「オレについてこい!」型のリーダーは終わる【田坂広志×藤沢久美 特別対談】

6月13日(月)11時0分 ダイヤモンドオンライン


藤沢久美氏の『最高のリーダーは何もしない』が、発売2ヵ月で5万部を突破する売れ行きを見せ、悩めるリーダーのための新定番書となりつつある。


先日開催された出版記念セミナーでは、特別ゲストとして田坂広志氏(多摩大学大学院教授)も駆けつけ、セミナーは大盛況のうちに幕を閉じた。イベントレポート第2回以降は、田坂広志氏との対談の模様をお伝えしていく。

(構成/高橋晴美)


リーダーに必要な「聴く心得」


【藤沢久美(以下、藤沢)】ここからは田坂さんと対談を進めてまいりたいと思います。


本題に入る前に少しだけ脱線すると、私がこれまでたくさんの社長さんにインタビューをしてこられたのは、「聴く心得」を教えてくださった田坂さんのおかげです。田坂さんとは、過去、ラジオ日経の「カフェ・ソフィア」という番組でご一緒させていただいていました。当時、田坂さんはとても厳しかったのです…(笑)。


【田坂広志(以下、田坂)】ほんとにね……私はわりと厳しいリーダーだと思われているようですが、実際、そうなのです(笑)。


ただ、藤沢さんはもともとすごく才能のある方で、私が指導したなどと言うつもりはありません。普通の人は、誰かと対話しているとき、相手が話している間はどうしても油断するというか、聞き流していたり、次のことを考えていたりするものですが、じつは、対話においては、「相手の話を聞き届ける」ということがとても重要なのです。


みなさんも、相手が聞いていないと感じたり、自分が聞いていなかったりしたという経験はあるのではないでしょうか。私の『仕事の技法』(講談社現代新書)という本は、そのことをテーマにした本です。


あるとき、キャスターの久米宏さんが、あるアナウンサーからインタビューを受けたのですが、その途中でインタビュアーを叱ったそうです。「君ね、人に質問をし、こちらが答えている最中に、次の質問を考えるのをやめなさい」と。これは、とても大切なアドバイスをされたと思いますね。


相手が聞くことに集中していないとき、それは、話し手にはすぐにわかってしまいます。なぜなら、コミュニケーションというものの8割は、実は、ノンバーバル、つまり言葉以外で伝わるものと言われているからです。


例えば、いま、こうしてみなさんにお話ししていますが、同じことを語っても、うつむき加減でお話しするときと、ふんぞり返って話すときとでは、まったく違ったメッセージが伝わるでしょう。


このように、コミュニケーションにおいては、言葉以外で伝わる部分が極めて大きい。その非言語的なメッセージをどう受け止めるか、どう発するか、その具体的な技法を語ったのが、先ほどの『仕事の技法』ですが、この技法を身につけるだけで、我々は、「深層対話」と呼ぶべき深いコミュニケーションができるようになるのですね。藤沢さんはその意味で、「深層対話」ができる人だし、相手の話を「聞き届ける」ことができる人だと思います。


【藤沢】ありがとうございます。


【田坂】従って、リーダーにとって重要なのは、自分がノンバーバルなコミュニケーションで相手に伝えてしまっているメッセージに気がつくことですね。


藤沢さんとのラジオ番組は、私が一方的に話しているようですが、じつは、藤沢さんが聞き届けてくれているから、あの深い雰囲気の番組が生まれてきたのですね。あの番組は、『風の対話』というCDとして発売されていますが、これを良い作品だと感じていただけるならば、その半分は聞き手の力、つまり藤沢さんの力なのです。


【藤沢】田坂さんと、ソフィアバンクの立ち上げをご一緒させていただいたのは、私が33歳のときです。


29歳で投資信託の評価会社を起業して以来、私は起業家、経営者、リーダーという3つの立場で仕事をしてきました。別に王女様になったつもりも、メンバーを従えてきたつもりもないのですが、プライドが邪魔をしていたのか、田坂さんからいろいろなことを注意されると、当時は悔しかったり、厳しすぎると感じたりしたこともありました。


いま思うと、私が自身の未熟さを隠すために、ものすごく硬い殻をかぶって自分を守ろうとしていたのかもしれません。あの頃、注意していただいたことにはすべて意味があったとわかりますし、感謝しています。


……と言いながら、今でも厳しいと感じることはありますが(笑)。『最高のリーダーは何もしない』を書き終えたとき、この本の切り口は、田坂さんから教えていただいたことの蓄積なのだと改めて思いました。




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