リアルハプティクスを利用した薄鋼板製造工程における付着物拭き取り作業の遠隔化・自動化に成功

5月20日(木)16時16分 PR TIMES

 モーションリブ株式会社(本社:神奈川県川崎市、代表取締役CEO:溝口貴弘)、慶應義塾大学新川崎先端研究教育連携スクエア ハプティクス研究センター(神奈川県川崎市、センター長:大西公平)、東洋鋼鈑株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:田辺敏幸)は共同で、薄鋼板製造工程におけるロール(※1)表面の付着物を拭き取る作業の自動装置を開発し、作業の遠隔化・自動化に成功しました。本開発では、リアルハプティクス(※2)を用いて同作業における人間の動作と力加減をデータとして抽出し参照することで、自動化を実現しています。今後はさらに本開発技術を発展させ、これまで人の感覚・経験によって判断してきた「手作業」の遠隔化・自動化、そして安全かつより効率的な製造技術の確立を目指してまいります。

【背景】
 薄鋼板製造工程において、鋼板を搬送するためのロール表面に金属粉や埃等の異物が付着すると、鋼板表面に凹みなどの欠陥を発生させる要因となります。一度異物が付着すると、欠陥がロールの円周間隔で連続的に発生するため、製品歩留りの低下を招きます。これを防ぐため、従来は作業者が稼働中の回転するロール表面に手入材(砥石や研磨紙あるいは布などを備えた治具)を押し付けて付着物を除去していましたが、高速回転する回転物近傍で人が作業する危険性や作業効率が課題となり、自動化が求められてきました。一方、この作業はロールの据付状態や付着物に応じて手入材の角度や押し当てる強さ(力加減)を柔軟に変化させる必要があるため、自動化が難しいとされてきました。

【開発概要】
 本開発では、まずリアルハプティクスによってロール表面の付着物の拭き取り除去作業を遠隔化し、作業者の動作から作業に適した力加減を数値データとして抽出しました。そしてそのデータを参照することで、作業者と同様の力加減で付着物を除去する自動装置を開発しました。本装置は既に1年以上の連続運用実績があり、人間による作業と同等の効果があることが確認できていると同時に、高い耐久性と制御システムの堅牢性を実現しています。今後はさらに本開発技術を発展させ、これまで人の感覚・経験によって判断してきた「手作業」の遠隔化・自動化、そして安全かつより効率的な製造技術の確立を目指してまいります。

[画像1: https://prtimes.jp/i/27265/16/resize/d27265-16-464010-1.png ]

図1  開発システムの概要図


<用語解説>
※1 ロール:薄鋼板、紙、フィルム等の製造工程において、材料を搬送するために用いられる円柱状の支持体。

[画像2: https://prtimes.jp/i/27265/16/resize/d27265-16-294024-0.png ]


図2 薄鋼板の製造工程図

※2 リアルハプティクス:慶應義塾大学で発明され、基本特許を有している力触覚伝送技術で、同時にアクチュエータの力加減を自在に制御することができる技術です。この技術により、力センサレスで力触覚をともなう「計測可視化・分析」「遠隔操作」「自動化」「感触の再現・VR」が可能となります。


【モーションリブ株式会社】
 モーションリブ株式会社は、機械が力触覚を自在にコントロールするために必要なリアルハプティクスについて、機械への実装を可能にするための研究開発から、キーデバイスである「AbcCore(※)」の製造販売まで行う慶應義塾大学発ベンチャーです。「AbcCore」は力センサや特殊なモータなどを必要とせず、市販のモータを使って力加減や力触覚伝送の制御を実現する点に技術的優位性をもっています。この「AbcCore」は、すでに60社以上の企業に先行提供されており、共同研究や実用化が始まっています。
 また当社は、共同研究を行う「ソリューション事業」、「AbcCore」を提供する「デバイス事業」、技術を提供する「ライセンス事業」の3つの事業を柱に、お客様の製品企画から量産販売までをサポートできる体制を構築しています。モーションリブ株式会社では、リアルハプティクスの実用化をさらに加速するために、共同研究企業様の募集を積極的に行っています。
https://www.motionlib.com/

※ AbcCoreについて
 モーションリブ株式会社が開発した、リアルハプティクスの実装を簡便にする汎用力触覚ICチップです。以下の特徴があります。
・力加減の制御:リアルハプティクスをモジュール化し、リアルタイムな力加減の計測と制御を実現。
・力触覚を伝送:力加減をデータ化して、遠隔地に伝送。双方向に力触覚を伝え合うことを簡単に実現。
・力センサレス:独自の力推定アルゴリズムにより力センサの設置が不要。(力センサの使用も可能)
・高い汎用性:市販のアクチュエータ・機器を使用して力の制御が可能。既存システムへの組込みも容易。


【慶應義塾大学新川崎先端研究教育連携スクエア ハプティクス研究センター】
 慶應義塾大学はリアルハプティクスの研究機関としてコアとなる特許群を所有しています。また、ハプティクス研究センターは、この技術を広く遍く世界の市場や産業界の人々が利用可能となることを目指し、民間企業が参加するリアルハプティクス技術協議会の運営や民間企業との共同研究をするなど、日々研究を進めています。
https://haptics-c.keio.ac.jp/


【東洋鋼鈑株式会社】
 東洋鋼鈑は、1934年(昭和9年)にぶりきメーカーとして創業して以来、長い歴史で培ってきた圧延、表面処理、ラミネートなどの自社固有の技術をもとに、主力の鉄に加え、アルミや樹脂などを精密加工することで事業領域を拡大しています。近年では産学官の取組から医療分野にも進出するなど、社外との連携を積極的に推進することで、地球環境や社会の進歩に貢献してまいります。
https://www.toyokohan.co.jp/


【お問い合わせ先】
モーションリブ株式会社 担当:緒方、福田
contact@motionlib.com

慶應義塾大学新川崎先端研究教育連携スクエア ハプティクス研究センター
contact@haptics-c.keio.ac.jp

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