中国が進める「IMFを活用した人民元基軸通貨化計画」

6月17日(水)11時0分 ダイヤモンドオンライン

今年10月のIMF総会が注目される理由


 IMF(International Monetary Fund:国際通貨基金)とは、為替相場の安定を目的とした国際機関で、通貨危機の時などに資金を融資し救済します。第2次世界大戦後、世界銀行などと共に、戦後の経済問題の処理を決めたいわゆるブレトンウッズ会議で創立が決定し、1947年(昭和22年)に業務を開始しました。現在の加盟国は国連加盟国193ヵ国とほぼ同じ188ヵ国です。


 その活動は、具体的には1980年代後半からの南米危機、90年代後半のアジア通貨危機、そして2008年のリーマンショック等で、国際収支が悪化し為替相場が大きく暴落した国に、救済的に融資を実施して、為替相場を安定させ経済を回復させました。もっとも、医療と一緒で、予防にも注力しており、加盟国の為替政策の監視とアドバイスを実施しています。


 SDR(Special Drawing Right:特別引出権)とは、なにか取っ付きにくい用語ですが、要はIMF活動における通貨(単位)のことです。通貨としての3文字の公式(ISO)な通貨コードはXDRとなっています。


 SDRは現在、主要4大国・地域の通貨(米国ドル、イギリスポンド、日本円、ユーロ)の加重平均である国際通貨バスケットとなり、他の通貨との交換が可能です。なぜ、この4通貨の通貨バスケットとなったか、その経緯は以下のようなものです。ブレトンウッズ体制は、金とドルがその拠り所となっていました。しかし、金の供給は不足し、ドルは米国の国際収支の悪化が著しく、60年以降は国際通貨制度(体制)が安定しませんでした。そこで安定的に多数の通貨のバスケットのSDRとして69年に発効(発行)されたのです。


 SDRの発効に際しては、当初、世界貿易において1%以上のシェアを持つ通貨を選び、加重平均しました。1980年までは16通貨のバスケットでした。1981年に評価方式の見直しがあり、輸出量が上位5位以内のIMF加盟国(アメリカドル、日本円、イギリスポンド、フランスフラン、ドイツマルク)通貨が選ばれました。以降5年毎に見直しが行われるようになりました。途中で、フランスフランとドイツマルクはユーロになり、4通貨になりました。この4通貨は基準通貨と呼び、「主要通貨」としての意味合いを持ちます。


 今年の第70回総会IMF総会は、リマ(ペルー)で10月9〜11日に世界銀行総会と一緒に開催されます。ちなみにその前日の8日には、G20財務大臣・中央銀行総裁会議が開催されます。


 特に今年は5年に一度のSDRの見直しが行われるので、大変重要な総会なのです。現在のSDRの構成比率は、その通貨を発行する国又は地域の輸出額、および他国が所有するその貨幣の外貨準備高に基づき計算されます。現在は以下の様になっています。


 さらに構成通貨の変更も行われます。ここで人民元が基準通貨として採用されるかが議論されます。中国が進める「人民元基軸通貨化30年計画」では、このSDRに採用されるということが、中国にとってはきわめて大事な中間目標とみなしているのです(中国人民元基軸通貨戦略については本連載6回「人民元の基軸通貨化を進める中国の狙いを教えてください」をご参照ください)。




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