60歳以降の収入が10倍以上になる働き方

6月15日(金)9時15分 プレジデント社

写真=iStock.com/Bet_Noire

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これからの人生100年時代、「60歳で定年退職、65歳まで継続雇用、以降は無職」では豊かな老後は迎えられない。投資ファンドで中小企業の再生を手がけてきた三戸政和氏は、「70歳を過ぎても十分な収入を得るためには、能力や経験を生かして、中小企業を買収し、経営者になるべきだ」という。サラリーマンが中小企業を買収することで得られる「2つの収入」とは——。(第5回)

※本稿は、三戸政和『サラリーマンは300万円で会社を買いなさい』(講談社)の一部を再編集したものです。


■当たり前を当たり前に実行する


万年赤字の会社が2年で黒字になり、V字回復したというニュースを耳にすることがあると思います。そんなニュースに接すると、いったいどれだけ高度な経営手法を導入したのかと思うことでしょう。




写真=iStock.com/Bet_Noire

しかし、実際の企業再生においては、外科手術的な対応として、銀行からの借入金を免除してもらうといった一部特殊なものもありますが、内科的な対応(事業面においての改革)は、ほとんどの場合、先に挙げたような当たり前のことの中から、とくにできていなかったもの、赤字の主な要因になっていたものを見つけて、まともなマネジメントモデルをいくつか導入するだけです。


現実はそんなものです。それだけ、高い能力がない人には当たり前のことを当たり前に実行することは難しいのです。


経営資源が揃っていて、市場と売り物が悪くないのに赤字に陥っている企業を少し黒字にすることは、そんなに難しいことではありません。私たち、投資ファンドはそのような先を見つけ投資をするのですが、当然、投資ファンドは慈善団体ではありません。少し手を入れれば、そんなに難しくなく経営を立て直せることがわかっているからこそ、出資するのです。


「業務改善をしようとしても、社員の意識改革が難しいのではないか」と不安に思う方もいるかもしれません。しかし、現場の社員たちは、意外と自分の業務を改善することに前向きだったり、そのためのアイデアを持っていたりします。トップが変化を求めないから、これまで顕在化しなかっただけだったりするのです。


ここに、私たち投資ファンドや、外からやってきた新社長(あなたです)などの「外部の風」が入る意味があるのです。



会社を買収した後は、現場社員の話に耳を傾けて、よりよい改善に向けてのディスカッションをします。すると、自ずと組織は業務改善の方向に進んでいきます。実際、私たち投資ファンドが入ると、社員のみなさんも、経営が変わった=自分の意見を聞いてもらえるかもしれない、と感じることから、会議中であったり、直接のメールであったり、お茶をしているふとした瞬間に、改善のアイデアを出してくれることが多くあります。こういった現場をわかっている社員の業務改善のアイデアが、経営全体の改善につながっていくのです。


■人生100年、65歳で引退では資金が足りない




三戸政和氏

ここまで読み進めてくださったあなたにはきっと、ゼロイチの起業は難易度が高いものの、中小企業の改善はこれまでのビジネス経験の延長線上にあり、できないことはないかも……と感じていただけたのではないでしょうか。


私は、ゼロイチを作っていこうとする企業に投資する「ベンチャー投資(ベンチャーキャピタル)」と、すでに事業ができあがっている会社に投資する「バイアウト投資(バイアウトファンド)」の、両方のファンド投資を経験しています。その中で、“千三つ”の世界で、伸るか反るかの投資をするベンチャーキャピタルよりも、投資先のキャッシュフローが回っているバイアウト投資のほうが、はるかに手堅い投資だと気づきました。だからこそ私は、ベンチャーキャピタルではなく、バイアウトファンドを立ち上げたのです。


「なるほど、自分は中小企業の経営はできるのかもしれない。しかし、大変だろうし、苦労もするだろう。起業ほどではないにせよ、倒産のリスクもある。はたして、それだけのメリットはあるのだろうか?」


そんな考えが頭をよぎった方には、もう一度本書の序章を読み返していただきたいと思います。


人生100年を夫婦で豊かに幸せに過ごすためには、60歳で定年、再雇用を経て65歳で引退という道をたどっているのでは、明らかに資金が足りない、と書きました。


老後の「資産形成」という観点からも考えてみましょう。会社を買うことで、あなたの老後の収入にはふたつの大きな変化が生まれます。



■60歳から得られる役員報酬の魅力


1つ目は、「役員報酬」です。たとえば60歳からの10年間、会社を経営し、1000万円の役員報酬をきちんともらっていれば、税引き前収入の総額は1億円。手取りで7000万円くらいにはなります。これだけで人生100年時代の余生に必要な、月々20万円×30年間くらいのお金は得られます。




三戸政和『サラリーマンは300万円で会社を買いなさい』(講談社)

会社の業績をさらに向上できれば、役員報酬はもっと高くてもいいでしょうし、それにプラスして、中小企業なら経費もある程度自分の裁量で使えます。経営者はすべての活動が会社経営につながりますから、接待交際費など会社で処理できるものはいろいろありますし、当然ですが、家賃や車両費、交通費、電話代、書籍・新聞・雑誌代など、仕事上の目的のあるものはすべて経費計上可能です。なるべく経費を使い、むしろ役員報酬を抑え目にすると、税務メリットも享受できます。


また、中小企業では一般的ですが、配偶者に経理や庶務などの仕事をしてもらうことで、社員または役員として、給料を支払うことができます。自分1人で大きな報酬を得るより、そちらのほうが税務メリットもあります。中小企業は管理体制が整っていませんから、横領その他、お金のトラブルもよくあります。よって、税務メリットだけでなく、金庫番を配偶者にすることの安心感もとても大きいといえます。


■60歳からの収入が10倍以上に


対して、会社を買う選択をすることなく、61歳から65歳まで、継続雇用を選択した場合はどうでしょう。


一般的に、継続雇用の給料は定年前の50−60%程度です。大企業の課長職で定年になった人なら、400万円程度あれば“いいところ”ではないでしょうか。その5年間の総収入は、2000万円です。今、50歳の人たちが60歳を超えるころには、さらに継続雇用の給与は少なくなるかもしれません。大企業であなたを生かせるポジションがなくなっていくからです。


中小企業経営者になれば、たとえば年間1000万円の役員報酬を得て、10年間で1億円になると書きました。しかし、報酬以外にも経費を使い、配偶者にも給料を払えば、夫婦で2億円分程度の報酬は問題なく得られるイメージになってきます。つまり、細かな税金などの計算は除外しますが、継続雇用と中小企業を買った場合とで、60歳以降の収入が10倍も変わってくる可能性があるのです。



そして、収入のふたつ目は、「会社の売却代金」です。70歳まで経営改善を行い、利益率を上げることができれば、その上昇させた利益水準をもとに、買ったときより高く会社を売却することができます。中小企業の売買の基準では、改善した利益額の3−5倍以上は高く売れます。仮に、年間500万円の利益改善ができれば、買ったときの金額に1500万円から2500万円くらい上乗せして売れます。


■現役を退くのは70代でいい


60代は社長として、これまでの経験や人脈をうまく生かして、資産を作り、仮に現役を退くとしても、70歳を過ぎてからでいいでしょう。人生100年とすれば、それからでもまだ残り30年。「セカンドライフ」はそれからで十分ではないでしょうか。そして、それからの人生は、金銭的なゆとりという面で、以前とは天と地ほども変わってくるはずです。


歴史のある企業では、数々の関連会社を持っていて、その会社の社長・役員に「上がった人」を送り込んだりしているところがまだまだあります。まさに「天下り」です。そういう会社に勤めているサラリーマンのあなたは、「出世して高い報酬をもらったうえに、関連会社の社長や役員として、また高い報酬をもらう。ずるい」と感じたり、または、「自分たちの時代にもそれが続くのか」と不安に思ったりしたことがあるでしょう。でも今や、会社のそのラインに乗らずとも、あなた個人でも同じことができます。しかも、お飾りではなく、自分の能力・経験を生かした形で。


中小企業経営者の後継者不足で、事業承継にみんなが悩む「大廃業時代」とは、あなたにとってそういうチャンスの時代でもあるのです。



(株式会社日本創生投資代表取締役CEO 三戸 政和 写真=iStock.com)

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