2030年に最も必要となる10の学習戦略スキルとは

2024年6月15日(土)6時0分 ダイヤモンドオンライン

2030年に最も必要となる10の学習戦略スキルとは

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2022年11月、内閣主導で「スタートアップ育成5か年計画」が発表された。2027年をめどにスタートアップに対する投資額を10兆円に増やし、将来的にはスタートアップの数を現在の10倍にしようという野心的な計画だ。新たな産業をスタートアップが作っていくことへの期待が感じられる。このようにスタートアップへの注目が高まる中、『起業の科学』『起業大全』の著者・田所雅之氏の最新刊『「起業参謀」の戦略書ーースタートアップを成功に導く「5つの眼」と23のフレームワーク』が発売に。優れたスタートアップには、優れた起業家に加えて、それを脇で支える参謀人材(起業参謀)の存在が光っている。本連載では、スタートアップ成長のキーマンと言える起業参謀に必要な「マインド・思考・スキル・フレームワーク」について解説していく。

Photo: Adobe Stock

これからの時代に身につけたい戦略的学習力とは

 次に「戦略的学習力」について説明しよう。戦略的学習力とは何か新しいものを学ぶ時に、最適な学習方法を選択し、効率よく学んだり、教えたりする力だ。オックスフォード大学のマイケル・オズボーン教授によると、2030年に最も必要な能力は、以下の学習戦略スキルだという。

 1位: Learning Strategies (学習戦略【スキル】) 2位: Psychology (心理学【知識】) 3位:Instructing (指導力【スキル】) 4位:Social Perceptiveness (社会的洞察力【スキル】) 5位:Sociology and Anthropology (社会学と人類学【知識】) 6位:Education and Training (教育訓練【知識】) 7位: Coordination (調整力【スキル】) 8位:Originality (独創性【能力】) 9位:Fluency of Idea (思考の流暢さ【能力】) 10位:Active Learning (能動的学習【スキル】)

https://www.oxfordmartin.ox.ac.uk/publications/the-future-of-skills-employment-in-2030/

 AIは現在凄まじいスピードで進化している。その状況の中で我々人間は、AIは何が得意で、一方で何が苦手かを見極める必要がある。その上で、自らが学習し練達していく領域や範囲を、戦略的に設定する必要がある(下図)。

 どのように戦略的に学習していくか、プロセスを書き出してみたので下図を参照してほしい。

戦略的な学習プロセスとは

目的の壁 まず、学習する目的を明確にする必要がある。その際に、AIが得意で人がどんどん置き換えられるものは避けるのが好ましい。また、自分の意志や嗜好を見つめ直し、どういったコンテンツならば、学習継続できるかを見極める。

戦略の壁 自分が得意で、自分の嗜好に合っており、AIに置き換えにくく、他の人に対して価値提供できるような分野を見極める。また、分野を掛け合わせていくのも有効だ。

「『100万人に1人の存在』は経験とスキルの組み合わせによって成立するからです。100人に1人の“異なる”スキルを3つ持っていれば、100万人に1人の存在になることは可能です」  —藤原和博 出典:『100万人に1人の存在になる方法』藤原和博著、ダイヤモンド社より

知識の壁 戦略が決まったら、基本となる知識をまず身につける。いきなり専門的な本や論文に飛びつくのではなく、基礎を固めるのだ。知識というのは既知と未知を掛け合わせることによって増えていく。いきなり高度な分野に飛び込むのは得策ではない(未知から未知を学ぼうとする行為)。

行動の壁 インプットを繰り返すだけでは、自分の言葉や知見に昇華することができない。インプットに合わせて、アウトプットをすることがポイントになる。

気づきの壁 アウトプットを繰り返していくと、自分のわからないところに気がついていく(「無知の知」になる)。そうなると、次にインプットする箇所や知見が特定できるようになり、知見獲得の生産性が向上する。

技術の壁 知識がある程度身についたら、次は実践で試してみる。どんなに自転車の知識が身についたとしても自転車に乗ることはできない。実際に、現場で身をもって試してみることで技術を獲得できる。

習慣の壁 現場でアウトプットを繰り返していくと、習慣になり、無意識でも成果を上げられるようになってくる。自分にその知見が染み付くために、繰り返してアウトプットすることが大事だ。

練達の壁「1万時間の法則」というのがある。物事を極めたエキスパートは練習や努力に約1万時間を費やしていたという事例から導き出されたといわれている。練達したプロとして、認められるには、ぜひ1万時間を目指してほしい。

(※本稿は『「起業参謀」の戦略書ーースタートアップを成功に導く「5つの眼」と23のフレームワーク』の一部を抜粋・編集したものです)

田所雅之(たどころ・まさゆき)
株式会社ユニコーンファーム代表取締役CEO
1978年生まれ。大学を卒業後、外資系のコンサルティングファームに入社し、経営戦略コンサルティングなどに従事。独立後は、日本で企業向け研修会社と経営コンサルティング会社、エドテック(教育技術)のスタートアップなど3社、米国でECプラットフォームのスタートアップを起業し、シリコンバレーで活動。帰国後、米国シリコンバレーのベンチャーキャピタルのベンチャーパートナーを務めた。また、欧州最大級のスタートアップイベントのアジア版、Pioneers Asiaなどで、スライド資料やプレゼンなどを基に世界各地のスタートアップの評価を行う。これまで日本とシリコンバレーのスタートアップ数十社の戦略アドバイザーやボードメンバーを務めてきた。2017年スタートアップ支援会社ユニコーンファームを設立、代表取締役CEOに就任。2017年、それまでの経験を生かして作成したスライド集『Startup Science2017』は全世界で約5万回シェアという大きな反響を呼んだ。2022年よりブルー・マーリン・パートナーズの社外取締役を務める。
主な著書に『起業の科学』『入門 起業の科学』(以上、日経BP)、『起業大全』(ダイヤモンド社)、『御社の新規事業はなぜ失敗するのか?』(光文社新書)、『超入門 ストーリーでわかる「起業の科学」』(朝日新聞出版)などがある。

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