アマゾンが新型ドローンを発表、宅配サービス開始へ

6月7日(金)12時0分 JBpress

米ラスベガスのイベントで披露されたインターネット通販大手アマゾン・ドットコムの最新型ドローン(2019年6月5日撮影)。(c)AFP PHOTO / Amazon / JORDAN STEAD〔AFPBB News〕

 米アマゾン・ドットコムは6月4日から米ラスベガスで、「Amazon re:MARS」と呼ぶ、機械学習(AI)、オートメーション、ロボット、宇宙探査に関するカンファレンスを開催している。この会場で同社は5日、ドローン(小型無人機)の新型機を披露した。

30分以内に商品を配達

 同社は2013年から「Prime Air」と呼ぶ、ドローンを使った配送システムを研究・開発しているが、今回披露したドローンはその最新型。約2.3キログラムまでの荷物を運び、最長24キロメートルの飛行が可能。顧客宅の庭に30分以内で商品を届けられるという。

  同社は、これを使った宅配サービスを数カ月以内に始める予定。先ごろ、米グーグルの関連会社が航空運送業者の認可をFAA(米連邦航空局)から受けたと伝えられたが、米ヤフーファイナンスや英BBCなどの海外メディアによると、アマゾンも同様の認可を5日に取得した。

 FAAは、「アマゾンのPrime Airは、自社開発のドローンを使った宅配業務を米国で開始する計画。認可の有効期間は1年だが、更新も可能」とコメントしている。

(参考・関連記事)「グーグル、ドローン配送の商業サービス開始へ」

飛行機のメカニズムも持つハイブリッド型

 アマゾンの新型ドローンは、垂直離陸した後、一定の高度に達すると、回転翼をほぼ垂直に傾けて、水平飛行に入る。安全のために回転翼を覆っているシュラウド(カバー)は水平飛行時に固定翼として機能する。つまり、飛行機と同様に、揚力を得るための翼と、推進力を得るためのプロペラを備える。こうしたメカニズムであるため、新型機は電力効率が高いと、アマゾンは説明している。

 このドローンはAI技術を使い、完全自動操縦で飛行する。ただ、アマゾンの資料を見ると、その全長は、大人の身長ほどあり、かなり大きい。こうした飛行物体に誤作動が起きて墜落すると、人や家屋などに大きな被害を及ぼしそうだ。

安全性を強調

 しかし、アマゾンは、万全の対策を講じていると説明している。安全確保のため、自社開発したコンピューター・ビジョン技術と機械学習アルゴリズムを用い、煙突などの静止物体や、パラグライダーなどの移動物体を検知し、回避する。

 また、宅配用ドローンの開発で困難なのは、低空飛行時の障害物回避だとも説明。ドローンは顧客宅の上空まで来ると、着陸態勢に入るが、このとき人や動物、その他の障害物がないかどうかを上空から確認するという。また、最も困難なのは、電線、電話線、物干しロープといったワイヤ状の障害物の検知と回避。こうした課題も、独自開発のコンピューター・ビジョン技術で克服したという。

持続可能性を強調

 なお、アマゾンのドローン配送事業は、環境対策への取り組みの一環でもあるという。同社は、物流事業で「ゼロカーボン」(二酸化炭素の排出量を実質ゼロにする)を目指すプロジェクト「シップメント・ゼロ(Shipment Zero)」を立ち上げており、2030年までに、その50%を達成するという目標を掲げている。

(参考・関連記事)「アマゾンが米国で始めた『曜日指定配達』とは?」

 アマゾンのワールドワイドコンシューマー事業のジェフ・ウィルキー最高経営責任者(CEO)によると、同社のドローンは100%電気で動き、再生可能エネルギーを使うという。「ドローンによる配達は、自動車よりもエネルギー効率が良い。我々は今すぐ欲しい商品があるとき、車を走らせて店に行く。Prime Airであれば、自宅で注文して、待つだけ。燃料を大幅に節約でき、温室効果ガスの排出も減らせる」(同氏)としている。

筆者:小久保 重信

JBpress

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