北風政策ではなく「太陽政策」 経営者を守るコーポレートガバナンスの意義

6月4日(木)9時0分 ダイヤモンドオンライン

いけお・かずひと1953年、京都市生まれ。京大経済学部卒。京大経済学博士。岡山大助教授、京大助教授、慶大助教授などを経て、95年より慶大経済学部教授。2000年9月から03年3月まで日本債券信用銀行(01年にあおぞら銀行に改称)の取締役、03年4月から07年9月まで日本郵政公社理事を歴任。現在は、東京商品取引所の社外取締役を兼務している。

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「コーポレートガバナンスは経営者を過度の結果責任の追及から守ってくれるもの。経営者を縛る枷(かせ)ではありません」と訴える池尾和人・慶應義塾大学教授。「コーポレートガバナンス・コードの策定に関する有識者会議」の座長として、日本のコーポレートガバナンス・コードについての原案をとりまとめた池尾教授に、前回に引き続きその理念を聞いた。


立派な経営者はコーポレート

ガバナンスをきちんと考えている


——池尾教授は、これまでいくつかの企業の取締役なども務められていますが、そうした経験を踏まえて、日本企業のコーポレートガバナンスをどのように見ていますか。


池尾(以下略):私は経済学者ですが、学問としてコーポレートガバナンスを特に専門としているわけではありません。むしろ、企業の取締役や理事に招請され、ガバナンスの実践に関わってきました。コーポレートガバナンスとの関わりは、学者としてというよりも、実務経験を通じてという面が強いといえます。


 最初は、2000年に一時国営化されていた日本債券信用銀行(01年にあおぞら銀行に改称)が再民営化された際に、ソフトバンクの孫正義社長、オリックスの宮内義彦社長(当時、現シニア・チェアマン)らとともに取締役に就任しました。スポンサーの1つ、ソフトバンクが事業会社だったため、その機関銀行(特定の事業会社などの資金調達目的で預金を集める銀行)とならないようにモニタリングするため設けられた特別監査委員会の委員長を務めました。


 その後、日本郵政公社の生田正治総裁(2003〜07年)からの招きで、同公社の社外理事に就きました。


 そうした中で、日本を代表する経営者と接する機会に恵まれ、興味深く、その考えや行動を直接見聞きしてきましたが、その経験から言えば、立派な経営者はコーポレートガバナンスについてもきちんと考えている、と言えると思います。特に、日本郵政公社総裁時代の生田氏は、経営会議に対して、理事会を実質的なモニタリングボードと位置づけ、委員会設置会社に準じる形で運営するという、コーポレートガバナンス体制を実施していました。




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