千葉大学と「オタネニンジンのアクアポニックス栽培技術に関する共同研究」を開始

2025年5月23日(金)11時47分 PR TIMES

〜深刻化する種子供給量減少を背景に、新たな生産モデルの確立で国産オタネニンジンの再興を目指す〜

このたび、株式会社IGNITION(本社:千葉県袖ケ浦市、代表取締役:佐藤 吏)は、国立大学法人千葉大学(以下、千葉大学:千葉市稲毛区、環境健康フィールド科学センター長:渡辺 均)と共同研究「オタネニンジンのアクアポニックス栽培技術に関する研究」を開始いたします。近年、薬用人参であるオタネニンジン(別名:チョウセンニンジン)の国内種子供給量が急速に減少し、医薬資源、健康食品等の安定供給に大きな懸念が生じています。本研究では、高度な循環型農法であるアクアポニックス技術を活用し、オタネニンジンの効率的な採種・発芽技術を確立することで、この社会課題の解決に貢献してまいります。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/120301/26/120301-26-87a7fcf5a4ba77442fd7e1c060e0c81f-1108x1477.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
オタネニンジンの国内生産を取り巻く最近の動向
国産種子供給量の深刻な減少
オタネニンジンの国内生産は1950〜60年代をピークに大幅に縮小し、栽培農家数・栽培面積ともに激減しました。2020年の栽培農家数は昭和55年(1980年)の約18分の1に、面積は約42分の1になったとの報告もあり、国内自給率は0.4%程度にまで低下しており、ほぼ輸入に依存しているのが現状です。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/120301/26/120301-26-9d3e87d6f7eceddc78f20f11004dbe89-1256x695.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]出典:公益財団法人日本特産農産物協会『地域特産作物(工芸作物、薬用作物及び 和紙原料等)に関する資料 (平成30年産) 』
長期栽培期間と技術的困難
オタネニンジンは種まきから収穫まで4〜6年という長期にわたり、高度な栽培管理技術が必要とされるため、新規参入のハードルが非常に高いとされています。特に、種子の休眠打破技術や発芽率向上、良苗生産には高度な技術が要求されます。
漢方医療・生薬産業への影響
オタネニンジンは「人参湯」や「補中益気湯(ホチュウエッキトウ)」など多数の漢方処方に使用され、輸入価格の高騰などにより、国内製薬企業や漢方専門医療機関が安定的に良質な原料を確保できない状況に陥りつつあります。
国家安全保障の視点
中国を中心とした海外依存を続ける現状において、近年は輸出規制や国内需要増による原料不足が懸念されています。生薬原料の国産化は、「医薬資源の確保=国家的な安全保障」の問題として、多くの研究機関や行政が取り組みを加速させています。
共同研究の目的と意義
こうした国内外の動向を踏まえ、本共同研究ではアクアポニックス(Aquaponics)と呼ばれる、水産養殖と水耕栽培を融合した循環型農法を用いて、オタネニンジンの種子生産と良苗の効率的な発芽を実現する技術開発に挑みます。
効率的な採種技術の確立
オタネニンジンの発芽率の向上には高度なノウハウが必要とされています。アクアポニックスによる持続的かつ安定的な水質・環境管理により、種苗生産の歩留まりを高めます。
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/120301/26/120301-26-712402b13b86702e1436e7cc7843c092-1706x960.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]ハウス環境におけるアクアポニックス農法によるオタネニンジン育苗機材の前にて(左:千葉大学 渡辺 均教授 右:株式会社IGNITION代表取締役 佐藤 吏)
長期栽培のリスク低減
室内(または適切なハウス環境)でのアクアポニックスを活用することで、天候や連作障害の影響を最小化できるだけでなく、水や養分の循環を最適化することで栽培リスクや作業負担の軽減を図ることが可能になります。
漢方医療への貢献と国内生薬資源の再興
国内における高品質なオタネニンジンの種子・苗の安定供給が実現すれば、高品質な薬用原料を安定的に確保できるようになり、わが国の漢方治療の発展と安定に大きく貢献することが期待されます。さらに、サプリメントや健康飲料といった健康食品分野でも国産原料の安定供給が可能となり、健康産業全体への寄与も見込まれます。
地域活性化と新産業創出
本研究成果をもとに、国内外の新規参入者が参画しやすい生産モデルが確立されれば、農業の担い手不足問題の解消や、高齢化が進行する地域における新たなビジネスモデル創出のきっかけにもなります。
研究概要
主な研究内容
千葉大学 環境健康フィールド科学センター(センター長・教授 渡辺 均)
- オタネニンジンの実験計画策定
- 栽培技術開発、データ解析を通じた実用化戦略の構築
- 安定的な苗供給に向けたバイオ技術や環境制御技術の検証

株式会社IGNITION(代表取締役 佐藤 吏)
- アクアポニックスの運用・管理システム開発
- アクアポニックスの設計・導入・試験栽培
- 研究成果の社会実装・事業化に向けた知見を提供

研究実施場所
千葉県木更津市井尻1007-1 ほか
利用設備
千葉大学:高度化セル成型苗生産利用システム
株式会社IGNITION:アクアファーム(アクアポニックスユニット)
期待される成果と今後の展望
高い発芽率と種苗生産の実現
伝統的に発芽や育苗が難しいとされるオタネニンジンの発芽率を大幅に向上させ、品質の高い国産オタネニンジン苗の供給と生産性向上につなげます。
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/120301/26/120301-26-bf8ea9bc092b5233c6f1867484f7f647-1706x960.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
地方創生と新規参入促進
アクアポニックスを含む先進技術が普及することで、高齢化や後継者不足に苦しむ地域農業へ新たな活路を提供し、新規農業従事者が参入しやすいモデルを構築します。
国際競争力の強化と輸出拡大
国産オタネニンジンの高品質栽培が確立すれば、国内需要だけでなく国際市場への輸出も視野に入るため、日本の農業や生薬分野全体の国際競争力向上に貢献します。
本件に関するお問い合わせ先
株式会社IGNITION(ちばSDGsパートナー登録企業 337番)
住所:千葉県袖ケ浦市袖ヶ浦駅前2-29-32
代表取締役社長:佐藤 吏
設立:2021年8月20日
事業内容:
・レスリングスクール「IGNITIONACADEMY」の運営
・アクアポニックス事業(循環型農法の販売・運営支援)
・サプリメント、スーパーフード(黒高麗人参)生産・販売
・障がい者就労支援(就労継続支援B型事業所「わくぽに」 )
URL:https://ignitionjapan.com
Mail:info@ignitionjapan.com

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