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だまされてはいけない!大損する金融投資

プレジデント社6月21日(水)15時15分
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定年退職を迎えると、退職金という形で2000万円、3000万円というまとまったお金を手にする。しかし、マイナス金利のあおりを受けて、預金していても利息は微々たるもの。そこで、つい手を出してしまうのが投資なのだが、そこには思わぬ落とし穴がいくつも待ち受けているのだ。

「世帯主の年齢が50歳代の世帯のうち、33.0%が無貯蓄である」——。にわかには信じられない数字だが、これは金融広報中央委員会「会計の金融行動に関する世論調査(2013年)」で明らかになった真実なのだ。それだけに60歳の定年時に手に入れられる2000万〜3000万円もの退職金は、まさに“恵みの雨”ということになる。



それにもかかわらず、20年、30年と続く老後の生活を少しでも楽にしようと、退職金を元手に投資を考える人が少なからず現れる。確かに元手の金額が大きい分だけ、運用の選択肢は広がる。しかし、それは選択を誤る可能性も高まることを意味しているのだ。


「世の中、そう美味しい話などない」とわかっていても、巧みなセールストークや、一見高そうな利回りの数字を見せられると、つい信じてしまうもの。でも、それで“虎の子”の退職金を失ったら、後は“貧乏老後”の道をころげ落ちるしかない。一口に投資といっても、債券、株式、不動産などさまざまで、リスクの高いものもあれば低いものもある。その一方で、金融機関や不動産業者からの電話やダイレクトメールでの勧誘もあれば、ネット上ではさまざまな投資情報が飛び交っている。


そこで、退職金投資で落とし穴にはまらないようにするポイントについて、プロに教えを請うことにしよう。



■落とし穴——1 金融投資


高利回りの外国債投信に潜む大損リスク

「先々の老後資金が少しでも増えれば」と、これまでの蓄えや退職金を運用したくなるものです。しかも、マイナス金利の導入で預貯金の金利は以前よりも低迷しており、ますます焦りが募ってきます。それだけに「お勧め商品を紹介したい」と金融機関から営業の電話がかかってくると、「カモがネギを背負(しょ)って」やらなくてもいい投資につい手を出してしまうのです。


よく素人が手を出しがちなのが、「見た目」の高利回りが魅力的な新興国などの外国債投資信託です。外債と国内の公共債や社債との決定的な違いは、「満期まで持っていても元本保証」とは限らないこと。確かに満期まで持てば、額面全額は戻ってきます。でも、それはあくまで外貨ベースなのです。


利回りが高いのは、インフレ率の高い新興国などでは金利が高くなるから。インフレはお金の価値の目減りですから、その通貨が円に対して弱いことを意味し、為替リスクが発生する可能性が高いわけです。満期時に投資時よりも10%円高に振れていたら、それだけで外貨ベースでの稼ぎが吹き飛ぶかもしれません。こうした金融商品の広告には「為替リスクがあります」と小さく記載され、金融機関は説明責任を果たした形になっており、「損をした」と騒いでも後の祭りです。


株式投資はどうでしょう。証券会社に口座を開いていれば必ず「いい株」の営業電話がかかってきますが、株の銘柄選択にはほとんど意味がありません。マネー雑誌の「推奨銘柄」もそうですが、仮に値上がり材料が正しかったとしても、その材料を反映してすでに株価が動いているものなのです。


配当利回りの高さで株を買うのも賢いやり方ではありません。配当を支払うと、その分だけ会社からキャッシュが出ていき、株価は下がります。100万円で株を買って10万円の配当があっても、株価が90万円になったら、意味がありません。むしろ、配当をせずに研究開発投資に回して業績が向上し、株価が100万円から120万円にアップしたほうがいいでしょう。



■バランスの悪い個人向け社債


最後に要注意なのが、「預金と比較すれば好利回り」を謳う個人向け社債です。その個人向け社債の利回りは国債よりも高いのが普通で、有利に見えるのは確かです。しかし、「有利に見える」というのは幻想にすぎません。社債の発行元である会社がデフォルト(債務不履行)すると、債券は紙くずになります。では、なぜ個人向け社債が国債より利回りが高いのか?


個人向け社債が国債よりもデフォルトしやすいからです。まだ株式は、株価が大幅に上がることもあるし、流動性も高くてイザというときに売りやすい。一方、個人向け社債は銀行預金よりも利息が少し高いだけなのに、デフォルトすればすべてを失うという儲けと損のバランスの悪い金融商品で、流動性が低くて売りにくい点も問題です。


3000万円の退職金があるなら、半分は預金、半分をインデックス投信に回すことをお勧めします。それも一気にではなく、毎月少しずつ同じ金額で購入していきます。そうした投資方法を「ドル・コスト平均法」といい、損失が一時発生したとしても、長期にわたるトータルの利益でカバーしていくものです。くれぐれも図にあるようなセールストークに耳を傾けてはいけません。



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永野良佑

金融アナリスト。外資系金融機関でデリバティブを活用した商品設計などに長期間携わる。現在は執筆・講演活動も積極的に行う。著書に『新版 プロが絶対買わない金融商品』をはじめ著書多数。

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(金融アナリスト 永野 良佑 構成=吉田茂人)

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データ提供元:アニメキャラクター事典「キャラペディア