アマゾン、あの手この手の「社会的距離」対策

6月18日(木)12時0分 JBpress

アマゾンロゴ(写真:AP/アフロ)

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 米アマゾン・ドット・コムは6月16日、物理的距離を確保するソーシャル・ディスタンシングに役立つ、AI(人工知能)システムを開発し、米国の物流施設で導入を開始したと明らかにした。


ソーシャル・ディスタンスを自動測定

 「ディスタンス・アシスタント」と名付けたこのシステムは、カメラとパソコン、50インチのモニターを組み合わせている。

 カメラで捉えた映像をモニターに映し出し、歩いている人の周囲に拡張現実(AR)の輪を重ね合わせる。従業員同士の距離が6フィート(1.8メートル)以上あれば輪を緑色で表示、それ以下であれば赤色にし、近づきすぎていることを知らせる。従業員自らが、十分な距離を取っているかどうかを確認できるようにするという。

 米CNBCによると、このシステムは、物流施設内の通路や出入り口など人の行き来の多い場所に設置するために開発された。アマゾンはソフトウエアを無償公開する予定で、他の企業も容易に同様のシステムを構築できるという。アマゾンはこのシステムを数週間かけて数百の施設に導入すると述べている。


距離が近くなると大きな警告音

 CNBCの別の記事によると、アマゾンは米ワシントン州ケントの物流施設で、6月17日からソーシャル・ディスタンシング用のウエアラブル機器を試験導入するという。

 こちらは、従業員に身に着けてもらう小型機器。人との距離が近くなると、大きな警告音を発し、LEDライトが点滅する。この機器によって収集したデータを、コンタクトトレーシング(接触追跡)に活用することもできるという。当初は同施設の昼間の従業員に試験導入し、意見を聞くとしている。

 アマゾンでは、このほか、ソーシャル・ディスタンスをモニターする専門従業員を配置したり、施設内の改善箇所を割り出す技術者を雇ったりしているという。


従業員や司法当局が職場環境の改善要求

 アマゾンでは、物流施設の感染防止策などが不十分だとして一部の従業員が抗議を始めた。今年3月には、ニューヨーク・スタテン島にある物流施設で50人以上がストライキを行った。米ミシガン州デトロイト近郊にある物流センターでも従業員が抗議デモを行ったと報じられた。

 CNBCによると、米マサチューセッツ州など米13の州・地域の司法長官がアマゾンと傘下スーバー、米ホールフーズ・マーケットの両最高経営責任者(CEO)に質問書を送り、米疾病対策センター(CDC)と米労働安全衛生局(OSHA)による指導の順守状況を報告するよう求めている。

 こうした非難を受け、アマゾンのジェフ・ベゾスCEOは先の決算発表の電話会見で、今年4〜6月期に40億ドル(約4300億円)を投じ、新型コロナウイルス対策を講じると述べた。

 (参考・関連記事)「アマゾン株主が従業員への新型コロナ対策強化を要求」

 (参考・関連記事)「アマゾンが「社会的距離」違反に罰則、2回で解雇も」

筆者:小久保 重信

JBpress

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