拡張・仮想現実市場、今年は3兆円規模に

6月12日(火)6時0分 JBpress

東京で開催された「先端コンテンツ テクノロジー展」で紹介されるVR・AR技術(2017年6月29日撮影)。(c)AFP/KAZUHIRO NOGI〔AFPBB News〕

 ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)傘下の高級スポーツ車メーカー、ポルシェが先ごろ、自動車整備用のメガネ型AR(Augmented Reality、拡張現実)機器を開発したと報じられたが、こうしたARとVR(Virtual Reality、仮想現実)の機器やサービスの市場は、今後急成長していくと見られている。


昨年のほぼ2倍に拡大する見通し

 米国の市場調査会社IDCによると、ARとVRの製品やサービスに対する全世界の支出額は、今年(2018年)270億ドル(約2兆9700億円)となり、昨年から92%増える見通しだ。

 こうして市場は今後も高い伸び率で推移していくという。その2017年から2022年までの年平均成長率は、71.6%になると、IDCは予測している。

 ARは、目の前の現実の環境にデジタル情報を重ね合わせて表示する技術。例えば、メガネ型や透過型ヘッドマウントディスプレーなどの情報機器を使い、現実の風景にさまざまな情報を表示すれば、工場などの作業現場で業務の効率化が大幅に向上するとして、今後の可能性が期待されている。

 一方、VRは、目の前にある実際の場面から離れ、完全にデジタル世界に没入するという技術。これを実現する市販製品としては、米フェイスブック傘下のオキュラスVRや、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)などが販売するヘッドマウントディスプレーがある。


小売り、製造、運送の合計支出額は560億ドル

 IDCによると、この市場で最も支出額が多い分野は、消費者向け市場。その2022年における、その推計支出額は530億ドル。この分野では、VRゲームの市場規模が依然大きい。

 そして、消費者向けに続くのが、小売り、ディスクリート型製造業(自動車、機械、電子機器などの製造)、運送業。これらの分野における2022年の合計支出額は560億ドルになると、IDCは見ている。このほか、成長が見込まれる分野には、小売業(商品展示)、研究機関、映画・テレビ、公共インフラ(保守・点検)、教育現場(学習用映像コンテンツ)などもあるという。

 また、支出額を製品やサービス別に見ると、AR/VRの中心的な役割を担うホストデバイスは今年、100億ドルに達する見通し。これに次ぐのが、VR用ソフトウエアで、金額は57億ドルだという。


高まるAR/VRへの関心

 IDCのAR/VR部門リサーチ部門バイスプレジデントのトム・マイネリ氏によると、この市場では、新しいハードウエアの登場や、ソフトウエアの改良、利用事例の拡大といった動きに伴い、企業の関心がますます高まっている。「すでに数多くの企業が、AR/VRに関する試験を行っており、今後これら技術に対する需要は、高まるばかり」と同氏は指摘する。

 IDCが予測する、AR/VRへの支出額が最も多い国、地域は中国で、その今年の金額は102億ドルに達すると見ている。一方、2022年までの期間、市場成長率が最も高い国は米国で、年平均成長率は、99.1%になるとしている。

筆者:小久保 重信

JBpress

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