相乗効果の渦を作る 副業に不可欠な「信頼貯金」

6月14日(木)17時0分 Forbes JAPAN

私はいま週3日は会社に勤務、週4日はダンスという二足のわらじを履いた生活を送っている。週3日勤務を初めて1年が経った頃から、ちょっと面白い感覚を得た。仕事の1つはオフィスワーク、もう1つは身体表現のダンスと全く異質な2つ。しかし私の中で、その2つの仕事がどんどん距離を縮めはじめ、ゆったりと渦をまくように1つになっていった。仕事の学びをダンスに活かし、ダンスの学びを仕事に活かす。仕事・ダンスをどちらも本気でやることで、だんだんと相乗効果が生まれだしたのだ。

相乗効果の渦をつくるためには

では、相乗効果を出すためにはどうしたらいいのか。フルタイムで働きながら空き時間や休日に副業を行う同期の話を聞くと、違うコミュニティに属することで新たな気付きを得たり、スキルの幅が多少広がり本職に活かすことができたりと一定の効果を得ることができるようだ。

もし、副業で相乗効果の渦を生み出したいと思うのならば、違う仕事や職種(一見接点がないような異なる方が相乗効果が高い)を選択するのもいいかもしれない。ただ、どんな職業を選択しても、 本業・副業どちらも本気で取り組むこと、つまりシンプルに”両方で成果を出す”ことが大切である。

私にとっての成果とは、普段から密に関わっていない人でも一目でわかる「わかりやすい成果』のこと。いま私が所属している会社は幸い働き方に理解がある会社だが、それでも週5日通常勤務がスタンダードな環境で、「週3日でも良い」と自分の存在意義を周りの仲間に理解してもらうために、敢えてフルタイム時の目標値と変えずに週3日勤務をチャレンジした。(週3日でどうやって成果を出しているかについては前回の記事をご覧ください)

それと同時に、ダンスでも同じく成果を残す必要があった。ダンスは仕事と違って、成果が見えないと周りからただの趣味と見なされがちである。実際に「”趣味”のダンスはどう〜?」と最初のころは言われ、当人たちの悪意のない一言が私を奮わせた。ダンスを趣味と言わせてしまったのが、ダンスだけで生きている仲間たちに申し訳なくて、自分の本気を他者へ伝えるためには、この業界を知らなくてもわかる「わかりやすい成果」が必要だと強く思った。

そのため私は、最初の1年間はソロ活動を始め、数少ないコンテンポラリーダンスのコンテストなどに出場できる範囲で参加した。私個人の正解を示すことが、何よりも早いとおもったからだ。結果、失敗や反省も多々あったけれど、実際に賞を手にしたこともあった。中でも特に注力したのは、私が大学2年時に同大学の先輩が立ち上げた「TABATHA(タバサ)」という女性4人のチーム活動。私は2011年から初期メンバーとして加わっている。

ちなみに就職を選択したのはメンバー内で唯一私だけだが、私がチームに所属し続けることができるのは主宰の考えがあってこそ。「ダンス以外にも熱中しているものがある人とクリエーションしたい。ダンス以外があることでダンスにも力がグッと加わるし、何より責任感が生じると思う」という考えだからこそ、続けることができている。

週3日勤務が始まった2015年からTABATHAで本格的に活動を始められた後、作品たちがありがたいことに徐々に評価されていき、去年は地方や海外の公演にも呼ばれたり、PVにも出ていたり、ダンスのことを知らない人でもわかりやすい成果を示すことができ始めている。

成果を出すために必要な「信頼貯蓄」

今振り返ると、「信頼貯蓄」をすることが成果を出しやすい環境づくりの全てだと私は思う。元々の信頼関係があるから、仕事やダンスでなにかあっても双方共に多少の融通はお願いしやすい。実際に振り返ると、多くの相乗効果が出ていた。

1. オンリーワンの肩書ができる

 ”踊る広報”というダンス×仕事のキャッチフレーズをつけたことで、両方が私のアイデンティティになった。ビースタイルの踊る広報として2015年ころから多くのメディアに取り上げていただく機会に恵まれた。広報担当としてメディアのみなさんに注目していただきやすくなる一方で、ダンスについても知っていただく機会が増えた。

2. 人脈・コミュニティが繋がりやすくなる

 これまで、仕事の人脈がダンスに活きたりすることはほとんどなかった(その逆もしかり)。しかし、相反する性質の両立を実現しようとする熱意が人へ伝わったり、仕事とダンスの全く異なるコミュニティが増えたことで、語れる話題が増え、講演をする機会に繋がったり、普段ダンスとは一切関係のないような方々がダンス公演に足を運んでくれたり…これまでだったら、深く交わることのない人脈が、コミュニティが2つ以上あることで仕事がダンスかどちらかに活きてくる人脈になった。

3. 仕事の生産性が上がる

制約のある子育てママたちの生産性は高い。弊社にも時短社員や子育て社員はいるが、限られた時間で効率よく集中して仕事をしている。無限のように感じた時間に、週3日という制限がつくようになってからは「どうしたら効率よく成果に結びつけるか」を考えるようになった。その結果、自社サービスへ共感してくれるメディアの方に効率よく会うための広報イベントを企画実施したり、少しでも多くの方を巻き込もうと、いろいろな方へ沢山頼ったりなど仕事の仕方が変わった。こういった企画仕事はダンス公演やイベントを打つ時にもすごく活きている。

4. 双方への所属意識が高まる

成果を出すには、周りの協力が必須。たくさんの協力をしていただいていると、ふとした時にも周りから「支えられているなぁ」という実感が湧きやすくなる。実感が湧くとより仲間に貢献したい成果を出したいと自然と思うようになり、結果的に「じゃあどう貢献できるか」と考えるきっかけになり、双方への所属意識が高まるというわけだ。

5. 心が健康になる

単純に好きなことがやれているという満足感を得られると、日頃の幸福度が高くなる。渡しの場合は、もう一つの仕事がダンスという体を動かすものなので、仕事が切羽詰まったり、集中して体が緊張からこわばったりしても、稽古をするために無理やりにでも一旦頭から仕事が離れる。似たタイプの仕事ではない分、半ば無理やり頭の切り替えにもなり、身体もリフレッシュした状態で改めていい状態で仕事に向かえるので心身ともに健康になった。

働き方改革は動き始めたばかり。まだまだ、周りの人の考え方によっては働き方を選択できない面もたくさんあるだろう。一方で少子化による人手不足で採用難が続く現代では、働く側の意見も以前より通りやすくなっているはずだ。

大切なのは仕事もダンスも、信頼貯蓄があった上で働けているからこそ、無理なく本気でどちらも取り組めて相乗効果が出やすいこと。最初のフルコミット期間をどう過ごし、そこでいかに貢献したのか。この信頼貯蓄期間が私にいまの選択肢を与えてくれたんだと思う。

Forbes JAPAN

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