【絶対起業しないほうがいい人】がわかる、たった1つの質問

2024年5月26日(日)6時0分 ダイヤモンドオンライン

【絶対起業しないほうがいい人】がわかる、たった1つの質問

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「短時間で成果を出す人」がいる一方、「頑張っているのに成果が出ない人」もいる。この違いは何だろう? 経営の最前線で20年以上、成果を上げられる人・上げられない人の差を研究してきた人物がいる。東洋経済オンライン「市場が評価した経営者ランキング2019」第1位、フォーブス アジア「アジアの優良中小企業ベスト200」4度受賞の木下勝寿社長だ。注目の最新刊『チームX』は「世界的にみても極上レベルのビジネス書」(神田昌典氏)と評され、デビュー作『売上最小化、利益最大化の法則』は「20年に一冊の本」(人気会計士)と絶賛された。そして今、「やる気に頼らず楽しく続けられる」と話題になっているのが、ベストセラー『時間最短化、成果最大化の法則──1日1話インストールする“できる人”の思考アルゴリズム』だ。本稿では、「がっちりマンデー!!」(TBS)公式SNSで「ニトリ」似鳥会長や「食べチョク」秋元代表が「2022年に読んだオススメ本3選」にも選抜した本書を深堀りすべく、働く人のさまざまな「お悩み相談」を木下社長にぶつけてみた。今回は「いつかは起業したいと考えている人」が自分を振り返るための方法をご紹介する(構成/藤田悠)。

Photo: Adobe Stock

「商売人の息子」だけが知っていること

【今日のお悩み相談】40歳前後から自身のキャリアに行き詰まりを感じていて、ずっとモヤモヤしています。若手の頃は「いつか起業したいな」などとぼんやり考えていましたが、今では家族もいますし、住宅ローンもあるので、会社を辞める勇気がなくなりつつあります。そんななか、同じくらいの年代の同僚が最近退職し、なんと自分で会社を立ち上げました。やはり私も起業したほうがいいのか…迷っています。

 私は自分で会社を起業して上場した経験があるので、いろいろな人から「起業したいんですけど…」という相談を受けることがよくあります。

 そういう人に伝えているのは、まず「迷っているくらいだったら、やめたほうがいい」ということです。 まず単純に、起業はめちゃくちゃ大変です。「どうしても起業したい」という思いがないと続きません。

 そのうえでもう1つ、必ず聞いているのが「起業している人が身のまわりにいますか?」という質問です。 起業経験がある人を日常的に間近で見て、その大変さや難しさをわかっていない人は、起業しないほうがいいと思っているからです。

 私が新卒でリクルートに入った頃には、同期や同僚はほとんど「起業するつもりの人」でした。

 そういう人のバックグラウンドを聞いてみると、たいていは商売人の子どもです。 親が事業をやっている人が異常に多かったのを覚えています。

 彼らは、自分で会社を運営することの厳しさをわかったうえで会社を始めるので、ちょっとやそっとの壁にぶつかっても動じません。

「サラリーマンの息子」は起業家になれない?

 もちろん、「親が経営者でないなら、起業しないほうがいい」という話ではありません

 なにより、私自身はサラリーマン家庭で育ったので、身近に起業家がいる環境ではなかったのです。 しかし若い頃から「起業したい」という思いはずっと持っていました。

 ですから、学生時代から同じような夢を持った友人とつき合ってきましたし、「起業して当たり前」と考えている人たちが周りにいる環境に身を置くようにしました。 20歳くらいで会社をつくる知人もいて、彼が苦境に立たされたり、資金繰りで這いずり回ったりしている様子も見る機会がありました。

 その結果、20歳頃でも起業の難易度がよくわかっていたように思います。 商売人の家庭に育たなくても、こうやって環境を自ら変えていけば、不足を補うことは十分にできるのです。

「10年後の生存率6%」に隠された真実

 よく聞く話ですが、日本で生まれた会社が10年後にも存続している割合は「6%」だといわれています。逆にいうと、94%の会社は10年以内に確実に死ぬということです。 成功する率が6%ではなく「生き残っている率」が6%です。この6%の中にはなんとかギリギリ食えているだけの会社も含まれますので、「成功する率」なんてもっと低いでしょう。

 私自身、会社を立ち上げるときには「そうか、自分が生き残る確率は6%なんやな…」と思っていました。しかしながら振り返ってみると、これは明らかに誤解でした。

 起業というのは「100人が会社をつくって6人がたまたまうまくいく」という世界ではないのです。

 そうではなく「起業の大変さをわかったうえでそれでも起業して残る人が6人いて、起業の大変さをわからないまま起業してコケる人が94人いる」にすぎません。

 つまり、会社がうまくいくかどうかは、かなり手前の段階で決まってしまっている。 その証拠に、私と同じように起業家に囲まれた環境にいた友人たちは、ほぼ全員が6%として残っています。

 ちょっと厳しい話に感じられるかもしれませんが、これが私の偽らざる実感値です。「それでもチャレンジしてみたい!」という覚悟がある方はやってみればいいと思います。

(本記事は『時間最短化、成果最大化の法則──1日1話インストールする“できる人”の思考アルゴリズム』著者による特別寄稿です)

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