日産とルノーに割って入るFCA、ルノーが仕掛けた日産抱きつき作戦か? (3-3)

5月31日(金)21時5分 財経新聞

(c) 123rf

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 今回の統合で、ルノーとFCAは新会社に両社の既存株主が50%ずつ出資することを構想している。フランス政府がルノーに出資している15%の出資比率は、新会社で7.5%に低下する。同時に、日産の保有する15%のルノー株も新会社の7.5%の株式になるが、新本社がオランダに設置されることでフランスの会社法の適用から解放される。日産は新会社に対して7.5%分の議決権をたくまずして(図らずも)手にすることになる。

【前回は】日産とルノーに割って入るFCA、ルノーが仕掛けた日産抱きつき作戦か? (3-2)

 これが交渉の場に日産を引きずり出すためのまき餌だとしたら、役者の格の違いは歴然だ。ルノーにしても、日産との協議の中で譲歩することのリスクは避けたいだろうが、FCAをダシにしてしまえばステークホルダーの批判を封じ込むこともできるのだ。

 今後、FCAとの統合に精力を割かざるを得ないルノーやフランス政府は、日産に対するプレッシャーを一時的に弱める可能性があるが、FCAとルノーの統合に目途が付いた時点から、今まで以上の強力なプレッシャーをかけて来ることは間違いない。

 FCAとの問題が公表される前、日産の西川CEOはルノーと関係強化について質問されると「今はその時期ではない」と返答して、その後の質問を封じてきた。FCAとルノーとの統合計画が公表されてからは、「建設的な議論をしていく」、「前向きな議論は拒まない」、「反対ではないが、色々詰めたい」、「日産にとってどんな影響と利益があるか、日産の目で確かめる」との発言に変遷している。

 言質を取られないように、慎重に受け答えをしているのは当然であろう。ルノーとの関係を保有株式の部分だけで見ても、FCAと統合する前のルノーと、統合後の新会社とでは大きく違う。

 日産とルノーとの関係は、部品の共同調達や新車の開発などの一本化が進み、事実上は既に切り離せない関係だと伝える声もある。加えて電動化や自動運転の熾烈な開発競争が、既に単一自動車メーカーが対応するレベルを、規模も範囲も超えているという認識は業界共通のものだ。最近の日産がルノーをお荷物のように考えていたとしても、代替案がなければ三下り半を突き付けることすらできない。

 どんな統合を目指すのか、それ以外に生きる道があるのか、取り得る選択肢は限られ、自動運転や電動化を実現するために残された時間も僅かだ。FCAとルノーとの統合は、日産の今後に決定的な影響を及ぼす可能性を持っている。

財経新聞

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