トヨタ・デンソー式「下請け」? ボッシュ式「サプライヤー」? どちらが優位? (下)

6月8日(土)8時44分 財経新聞

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■「仕立服」を「既製服」の値段で生産するのが、トヨタ「TNGA」
 言い換えると、「既製服」と言われる多数のサイズを取りそろえたスーツと、値段は高くなるが「仕立服」と言われるオーダーメイドで仕立てたスーツの違いだろうか?その「仕立服」を「既製服」のように格安で造るのが「トヨタのかんばん方式」と言えるのかもしれない。

【前回は】トヨタ・デンソー式「下請け」? ボッシュ式「サプライヤー」? どちらが優位? (上)

 しかしそれでも開発に時間がかかることもあり、トヨタ1社だけでは生産数に限りがある。そこで世界のメーカーに売り込んで、開発資金を早期に回収するのが、トヨタが下請け各社に出している指令の目的なのだ。

 変化の激しい時代に差し掛かり、技術開発にどれほどの資金を投入出来るのかが、企業の生き残りを左右する。そこで多分野の企業との協業が、激しく行われているのだ。そこに先行して「投資」しているのがソフトバンクの孫正義氏で、天才的投資家と見られている。

 自動車メーカーのラインに「ジャストインタイム」で投入するのは、独立系「サプライヤー」では難しい場合も多い。その点「下請け」であると、そのライン専用の作り方、納品の仕方にまで工夫され、統制されている。つまり「オーダーメイド」と同じであり、しかも「既製服」のように安いのだ。

 これからの「混流生産」に対応出来なければ、どちらにしても部品としての商品価値はないも同然だ。この在庫を生まない生産方式を突き詰めていくと、資材確保の方法まで行きつくこととなる。マーケットリサーチから資材確保、現在ではリサイクルまでが、自動車の生産システムとしては確立されなければならない。これからは、バッテリー生産、リサイクルシステム、モーターの設計などが環境保全に重要になってくる。

■世界の政治・経済とのつながり
 例えば、中国に原産地が限られるレアアース(資源)などの問題で、モーターの開発方向まで変わってしまう。そこでレアアースが眠っている「北朝鮮の開放」を真に望んでいるのは、アメリカの産業界なのだ。アメリカは核問題解決の暁には、北朝鮮のレアアースの開発利権を握るだろう。これが本当の目的と言っても良い事実だ。

 このように、世界の政治・経済問題は、現場の「生産方式」に深くかかわっていることを学ぶべきであろう。人間の「衣・食・住」については、コンピュータのソフト開発だけで完結出来ないのだ。制御プログラムだけではなく、製造されて初めて人間の生活に資することが出来ることを忘れてはならない。

財経新聞

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