ファーウェイのAndroidスマホ、米中貿易摩擦で打撃

5月21日(火)12時0分 JBpress

中国の通信機器大手、華為技術のロゴ。北京にて(2018年12月6日撮影、資料写真)。(c)FRED DUFOUR / AFP〔AFPBB News〕

 米グーグルが、中国の通信機器大手ファーウェイ(華為技術)との取引を一部停止したと米ロイター通信が伝えている。


Google Play、Chrome、Gmail、YouTubeなど搭載不可能に

 これにより、ファーウェイは、グーグルが提供しているモバイルOS「Android」を現在のような形で使用できなくなり、同社スマートフォン事業の世界展開が、厳しい状況になるとロイターは報じている。

 グーグルが今回取った措置により、今後ファーウェイに提供されなくなるのは、現行Androidのアップデートと、Androidの新規商業ライセンスだ。これに伴い、グーグルとの商業ライセンス契約が必要な「Google Play」「Chrome」「Gmail」「YouTube」などの人気アプリは、ファーウェイが今後発売するスマートフォンに搭載されなくなる。

 ファーウェイが今後、使用できる唯一のAndroidは、オープンソースライセンスの下で無償提供されている「Android Open Source Project(AOSP)」だが、こちらのライセンス形態では、前述した人気アプリを搭載できない。


米政府、ファーウェイと取引禁止

 これに先立つ5月15日、米商務省は、米企業が政府の許可なく電子部品などをファーウェイと、その関連会社に販売することを禁じると発表した。またトランプ米大統領は、安全保障を脅かす通信機器やサービスを米企業が使うことを禁じる大統領令に署名した。

 グーグルの広報担当者によると、今回の措置は、こうした米政府の方針を受けたもの。今後グーグルは、この措置が及ぼす影響について検討する。グーグルは今も社内で、ファーウェイ製端末で停止するサービスについて詳細を検討中だという。

 ただ、ファーウェイ製Android端末の既存ユーザーは、今後もグーグルのアプリやサービスを継続利用でき、グーグルが直接配信するアップデートもダウンロード可能となる。

 一方で、ユーザーが利用できなくなるのは、スマートフォンメーカーや通信事業者を通じて提供されるOSのアップデートだ。今後はグーグルがファーウェイに対し、OSアップデートを提供しなくなるからである。


中国に次ぐ巨大市場で、大きな打撃

 ファーウェイの主要市場である中国では、影響は比較的小さいとロイターは伝えている。中国では、当局がグーグルの商慣行を規制しており、ファーウェイ製Android端末には、もともとグーグル製アプリやサービスが搭載されていない。

 ファーウェイが中国向けスマートフォンに搭載しているのは、検索のバイドゥ(百度)、ソーシャルネットワーキングやビデオゲームのテンセント・ホールディングス(騰訊控股)などの中国企業のアプリだ。

 米国の市場調査会社IDCによると、今年(2019年)1〜3月期におけるスマートフォン出荷台数の上位3メーカーは、1位から順にサムスン、ファーウェイ、アップル。アップルはこれまで、サムスンに次ぐ2位の座を死守してきたが、ついにその座をファーウェイに明け渡した。これに対し、ファーウェイは、上位メーカーの中で唯一、出荷台数が大幅に増えた(前年同期比50.3%増)。

 (参考・関連記事)「アップル、2位の座をファーウェイに明け渡す」

 ただ、昨今のファーウェイは、欧州市場で勢力を伸ばしており、同社にとって同地域は中国に次ぐ大きな市場となっている。ファーウェイはこれまで、欧州向けAndroidスマートフォンに、前述したグーグルのアプリ、サービスを搭載してきた。

 ロイターによると、欧州のスマートフォン市場で、競争力を保つためには、グーグルのアプリが不可欠という。今後はそれが不可能になり、ファーウェイの欧州スマートフォン事業は、大きな打撃を受けるだろうとロイターは伝えている。

 (参考・関連記事)「アップルに吹く、米中貿易摩擦という新たな逆風」

筆者:小久保 重信

JBpress

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