社員のメール中毒が示す、危険な現代の企業生活

6月15日(金)7時0分 Forbes JAPAN

ストレスは、現代の職場における大きな問題のひとつだ。では、ストレスを引き起こす主な要因の一つは何だろうか? どうやらそれは、一見ささいなものにみえる電子メールのようだ。いや、より正確に言えば、私たちが毎日受け取る数十通、あるいは数百通の"ささいな"メールだ。

調査会社ラディカティ・グループの報告書によると、2017年には1日当たり約2690億通の電子メールが送信された。世界中の電子メールユーザー1人につき1日72通を受け取っている計算で、これは膨大な量のメールだ。

私たちが処理しなければいけないメールの量を考えると、日中ずっと受信ボックスに張り付いた状態であるのも驚くべきことではない。それよりも憂慮すべきは、私たちの多くが、夜間にメール対応をしなければならないというプレッシャーすら感じていることだ。

英国の同業者団体ブリティッシュ・サマー・フルーツによる最近の調査によれば、英国人の44%が、午後11時〜午前6時の間に同僚やクライアントにメールを送ることがしばしばあると回答した。さらに、10人に1人が、メールにすぐ返信しなければ職を失うかもしれないと感じていた。

こうした不安は、プレッシャーの多い現代の企業文化により助長されているようだ。回答者の16%が、同僚や上司からのプレッシャーにより深夜対応することがたびたびあると回答している。

さらに重要なことに、平均的な英国人はさらに週末の3時間を費やしてメールチェックや平日に処理しきれなかった問題への対応をしているという。さらに、45%の人は勤務時間外に上司からの電話を頻繁に受けた経験があり、28%は家族との休日を邪魔されたことがあった。残念ながら、従業員のプライベートな時間を妨害することは、企業の標準となってしまっているようだ。

上記の調査結果からは、従業員が直面しているテクノロジーにの猛威にリーダーやマネジャーが十分対処できているのか否か、という問題をめぐる深刻な疑念が浮かび上がる。また、企業が従業員のメール中毒や過労傾向を示す行動をチェックするための対策を講じない限り、メンタルヘルス上の危機へと盲目的に突き進んでしまう恐れを示す調査結果でもある。

人材紹介会社ロバート・ハーフ英国支社のディレクター、マット・ウェストンは、"常時オン"状態に慣れてしまっている従業員を放置するのは、リーダーにとって危険な状況だと指摘。特に、部下の睡眠パターン阻害につながる場合は、最終的に生産性に影響を与える問題だという。

「ビジネスリーダーは、職場の幸福と成功が、生産性と同時に従業員の定着率にも直接影響を及ぼす、ということを理解する必要がある」とウェストンは語る。「英国の従業員の3分の2近く(63%)が仕事にストレスを感じ、10分の1近くが自分の仕事はとてもストレスの多いものだと思っている。雇用者側は、従業員の心身の健康をビジネスの課題とすべきだ。従業員は勤務時間外にメールをチェックすべきという期待を捨てることも、ひとつの方法だ」

またウェストンによると、プレッシャー軽減に向けたその他の方法としては、金曜日の早期退社許可や、残業時間の制限などがある。「雇用者は健康と幸福を促進することで、生産性の向上とビジネスの成功という恩恵を得られる」と彼は締めくくった。

Forbes JAPAN

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