アップル、オリジナルTV番組事業に本腰

6月21日(水)6時0分 JBpress

米ロサンゼルスにある米映画製作大手ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント本社の入り口(2014年12月16日撮影)。(c)AFP〔AFPBB News〕

 米アップルはこのほど、米ソニー・ピクチャーズエンタテインメント傘下の企業から、2人の幹部を迎え入れると発表した。


映像番組部門の責任者を採用

 その2人とは、ソニー・ピクチャーズのテレビ番組制作会社ソニー・ピクチャーズテレビジョンで2005年から共同社長を務めてきた、ジェイミー・エーリクト氏とザック・バン・アンバーグ氏。

 両氏は過去10年間、数多くのヒット番組に携わってきたことで知られる人物で、その代表的な番組には、犯罪ドラマシリーズ「ブレイキング・バッド」や、伝記ドラマシリーズ「ザ・クラウン」などがある。

 そして、両氏は今夏から、iTunes StoreやApple Musicといったネットサービスなどを統括するシニアバイスプレジデント、エディー・キュー氏の直属となり、アップルの映像番組部門を率いていくと、アップルは説明している。

 アップルはこれ以上のことは明らかにしていないが、ウォールストリート・ジャーナルや9to5Macなどの米メディアによると、同社は今後、オリジナル番組に力を入れ、サービス事業の強化を図りたい考えだ。


オリジナル番組がブーム

 米国では、ここ近年、「コードカッター」と呼ばれるケーブルテレビ契約をやめる人が増えている。そうした人々は、インターネットを介して映像を配信する、オーバーザトップ(OTT)サービスを好むようになっている。

 このOTTサービスは、米ネットフリックスや、米フールー、米アマゾン・ドットコムなどが手がけているが、最近はこれらの企業が自ら、オリジナルテレビドラマシリーズを制作しており、それらが人気を博している。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、その動きはますます加速している。例えば、2016〜2017年のテレビシーズンにおけるオリジナルドラマの数は500本に上り、2011年から、ほぼ倍増した。

 アップルもこの流れに乗り、同社の映像配信端末「Apple TV」やiPhoneなどを通じて独自コンテンツを配信し、利用者の囲い込みを図るのではないかと、9to5Macは伝えている。


テレビサービス計画の復活か

 アップルのメディアコンテンツ配信事業については、かねて、同社が定額制のテレビサービスを計画しているとの観測が出ていたが、アップルはその計画の中断を余儀なくされたと伝えられている。

 報道によると、同社は、十数チャンネルをまとめた、月額料金30〜40ドルのテレビサービスを計画していた。しかし、メディア企業とコンテンツの配信料について協議がまとまらず、計画を断念した。

(参考・関連記事)「アップル、テレビ番組ライブ配信サービスの計画を中止

 そうした中、同社は最近、徐々にだが、オリジナルコンテンツに力を入れ始めている。例えば前述した有料音楽配信サービスApple Music内で、アプリ開発者発掘番組「Planet of the Apps アプリケーションの世界」や、音楽ドキュメンタリー番組を配信している。

 また先ごろ同社は、米人気トークショーの名物コーナー「Carpool Karaoke」の権利を取得し、今年8月から世界100カ国のApple Music会員に独占番組を配信すると発表した。

 今夏、アップルに移籍するエーリクト氏とアンバーグ氏の2人は、こうした事業を拡大していくことになるが、それと同時に、アップルでは再び、テレビサービス事業について検討することになると、ウォールストリート・ジャーナルは伝えている。

筆者:小久保 重信

JBpress

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