「みんな一緒」を強要する日本の職場は海外企業に勝てない

6月8日(水)9時0分 ダイヤモンドオンライン

大学や出身地、世代、業種、趣味など、バックグラウンドが「同じ」であることを好む日本人は、「私とあなたの価値観が違う」ことを前提に話し合うことが大の苦手だ

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幅広い人種・国籍の人が集まると

シンプルかつロジカルな対話が必要に


 本連載「黒い心理学」では、ビジネスパーソンを蝕む「心のダークサイド」がいかにブラックな職場をつくり上げていくか、心理学の研究をベースに解説している。


 筆者が勤めているのはオーストラリアの大学のマレーシアキャンパスにある、ビジネススクールである。授業はすべてオーストラリアの本校と同じ内容で、当然英語で行われる。3年近く前に筆者が赴任した当初は、日本人学生はひとりもいなかったが、現在ではちらほら見かけるようになった。かつては欧米にしか関心が向いていなかった日本も、近年のアジア諸国の経済的台頭を受けて変わってきたことを実感している。


 マレーシアにあるオーストラリアの大学、ということを反映して、教授陣も学生も実に国際色豊かである。マレーシア中で、主にマレー系、中華系、インド系の3種類の人種が混在しているうえ、本学ではオーストラリアからの交換留学生、インドネシア、タイ、バングラデシュや中東諸国からの留学生、そして最近増えてきた日本や韓国からの留学生も加わって、かなり幅広い人種構成だ。


 ここにきて3年近く経つが、実感したのは、このような場では嫌でも「異文化コミュニケーション力」がつくことだ。


 人種、宗教、国籍などダイバーシティの高い本学のキャンパスでは、一人一人の文化的背景、宗教的背景が違うため、必然的にコミュニケーションはシンプルかつ直接的、そしてロジカルなものでなくてはならなくなる。


 もちろん筆者ら教員も皆、世界各国から来ているため、同様だ。自分の考えを表現するためには、英語のわかりやすさはもちろん、相手がどのような考えなのかを事前のコミュニケーションで把握する必要がある。他の教員の国籍、専攻、年齢などの個人的な情報はもちろん、かつての学生からの評価、付き合いの長い同僚による評価など、あらゆる情報が役に立つ。相手の人種的、文化的な背景を知っておくことにより、コミュニケーションは格段に取りやすくなるのだ。


 皆のバックグラウンドが違えば、当然のことながら価値観も異なる。したがって、問題の解決や何らかについて合意を得ようとするときは、価値観の違いを乗り越えるためのコミュニケーションが必要となる。


 筆者の経験では、価値観の違いを乗り越えてコミュニケーションをとるための最も大切な要素は「わかりやすさ」と「公平さ」だと感じている。事実、学内会議でさまざまな問題を話し合うが、論点のほとんどは「どうすればフェアな意思決定ができるか」である。フェアであるために、必要な情報をできるだけ集めて共有し、意見を集約するのである。


 このように否が応でもコミュニケーション力は磨かれるが、それは日本の就職活動等の際に求められる「コミュニケーション力」とは少し違うのではないかと筆者は見ている。




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