kintoneを使って災害ボランティアのマッチングシステムを構築

2024年6月20日(木)11時46分 PR TIMES

能登半島地震の災害支援プロジェクトに参加

今年の元旦に発生した能登半島地震では、石川県を中心に大きな被害が発生し、現在も多くの方々が避難生活を強いられています。この他にも、近年、世界各地で大規模な災害が頻発しています。

これらの災害復興にはボランティアの協力が欠かせません。ボランティアは数が不足しているだけでなく、情報共有の不備が原因で効率的な支援が難しいという課題があります。

こうした状況を改善するため、株式会社コムデック(代表取締役:生田智之)は、サイボウズ社の災害支援プロジェクトの一環として、kintoneを活用した災害ボランティアのマッチングシステムを構築しました。このシステムは2024年6月現在でも活用されており、被災地の復旧に貢献しています。以下に、このマッチングシステムの詳細と構築までの過程をご紹介します。
[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/106868/20/106868-20-3d9acf6ef9a83b3db6c6cbc5040ceba8-700x485.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
【ボランティアの無駄を削減したい】
2024年1月1日に能登半島で発生した地震では甚大な被害が出ましたが、この地震から数日後、道路状況が徐々に改善し、支援物資の提供や炊き出しが可能となりました。

しかし、支援が本格化するにつれて、情報共有や調整が難しくなります。実際、加賀から近い七尾や輪島南部では、炊き出しの重複が起きていました。この原因は、ボランティアの調整を手作業で行っていたことにありました。緊急時のため準備が不十分であるのは仕方がないですが、物資の提供や炊き出しの割り当てをアナログで行うのは非常に効率が悪くなってしまいます。

こうした課題を解決するため、ボランティアの調整を手作業からシステムに移行するべく、ボランティアのマッチングシステムを構築することにしました。
【ボランティアのマッチングシステムを構築】
今回のボランティアのマッチングシステム構築にあたり、kintone(キントーン)とその拡張機能を使用しました。これらのツールを使いシステムを構築すべく、当社は課題を解決するための要件の設計を行いました。

kintone:https://www.comdec.jp/product/kintone/

本件の解決したい課題は、物資の提供や炊き出しの割り当ての需要と供給が可視化されておらず、マッチングがうまくいっていないことでした。

そこで、避難所の代表者が炊き出しを依頼したい場所、時期、量、メニューの要望、調理設備などを登録できる「炊き出しのニーズ登録機能」、避難所の一覧と各避難所のカレンダーを表示し、日付を選択するとその日の全避難所の炊き出し予定が確認できる「ポータルサイト」、ボランティア希望者が自分が行ける避難所を場所や日付の条件で検索し、連絡先を添えて申し込むことができる「ボランティア参加申込システム」を構築しました。

これらの機能を現場のニーズを踏まえて設計し、避難所とボランティアのマッチングを効率化しました。
【kintoneの拡張機能を活用して多くの人に情報共有】
システムを構築しても、多くの人に使ってもらわないと意味がありません。今回の件で問題となったのは、「一般のボランティア希望者に、どうやってkintoneの情報を共有するか」という点であり、ボランティアに興味がある人全員にkintoneのアカウントを付与するのは現実的ではありませんでした。

そこで、kintoneの拡張機能「じぶんシリーズ」と「kViewer(ケイビューワー)」を活用しました

「じぶんシリーズ」は、kintoneのアカウントがなくても外部と情報共有ができるツールで、問い合わせや申込みができる「じぶんフォーム」、ログインせずにkintoneの情報を閲覧・編集できる「じぶんレコード」、ログインして利用する「じぶんページ」の3つのサービスがあります。「kViewer」も「じぶんシリーズ」と類似していますが、ID・パスワードの設定が不要で不特定多数に公開できるという特徴があります。

今回のマッチングシステムでは、避難所の代表者に「じぶんページ」を作成してもらい、ボランティア希望者には「じぶんフォーム」から参加を申し込んでもらうことにしました。

ボランティアの申込みがあると、避難所代表者の「じぶんページ」にプッシュ通知が届き、内容を確認してステータスを「確認済み」に変更することで、避難所代表者は「じぶんページ」のコメント機能を使ってボランティア希望者とコミュニケーションがとれるようになります。また、避難所一覧の表示にはkViewerを使い、ポータルサイトを訪れた人なら誰でも避難所情報を閲覧できるようにしました。
【2種類の情報を使い分けることで効率化を図る】
避難所とボランティアのマッチングシステムを構築するうえで、「ストック情報」と「フロー情報」の使い分けに注力しました。

ストック情報とは、特定の型で蓄積し、後から見返したり再利用したりする情報のことで、アクセスしやすい場所で管理するのが原則です。今回の事例で言うと、避難所の住所やボランティアの作業マニュアルなどがストック情報にあたります。

一方、フロー情報は特定の型を持たず、その場限りの共有を目的とする情報を指します。災害支援においては、このフロー情報のスピーディーなやりとりがカギとなります。例えば「明日は〇時に集合してください」や「資料を送ってください」などのやりとりがフロー情報です。

ストック情報とフロー情報は、情報としての価値に優劣があるわけではありません。ストック情報はkintoneのレコードとして残し、フロー情報はコメント等で共有するというように、それぞれに適した形で管理できるよう工夫しました。

こうすることで、情報の整理と共有が効率化され、支援活動がスムーズに進むようになりました。
【支援のマッチングのデジタル化によって無駄のない災害支援を実現】
今回、コムデックが災害支援のプロジェクトに参加したことで、従来手作業で行っていたボランティアの調整をシステムで実現しました。これにより、支援のニーズが一元的に可視化され、ボランティアは自身の能力や都合に応じた適切な支援を行えるようになりました。

さらに、ボランティア希望者には「じぶんフォーム」から参加を申し込んでもらうようデジタル化したことで、手作業で行っていた際に発生していた炊き出しの重複が解消されました。

このように、無駄のない効率的な支援を行える環境が構築されたため、本当に困っている人々への支援が最大限に行えるようになったといえるでしょう。

このようにコムデックは、ITを活用して業務効率化や生産性向上、さらには人々の生活向上につながる支援を行っています。今後も企業の業務改善を通じてより便利なデジタル社会の実現を目指してまいります。業務改善にお悩みの企業さまは、ぜひ一度ご相談ください。

関連記事:https://www.comdec.jp/comdeclab/kintone-build-01/
【会社概要】
企業名:株式会社コムデック
本社所在地:三重県伊勢市小木町484-1
代表取締役社長:生田 智之

事業内容:ノーコードプログラミングの発達により中小企業自身が自社に合ったシステムを簡単に開発できる社会に移り変わる中、従来のシステム開発事業から「目の前でシステムを構築してその場で作ってその場で修正する」対面開発事業へ重心をシフトしました。

お伊勢参りのお土産として有名な株式会社赤福にもkintoneで開発したアプリを提供しており、それらの事例はオウンドメディアである『コムデックラボ』で公開しています。

オウンドメディア等を通じてデジタル活用の可能性を広め、『伊勢からITで日本を元気にする』ことを目標に掲げています。

公式HP:https://www.comdec.jp/
YouTube:https://www.youtube.com/@kintonegeinin/featured

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