消費増税延期から見えてきた「4つの瀬戸際」

6月8日(水)9時0分 ダイヤモンドオンライン

消費増税延期から見えてきた「日本の瀬戸際」を、4つのポイントにまとめてみた

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踏みにじられた公約の行方

消費増税延期で見えてきたこと


 今回の安倍政権による消費増税延期から見えてきたことを、4点にまとめてみた。


 第一は、消費増税がまたも「政争の具」となったということだ。


 国民全員に負担増を求める消費税は、これまで多くの政権の基盤を揺るがせてきた。しかし、それでは我が国の社会保障の充実は図れないし、財政再建も進まない。そこで、民主党政権時の2012年、税・社会保障一体改革として「三党合意」が行われ、消費税率の8%、10%への段階的引き上げが合意された。


 安倍政権は、14年4月からの8%引き上げは行ったものの、10%への引き上げは17年4月に先送りし、今回それをさらに19年10月に延期した。ところが今回、10%への引き上げの延期を先に決断したのは民進党である。自民党より先に消費増税の先送り法案を出したわけで、自ら「三党合意」を踏みにじったということである。


 このことは「今後も消費増税は政争になる」ということを暗示している。結局選挙の前は引き上げない、引き上げられないということになり、平均1年半おきに選挙が行なわれる我が国において、消費税率10%への道は見えなくなった。


 第二は、そのこととも関連するが、民進党の戦略は全くの失敗だということだ。


「消費増税と社会保障充実をセット」で訴え、自民党と対立軸をつくるという政策がなぜ取れなかったのだろうか。そもそも消費増税は、直前の世論調査を見ても、国民の30%程度は「やむを得ない」として賛成していた(60%は反対であった)。この数字は民進党の支持率である10%強よりはるかに多い数値である。


 この層をうまく取り込み、参議院選挙の対立軸をつくることこそ、民進党の活路を開く道ではなかったのか。故高坂正堯先生のアナロジーではないが、世の中には、「冷淡軽税国家」と「親切重税国家」の2つしかないはずだから。


 民進党は消費増税を先送りしたことから、「赤字国債で社会保障充実を」と言っているが、それこそ最悪の選択である。自民党の「恒久財源を確保しながら社会保障充実を」と言う方が、本当に恒久財源の確保ができるかどうかは別にして、はるかにまともな政策だ。新たに選挙権を付与される18歳、19歳の若者に対して、将来世代への負担先送りを避けることの必要性・重要性を訴えるチャンスも逃してしまった。


 第三は、これで「2020年プライマリーバランス黒字化」という我が国の財政再建目標(いまだ世界公約)は、99.9%達成が不可能になったということである。


そもそも17年4月に消費税を10%に引き上げ、アベノミクスがうまくいったとしても(実質2%、名目3%)、2020年のプライマリー黒字化にはいまだ6.5兆円が不足する。そこで20年には10%を超えるもう一段の消費税率の引き上げが必要とされていたわけだが、19年10月に10%引き上げではその可能性は全くなくなり、公約が達成できないことが今回明らかになった。




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