマリを見ることができた。




 カトマンドゥには、じつはもうひとつ王宮がある。国王一族が住んでいたナラヤンヒティ・ダルバールで、2008年5月28日の王政廃止にともなって博物館として一般公開されている。王室の儀式が行なわれたホールや国王の寝室、執務室などが見学でき、王宮を訪れた各国首脳の写真が飾られている(日本からは皇太子が訪問している)。


 2001年6月1日、このナラヤンヒティ王宮でネパールを揺るがす大事件が起きた。ネパール暦の第三金曜日に王族が集まる晩餐会で、ビレンドラ国王の長男の皇太子ディペンドラが銃を発砲して国王夫妻と長女、二男、国王の末弟、2人の姉を含む9人を殺害、自らも現場の外にある池の近くで頭部に銃弾を撃ち込んで倒れていたのだ(その後、皇太子は重体のまま新国王になったが2日後に息を引き取った)。


 この衝撃的な事件の公式発表は「皇太子が犯行後に自殺した」というものだが、当初から疑問の声が噴出した。10人の遺体は検視を受けることなく荼毘に付され、自殺した皇太子は右利きだったが弾は左のこめかみから入っていた。また、泥酔していたとされる皇太子の身体からはアルコールが検出されなかったなどの証言や報道が現われ、混乱に拍車をかけた。


 国民の疑惑は、晩餐会を欠席して災難を免れ、新国王に即位した王弟のギャネンドラに集まった。ギャネンドラの一人息子パラスが現場にいたものの無傷だったこともあり、インドやアメリカの諜報機関を使った「宮廷クーデター」説が公然と唱えられた。


 新国王となったギャネンドラは非常事態を宣言、翌2002年5月には下院を解散し首相を解任して内閣を側近で固め、05年には全閣僚を解任して直接統治を宣言した。この専制が国内外の強い反発を生み、06年4月に大規模な民主化運動(ロクタントラ・アンドラン)が起き、5月18日に国王の政治的特権はすべて剥奪、28日の制憲議会発足で王政は廃止されネパール王国(ゴルカ朝)は終焉した。


 この大事件の舞台となったナラヤンヒティ王宮博物館は木曜〜月曜の開館(火曜・水曜休館)で、入場は午前11時から午後4時(11月〜1月は午後3時)まで。






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