優秀なリーダーの「若手社員の育て方」…絶対に部下に「伝えるべきこと」とは?

2024年6月20日(木)6時0分 ダイヤモンドオンライン

優秀なリーダーの「若手社員の育て方」…絶対に部下に「伝えるべきこと」とは?

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上司・管理職のバイブルとして世界で1300万部を超えるベストセラーとなった名著『1分間マネジャー』を送り出したケン・ブランチャードらが、リーダーシップについて著した『1分間リーダーシップ』。そして、その改訂新版が本記事で紹介する『新1分間リーダーシップ』だ。過去40年間にフォーチュン1000の優良企業のほとんどで、また世界中の急成長する新興企業で伝授されてきたリーダーシップのモデルとは?(文/上阪徹)

Photo: Adobe Stock

どんな部下にも通用するリーダーシップとは?

 リーダーは、どんなマネジメントを行うべきなのか。実践的でわかりやすく、使いやすいアプローチはないものか……。リーダーの誰もが求める新しいリーダーシップの考え方を平易に説いたのが、『新1分間リーダーシップ どんな部下にも通用する4つの方法』だ。

 本書は共著の形になっているが、著者の一人は、ケン・ブランチャード。65冊の共著書があり、世界の47言語に翻訳され、合わせて2800万部超の売り上げがあるという世界で最も影響力のあるリーダーシップの権威である。

 そして本書に登場するのが、世界で1300万部を超えるベストセラーとなった彼の名著『1分間マネジャー 部下を成長させる3つの秘訣』の主人公「1分間マネジャー」。その「1分間マネジャー」から教えを受け、働き過ぎの起業家が新しいリーダーへと成長、多様なチームメンバーの力を最大限に引き出す方法を学んでいく姿を、ストーリー仕立てで描いていく。

学んだ概念を誰にも説明しない

「1分間マネジャー」は、自らの部下に会って話を聞いてもらうことで、起業家の女性に「新しいリーダーシップとは何か」を伝えていく。

 それは「状況対応型リーダー」というものだった。

 メンバーの発達レベルに合わせて、「指示型」「コーチ型」「支援型」「委任型」の4つのリーダーシップスタイルを変えていくこと。だが、ここで一つ重要なことがあった。

「リーダーシップを学ぶ人たちの困ったところは、学んだ概念をだれにも説明しないまま使おうとするところです」(P.113-114)

「1分間マネジャー」の説くリーダーシップスタイルは、部下に対して何かをすることではなく、部下とともに何かをすることなのだ。

説明されていないから勘違いされてしまう

「1分間マネジャー」が説くのは、メンバーの発達レベルに合わせて、「指示型」「コーチ型」「支援型」「委任型」の4つのリーダーシップスタイルを変えていくこと。

 ところが、部下はリーダーのリーダーシップスタイルが変わっていくということを知らないまま、上司が発達レベルが上がったからと「委任型」に移行し、いきなり一緒に過ごすことも、会うこともほとんどなくなったとしたらどうなるか。

 その疑問には、教えを乞うていた起業家が答えた。

「自分のどこが悪かったのかと悩みはじめるでしょう。マネジャーは自分に関心がない、無視され、評価されていないと思うようになります」(P.114)

 リーダーのリーダーシップスタイルがどんなものなのかを知らなければ、よかれと思って切り替えたスタイルに、むしろ不安を持ってしまうかもしれないのだ。

 逆に、まったく未経験の人にも同じようなことが起こり得る。最初はたくさん指示を与える必要があると判断し、「指示型」で何を、いつ、どうやってやるか、ひっきりなしに指図する必要がある。

 しかし、リーダーシップスタイルが今のところは「指示型」で、成長に伴って「コーチ型」に移行していくということを知らなかったらどうなるか。こんなことがずっと続くのでは、と思ってしまいかねない。

 信用されていないと感じるかもしれない。つらく当たられているだけだと思ってしまうかもしれない。

「1分間マネジャー」は語る。

「いずれの場合も(中略)説明をしていませんから、どんなに正しい診断を下し、どんなに正しいリーダーシップスタイルを選択しても、誤解されてしまうのです。ベテランで有能なあなたは、自分が何か間違ったことをしでかしたかと勘違いする。そして未経験の部下のほうは、信用されていないと思い込む」(P.115)

 しかし、リーダーシップスタイルが切り替わっていくということを、お互い理解できていたとしたらどうか。心配はなくなる。監督が不要だということは、高く評価してくれている証拠だと気づける。

 未経験の場合は、細かく指示を与えたり監督するのは、自分のスキルを伸ばそうとしているのだと気づける。気に病んだりすることはなくなるのだ。

リーダーに何でも話せる場が用意されている

 そして「1分間マネジャー」は、もう一つ、起業家にアドバイスした。それは、部下との対話の質と量を増やすことだ。部下との対話には6種類があると「1分間マネジャー」は語った。

“意識合わせ対話”
“スタイル対話(指示型)”
“スタイル対話(コーチ型)”
“スタイル対話(支援型)”
“スタイル対話(委任型)”
“1対1対話”

 “意識合わせ対話”とは、部下の目標や発達レベル、目標やタスクごとにどんなリーダーシップスタイルを選択するか、お互いに合意しておくための対話だ。

「1分間マネジャー」のメンバーの一人が、これを怠ると起こることをこう説明する。

「部下に仕事の内容を尋ね、そのあとマネジャーにその部下の仕事内容を聞くと、まったく違う答えが返ってくることが珍しくありません」(中略)
「前もって責任範囲をお互いに確認しておかないと、当然やるべき仕事を怠ったといって罰せられることさえあるのです」
(P.123)

 “スタイル対話”では、意識合わせ対話で決めたリーダーシップスタイルを実践に移していく。その主眼が、特定の目標やタスクに対して、リーダーが部下の発達レベルに見合ったリーダーシップスタイルを提供することだ。

 “スタイル対話(委任型)”では、対話の導入は部下が行う。

 “スタイル対話(支援型)”では、「1分間マネジャー」は耳を傾け、ふさわしい質問をし、信頼や激励の言葉をかける。

 “スタイル対話(コーチ型)”では、「1分間マネジャー」が対話を主導する。もうひと踏ん張りできるよう、助言や支援を与えるためだ。

 “スタイル対話(指示型)”では、しっかり指示をする。熱意はあるので、支援はそれほど必要はない。

 そして“1対1対話”。「1分間マネジャー」の部下がこう語る。

「1分間マネジャーと私はバーチャルで15分から30分くらい、隔週で1対1ミーティングを開いています。日程を決めるのは1分間マネジャーですが、議題は私が決めます。1対1対話では、私が思うことをなんでも話してよいことになっています」(P.135)

 リーダーに対して、何でも話せる場が用意されているということだ。そして「1分間マネジャー」のリーダーシップスタイルの魅力について、部下はこう続ける。

「1分間マネジャーのために働いているというより、1分間マネジャーがそばにいて、私の成功を助けてくれると感じられるところです」

 こんなリーダーシップスタイルが、あるのである。

上阪 徹(うえさか・とおる)
ブックライター
1966年兵庫県生まれ。89年早稲田大学商学部卒。ワールド、リクルート・グループなどを経て、94年よりフリーランスとして独立。書籍や雑誌、webメディアなどで幅広く執筆やインタビューを手がける。これまでの取材人数は3000人を超える。著者に代わって本を書くブックライティングは100冊以上。携わった書籍の累計売上は200万部を超える。著書に『ブランディングという力 パナソニックななぜ認知度をV字回復できたのか』(プレジデント社)、『成功者3000人の言葉』(三笠書房<知的生きかた文庫>)、『10倍速く書ける 超スピード文章術』(ダイヤモンド社)ほか多数。またインタビュー集に、累計40万部を突破した『プロ論。』シリーズ(徳間書店)などがある。

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