宅配ボックス、顔認証。住宅にまつわるIoT製品開発の最前線

5月21日(日)6時0分 JBpress

5月9日〜11日、東京ビッグサイトにて日本最大のIT専門展Japan IT Weekが開催された。モバイル、通販ソリューション、ビッグデータと世界最先端の製品やサービス、技術が一堂に会するなか、我々が注目したのが、最近注目を集めている住宅のIoT化。

最先端のIoT住宅設備に触れるべく、IoT/M2M 展を訪ねた。


実際のモデルハウスでスマートホーム体験

まずはイッツ・コミュニケーションズconnected designのブースへ。ここでは実際のモデルハウスが設置してあり、最先端のIoT技術を活用したスマートホームサービス「インテリジェントホーム」を体験できるようになっている。

経営管理室チーフの高橋由佳さんの案内で、モデルハウスの玄関の前に立つと、目に入ってきたのが玄関横に設置された宅配ボックス「uCella」。荷物の受け取り、保管ができるだけではなく、常時Wi-Fi接続しているため、宅配物が届くと、スマートフォンに通知が届くという便利なものだ。

追跡バーコードをかざして施錠する仕組みなので、セキュリティも万全。配送中の荷物の位置をスマートフォンの地図に表示することもできる。

「こちらの商品、アメリカではすでに実用化されています。宅配問題の解決策として、日本でも早く実用化してもらいたいという声が非常に多いですね」と高橋さん。

続いては家の中へ。鍵はスマートロックで施錠。カードや暗唱番号で鍵を開けることができる。

「鍵が開いたら、センサーで察知して自宅のカメラが起動。子どもやペットなどをIPカメラで自動撮影し、外出先からもスマートフォンで見守ることができます。またスマートフォンからの遠隔操作で、照明や温度、湿度などをすべて快適に調整することができます」

また鍵がちゃんと閉められているかも確認でき、不審者の侵入時なども通知される。これで防犯対策も万全だ。

「さらに、LINEのトークで、子どもが帰宅したかどうか、鍵、エアコンや照明などの状態を確認、家電をON/OFFにするといった操作が行えるようになりました」

自分の使い慣れたアプリで操作ができるなら、IT機器の操作が苦手な人でも安心だろう。

次に、IFTTTのコーナーへ。これは、異なるアプリ同士を連結できるWEB連携プラットフォームサービスだが、今回スマートホームでは日本で初めて、インテリジェントホームも仲間入りしたということだ。

「IFTTTサイト上のさまざまなアプリをこうなったら(if this)こうする(then that)というルール設定をして連携させるサービスです。

その結果、インテリジェントホームも350以上のアプリと連携できることに。例えば、音声認識アプリと連携して、声で照明のON/OFF操作する、顔認識カメラで登録されている顔の人だけが鍵の開閉ができる、お天気アプリと連携して、部屋の温度や湿度を管理するといったことが可能になりました」

操作もスマートフォンのみならず、AppleWatchやAmazon echo、ワンクリックでいろいろな遠隔動作を可能にするQmoteSなど、さまざまな機器からできるように。

快適、安全性はもちろん、子どもから高齢者まで、誰もが操作しやすい環境の整備にも努めている点がよくわかった。

ちなみに、現在イッツ・コミュニケーションズのユーザー1000世帯がインテリジェントホームのサービスを利用しているそうだ。


住宅のIoT化を実現する、テクノロジーに触れる

続いて訪れたのは、モバイルなどに内臓されているプロセッサ「Snapdragon」でおなじみのクアルコムのブース。IoTをより快適に、便利にするテクノロジーについてうかがった。

「現在、声による認証モバイル技術をIoTに活用する技術を研究開発しています」というのは、クアルコムシーディーエムエー テクノロジーズ スタッフフィールドアプリケーションエンジニアの大島勉さん。

「今回ご提案しているのが、プラットフォーム8069というチップと、9326を中心としたスマートアシスタント。プラットフォームをベースに、Wi-Fi、Bluetooth、パワーマネージメントIC、オーディオ・コーデックなど、音声認識に必要なデバイスすべてをモジュールとして用意することが可能。音声認識では自然言語認識で、日本語も英語をサポートしています」

スマートフォンやテレビ、ゲーム機器をはじめ、ほかのどんな機械でも、この小さいモジュールをスマートスピーカーに埋め込むだけで、音声でのアシスタントが可能になる。今後さまざまなメーカーのデバイスに内臓される予定があるという。

「北米で人気の人口知能スピーカー「Amazon echo」は、音声を認識して、さまざまな動作を実行してくれるというものですが、子どもが話しかけてお父さんの買い物リストを見てしまった、クッキーを200個注文してしまったなどの問題も起きています。

そういった問題を解決できるのが、バイオメトリクス認証。私たちは声によって発信元が誰かを識別し、認証するより高度な機能を開発しています。それによって先述のような誤動作を防ぐことができると確信しています」

続けて拝見したのは、顔認識テクノロジー。

「顔認識アルゴリズムにより、人の顔の色やパターンなど、顔を構成するさまざまな要素から判断。こちらの技術を使って、中国では工場の従業員の顔を識別。出入りを管理し、セキュリティ管理に役立てています」(シニアスタッフフィールドアプリケーションエンジニアマネージャー 篠崎泰宏さん)

住宅分野では、家族の顔認識によるスマートロックを実現したり、不審者を検知したり、ということに応用できるそうだ。

さらに、住宅のIoT化に不可欠なインフラの実現についても言及。

「現在Bluetoothを使ったmeshのストラクチャーの発展も目覚ましいものになっています。通常Bluetoothの到達距離は5m〜10mのところ、それを何100mあるいはそれ以上の距離を実現。巨大な邸宅でも、カバーできるようになりました」

このことによって、住宅のIoT化がどう進むのだろうか?

「海外ではすでにWi-Fi環境が整っていて、冷蔵庫、ヒーター、炊飯器などの家電のワイヤレス化が進んでいます。そして、Apple Home Kit、Google Homeなどにさまざまな家電を登録して、エアコンの温度を調整したり、照明を変えたりといったことが、ポータルで行えるようになっているのです。日本でもBluetoothのmesh環境が整えば、同様のことが可能になってくるでしょう」


ゲートウェイも一体型でスマートに

続いて訪れたのが、GMOクラウドのブース。IoTの導入や業務提携に関するコンサルティングをひとつの窓口で行う「IoTの窓口」というサービスを提供している。

さまざまな分野を手掛けるなか、住宅分野では、省エネ、防犯、空間演出と、より快適なスマートホームを実現。

なかでも注目したいのが、台湾のFiti社と提携して開発された一体型のゲートウェイ。
Fiti社のファンさんによると、

「現在のIoTネットワークの中心はルーターとゲートウェイ。さらにカメラ、センサー、ライトなどのデバイスが別々に配置されていますが、これら別々になっていたものを一体化しました」


ぱっと見たところはLEDライト。白さや明るさをアプリケーションから調整できるほか、スピーカーやマイク付きで、音声での操作も可能だ。

「操作は基本的にスマートフォンで行いますが、Bluetoothが内臓されているため、子どもがスマートフォンを持ってなくてもBluetoothのタップを持たせればOK。子どもが帰宅すると、自動的にペアリングして、親のスマートフォンに知らせてくれます」

こちらの商品は来年春からの量産を目指しているそうだ。

私たちの未来を変えると言われている住宅のIoT技術。各社ともにより快適で安全なスマートホームを実現するため、サービスの向上、技術開発、インフラ整備と、今後も目覚ましい進化を遂げて行く意気込みが感じられた。

筆者:阿部 桃子

JBpress

「住宅」のニュース

BIGLOBE
トップへ