全日空がエアアジアとの提携解消へ 「LCCブーム」早くも陰り、生き残りに必死

6月23日(日)17時0分 J-CASTニュース

成田空港に着陸するエアアジア・ジャパン1号機

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   ANAホールディングスとアジア最大の格安航空会社(LCC)、エアアジア(マレーシア)がLCC事業の提携解消を視野に協議を進めている。ANAは共同で立ち上げたLCCの合弁会社エアアジア・ジャパンのエアアジア保有分をすべて買い取り、完全子会社にする検討にも着手した。このところブームになっていたLCCに今、何が起こっているのか。




成田拠点に国内外8路線


   エアアジア・ジャパンは2011年8月、ANAが51%、エアアジアが49%を出資して設立された。成田空港を拠点に12年8月に就航し、国内5路線と国際3路線で運航している。


   12年はエアアジア・ジャパンと同じANA傘下で関西国際空港を拠点とするピーチ・アビエーション、日本航空系で成田を拠点とするジェットスター・ジャパンと日系LCC3社が出そろい、「LCC元年」としてもてはやされた。エアアジア・ジャパンも就航当初は大勢の乗客であふれ、昨年8月の搭乗率は84%と目標(80%)を上回り好調な出だしだった。


   しかし、旅行シーズン以外の搭乗率が徐々に低迷。同じANA傘下のピーチが平均で75%超を維持しているのに対し、エアアジア・ジャパンの搭乗率は直近の13年4〜5月は50%台と目標をはるかに下回る低水準。LCCは1機あたりの座席数を増やすなどして効率的に運航することで格安運賃を実現し、利益を上げるシステムで成り立っており、搭乗率の低さは致命的だ。このためANAとエアアジアは事業改善に向け協議してきた。


   複数の航空関係者によると、エアアジア・ジャパンが不振に陥っている最大の要因は、「エアアジアが冠であることによる知名度の低さと、成田拠点であること」という。



将来は「ピーチ」ブランドに統一?

   LCCは低コストが使命であり、チケットは旅行代理店などを通さず、個人が直接インターネットから各航空会社のホームページにアクセスして購入するのが基本だ。エアアジアはアジア最大手のLCCとはいえ、「日本での知名度が低く、ネット検索するまでの壁は高い」(航空関係者)。しかも、エアアジア・ジャパンのホームページはエアアジア本体のものをベースに作成されており、「英語が多く、検索システムも日本人になじまない」と不満をもつ利用者は非常に多い。


   さらに、エアアジア・ジャパンが拠点とする成田は多くの航空機が乗り入れ、競争が激しいうえ、午後11時〜翌日午前6時は原則、航空機の離着陸ができないという制約がある。


   これに対し、ピーチが拠点とする関空は競合相手が少なく、24時間営業。ピーチは関西を地盤とする姿勢を強く打ち出し、関西一帯で知名度を上げており、お年寄りや若い女性など、新たな需要の掘り起こしに成功している。


   ピーチと比べれば、エアアジア・ジャパンが営業上、不利な条件にあるのは否めない。


   ANAとエアアジアとの提携解消に就いて、航空関係者からは「ANA傘下で経営した方が地名度やブランド力が向上する」と前向きな評価が少なくない。実際、ANAは将来的に、エアアジア・ジャパンをピーチブランドに統一して運営する可能性もある。


   エアアジア・ジャパンは就航からまだ1年も経たないうちに、経営上、大規模な変革に直面している。日本に乗り入れているLCCはすでに、日系3社を含め、7カ国14社に上る。「今後、競争はさらに激しさを増す。どんな航空会社でも戦略の転換に手をこまねいている時間はない」(航空関係者)との声は多い。

J-CASTニュース

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